東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

江戸~明治時代 田布施町で織られた織物布の見本帳「島手本」

2017年01月21日 | ふるさと

 江戸時代から明治にかけて、田布施でさかんに織られた布を再現できないか考えています。今回、田布施で織られた貴重な布サンプル集「島手本」を見つけることができました。はっきりした年代は分からないのですが、「明治」と書かれているため、今から110年以上前であることは間違いありません。

    明治時代の布サンプル帖        明治 大波野村 天皇原
 

 そのサンプルは、当時田布施で織られた縞の手本帖です。帳面の表には「島手本」と書かれています。持ち主は、田布施村大字大波野村天皇原のK家です。大波野天王原のK家のご先祖ではないでしょうか。K家はかつて庄屋をしていたとのこと。江戸から明治にかけて、この縞手本を元に織子に布織りを頼んでいたのではないでしょうか。先日織物を見学したOさんの家は、まさに旧K家の建物なのです。その奇遇に驚きました。

      20数ページ以上ある「島手本」帖の、あるページの布サンプル


 また田布施には染物屋がありました。明治時代、染めた反物を田布施川で洗っていたとの記録があります。写真もあります。K家は、自分でも織っていたかも知れませんが、織物や染めの総元締めではなかったのでしょうか。上方で流行している柄をすばやく取り入れ、柳井や水場経由で上方に売っていたのではないかと思います。

   変わった柄の布サンプル1         変わった柄の布サンプル2
 

 「島手本」帖のサンプルを見ると、柳井縞と同じようなチェック模様が多いことに気が付きます。柳井も田布施も同じような柄の反物を織っていたのでしよう。かすり模様など変わった柄の布もありますがわずかです。当時流行った柄が分かるような気がします。今、柳井縞会長のIさんに、郷土館にある古い機織り機を修理していただいています。「島手本」帖のサンプルのような反物を再現できる日がくるでしょうか?

  修理を待つ機織り機、サンプルのような反物を再現する日がくるでしょうか?
 

コメント
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