湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

ジンマシンの恐怖

2015-07-23 12:46:11 | あんな話こんな話


就職して初めて巡ってきた夏の日の午後だったから、もうウン十年も前の話である。

仕事中、体のあちこちが痒くなった。
痒いところは、腕や足の内側、脇の下、股など。見ると、蚊にさされた跡のような膨らみが大量に出現していた。

職場の人たちに促され、近くの病院に行くとジンマシンだと診断される。

ドクターの見立てでは、ランチに食べたキスの天ぷらではないかと。同じものを食べても、免疫力が落ちている人にだけ出ることがあるという。
そんな話を聞いているうちに、なんだか口のまわりが堅くなっていく感じがして、うまく舌が回らない。

顔にまで発疹が出たのだ!

「お~い、お~い、みんな、ちょっと来てごらん。すごいぞ、おぉ、こりゃ珍しい」
ドクターが診療室の外にいた看護婦さんたちまで呼んで、みんなで僕の顔の鑑賞を始めたのだ。白衣の天使に囲まれた(笑)。

みるみるうちに、おびただしい数の蚊に刺された跡は隣の跡と合体し大きくなっていく。顕微鏡で見るアメーバみたいな動画が、僕の顔で展開していたのである。僕も渡された手鏡でその様子を見ていたが、自分にふりかかっていることなのに、なんとなく傍観者の視点で楽しんだ記憶がある。

僕の顔は、パンパンに膨らんでいったのだ。

「抗生物質を出すので」
そう言われて、たしかその場で飲んだような気がする。
そして、病院のみなさんにとびきりの笑顔で「お大事に」と送り出された(笑)。

白衣の天使たちはオレの偽りの顔しか見てないよなぁ、今度行っても気づかないかもななんて考えて歩いていると、症状はどんどん快方に向かい、職場に到着することには跡はすべて消え去っていた。
発症からわずか2~3時間の出来事だったのである。


その後、ジンマシンは2~3回出たことがあるが、このときのような激しい症状は後にも先にもない。

ところが、一昨日の夜からちょっと手足が痒いと思っていたら、昨夜両膝のあたりに集中して発疹。いったん治まっていたが、今朝になって両足の内側(裏側)に再び発疹が出て、電車に乗っていたら両腕の内側(裏側)に移動してきた。数、大きさともかなり激しい発疹である。
(写真は、すでに膨らみが落ち着いて赤いブツブツに変化を遂げつつある段階)
うわぁ、だんだん上がってきたぞ、こりゃあ首から顔にきそうだ。
ということは、また顔が膨らむのかぁ・・・・

と満員電車の中でドキドキ。また、病院で笑われるじゃん。
ま、あのときは若者だったからいいけど、今はいいおっさんだぞ。恥ずかしいじゃん。イヤだー!


でも結局、発疹は、腹、背中あたりを経由してからどこかへ行ってしまった。
ほっとするやら、残念やら(笑)。
そして、今はほとんど跡もわからないくらいに回復してしまったのだ。
今回は何を食べて発症したか見当もつかないが、ちょっと肩すかしを食ったことだけは確かである。