店は閉めるが屋号は残してゆっくりやっていくという中国茶房。
その店のかなりの量、かなり高品質の什器を一般向けに売り尽くしていた。少し協力したかったものの、先立つ物(笑)と部屋に合うものが見当たらずにいた。いよいよ最後ですというところで公開された写真に小さな丸椅子2脚が写り込んでいた。
もらった(笑)
「鎌倉で使ってもらえてありがたい」
とまでいっていただき。
徒歩ですというと驚かれたほど、手にするとずっしり重かったのだ。
いやぁ、ヘーキヘーキと言ったものの、腰の具合は80パー。少々不安もかかえつつ帰路に着いたのである。
約3キロ。
狭い鎌倉の道だから、クルマが来るたびに両手の椅子を前後に回してヨタヨタ歩く。平日なのにごった返す駅前を人に当たらないように歩く。腕はパンパンである。
でも、すこしごついかなと思っていたフォルムも、置いてみると結構しっくりきた。中国というより、芸術的なクラシカルな彫刻風でアカデミックな(笑)空間によく合うじゃないか。しかも、しっかりしているので安心なのだ。
すっかり気に入って何度も座ったりしてみる。
中国茶房にあった2脚の小さな椅子は、駅前で第2の人生を歩み始めたのである(椅子だから歩かない)。