湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

日本沈没が沈没する日

2006-08-06 14:50:04 | 湘南ライナーで見る


「あっ、落っこちた!」
先週末の夕方、買い物帰りにクルマから降りた息子がそう叫んだ。
買ったばかりの文庫本『日本沈没』(小松左京著/小学館)を、スルリと立体駐車場の足元の隙間へ。
まあ、ものの見事にだ。
しかも、手元に残ったのが下巻だから、落下したのは上巻。
「今夜から読もうと楽しみにしていたのに」
と、その日は下巻のあとがきだけ繰り返し読んでいたようだ。
さて、その息子は部活を引退してからというもの、すっかり“ニート”というか“引きこもり”生活。後日、再度上巻を購入したその『日本沈没』も、とっくに読み終えている。
そこで、今日は映画『日本沈没』に連れ出した。
迫力ある映像には感服したが、物語は何となくハリウッド風で出来すぎ。危機に直面して本性むき出しに行動する人間がほとんど登場しないのが、日本らしさか。
「内容的には、本のほうが怖かった」
とは、息子評。
なにしろ33年も前に発表された小説のほうでは、結局全部沈んでしまうという。
そして、梅雨明け以来降っていない雨が降れば、駐車場の底にある文庫本も、いよいよ沈没の時を迎える。命がけで救う手立てはないのか。

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