なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

「休み時間の免疫学」

2018年04月08日 | Weblog

 「休み時間の免疫学」齋藤紀先著(講談社)の第3版が出たので、土日はこれを読んでいた。初版、第2版と購入してきた。免疫学の知識はこれで充分かどうかわからないが、今さら学生向けの教科書まで読む気はしない。著者は出世されていた。

休み時間の免疫学 第3版 (休み時間シリーズ)

 

 当院でも「抗菌薬適正使用支援チーム Antimicrobial stewardship team」が始まった。とりあえずは加算をとるためだが、適正使用にも貢献できればいい。大学病院の感染症専門医と週に1回2~3症例を検討する。

 今回は2症例。80歳代女性の尿培養でEBBL産生菌が検出されて、セフェム系抗菌薬(内服薬)が処方されていた。尿混濁所見を見て処方したようで、たぶん培養結果は見ていない。そもそも発熱も血液検査での炎症反応も陰性だった。保菌だけなのか。まず培養結果だけ伝えることにした。

 直腸穿孔による腹膜炎で緊急手術になった80歳代後半の女性は、術後2週間以上発熱・炎症反応上昇が続いていた。抗菌薬はカルバペネム・抗MRSA薬・抗真菌薬の3剤が投与されていた。培養で有意な菌は検出されていない。発熱~解熱を繰り返して、炎症反応も軽減~増悪を繰り返している。直近では解熱傾向があり、炎症反応は増悪という状態だった。

 明らかなMRSA感染・真菌感染はなさそうで、2~3日後の血液検査の結果が良ければ、まず抗真菌薬を、それから抗MRSA薬を中止してみてはというアドバイスだった。培養再検は全部の抗菌薬を中止にはしにくいので、1剤になったところでその日の抗菌薬が始まる直前に出してみてはとも言われた。

 今日は「感染症治療のエッセンス&ピットフォール」竹末芳生総監修(じほう)を購入。

 

 

 

 

コメント (1)
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