なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

AIH?PBC?

2018年04月19日 | Weblog

 4月11日に肝機能障害で71歳男性が内科クリニックから消化器科に紹介された。入院時に消化器科医から相談された。紹介時は、AST225・ALT135・ALP1173・γ-GTP748・総ビリルビン3.5で、胆道系酵素の上昇が目立った。腹部エコーでは胆道系に問題がなかった。

 HBV・HCVは陰性で、今時HAVもないでしょうという話になった(HEVも含めて検査は提出)。その後いつからの肝機能障害なのか問い合わせると、数年前からだった。慢性肝疾患としては、自己免疫性肝炎(AIH)か原発性胆汁性胆管炎(PBC)だが、どちらかというとPBCかなと思われた。AIHとPBCのオーバーラップも考えられた。TTT(IgM)とZTT(IgG)が上昇していたが、当院ではIgM・IgG・IgAが測定できるので、そっちで診た方が早い。

 結果は良そうに反して、抗核抗体1260倍で陽性、抗ミトコンドリア抗体M2は陰性だった。マーカーからはAIHになるが、臨床的・肝機能検査的にはAIHとPBCのオーバーラップを考えたい。治療はプレドニン(40mg/日)とウルソ投与で開始して、肝機能は改善してきた。あとはどこまでプレドンを漸減できるかになる。

 紹介した内科クリニックは消化器科の先生なので、普段はもう少し検査しているはずだ。AST・ALTが2ケタ(50くらい)だったのでそのまま経過をみていたのだろうか。

コメント (1)
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