湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

夢なら覚めて

2015-02-18 20:35:30 | あんな話こんな話


クルマを走らせてると、後方から拡声器を通した声が聞こえてきた。

「はい、前の運転手さん、クルマを左に寄せて・・・」

えっ?
オレのこと?
でも、なんで?
と思いつつも、とりあえず指示に従っておこう。スピードも出してないし、とがめられることなんかないはず。

ゆっくりハンドルを左に切りながら、ふと胸元を見ると・・・

あれーーーー!
ない、ない、ないよ、え~っ?

シートベルトしてないじゃん!

それでかぁ。
でも、どーしてだ?
運転するようになってから何十年もの間、ただの一度だって(公道では)シートベルトしなかったことなんてないのに。
え~っ、なんで、なんでぇ。

こんなこといいわけしたって無駄だってことは百も承知だけど、一生懸命主張し続けたのだ。見苦しいほどに。

「えーっと、12,000点の減点ですね」

12,000点?

「でも、罰金は9,000円ぐらいですから」

ヘルメットに水色の制服姿の警察官が、人の良さそうな笑顔でそう言うのだ。
そのとき初めて、僕を呼び止めたのはパトカーではなく白バイだったということに気づいた。それほどバタバタしてたということか。

そして、自分が交通違反をしたという事実を棚に上げ、ひたすら9,000円の出費を嘆いたのだ。
だってさぁ、先日すっかり忘れてたお金が7,000円も返ってきて何だか嬉しくて、しこたま本でも買おうとワクワクしてたんだ。
それが、すべてパー。いや、パーどころかマイナスじゃん!

あぁ~ん、なんて日だ!!



いや、待てよ。さっきから見たこともない通りの道端でやりとりしてるけど、ここは一体どこだ?
そもそも、オレ、どこへ行こうとしてたんだ?

あれっ、ん? これってもしかして夢なんじゃないのか?

落ち着け、落ち着け。
あっ、夢だ、夢だ、そーだ、夢を見ていただけなんだ。だって、シートベルトしてないわけないもんな、ぜったい。

そうか、あぁ、よかった、夢だったんた、夢・・・



アラームが鳴って、本当に目を覚ますのは、それからいくらもしないうちである。

そして、おかしな夢を振り返って、改めてホッとした(笑)。

夢の中で夢から覚めるシーンなんて体験したのは、生まれて初めてだったのである。


それにしても、あの町はどこだったんだろう。写真は、夏に行った宇都宮市内で。