東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

糸紡ぎに使う、各種紡錘子(スピンドル)

2017年01月29日 | 綿栽培,糸つむぎ,織り,染色

 去年から羊の毛を使って毛糸を紡いでいます。その一番オーソドックスな道具が紡錘子です。スピンドルとも言います。私が使っているは、下画像の下段と中段の紡錘子です。中段のものは、購入したものです。下段のものは、不要なCDを使って私が制作したものです。上段は大波野のOさんにお借りしている綿糸を紡ぐ小型の紡錘子です。

          各種紡錘子、中下段は羊毛用、上段は綿用


 ところで、田布施で古代紡錘子の円盤部分の土器(石器もある)が発見されてます。古代においては、木を円形に加工することが難しかったようです。そのため、古代田布施では土器として作ったのでしょう。又は、土器の破片を加工して作ったのでしょう。今では木工旋盤を使って容易に作ることができます。なお、木製品は古代で使われたのかも知れませんが、腐るので遺跡として見つからないだけかも知れません。

            紡錘子を使って毛糸を紡ぐ


 田布施で発掘された紡錘子円盤部には横溝があります。その溝の意味が分かりません。Oさんに借りた現代の紡錘子を見ると、根元に抜けや滑り止めのための細い留め具が刺してあります。古代も円盤が抜けたり滑らないように何か工夫したはずです。そのため、その名残が横溝として残っているのではないかと思います。その紡錘子や円盤部の固定方法を再現するため、田布施の陶土を使って、中央公民館にある窯でこの紡錘子や皿を焼く計画です。

    二つの部品からなる紡錘子         現代紡錘子の細い留め具
 

 古代の紡錘子の棒の部分は木質だったので、遺跡には残っていません。細かな木の加工技術が未熟だったことと、金属はなく石器を使っていたことを考えると、その当時どこにでもあった笹の茎を使ったのではないかと思います。細長く芯が丸い笹は、当時はどこにでも生えています。その笹の茎の根元を裂いて、笹の葉や何かの繊維を詰めて、円盤土器に挿せば容易に固定できるようにも思います。そして、今でも田布施のどこにでもある古代の繊維と言われるカラムシを紡いでいたのでしょうか。どこかの博物館に古代の紡錘子を再現したものがあるかも知れませんが、自分で考えるのは楽しいものです。円盤土器を作った後、笹の茎やいろいろな木を試してみようと思います。


 

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