湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

江ノ電復旧に一役

2013-06-23 23:42:19 | ぶらかま


藤沢に用事があり出かけたついでに、ひょいと江ノ電に乗ってみる。
あまり時間もないけど、アテもなし(笑)。

「本日鎌倉方面が混雑のため、ただいま遅れをもって運転しております」
いきなりのこんな車内アナウンスに怖じ気づき、江ノ島駅で降りて腰越商店街あたりを歩いてまた戻ってくることにした(笑)。
龍口寺交差点まで歩いてくると、鎌倉方面から商店街の真ん中を走ってきた江ノ電の車両が警笛を何度も鳴らす。休日はクルマも多く、軌道と車道が一緒のこのあたりを走り慣れていないドライバーもいるので、そう珍しいことではない。

ところが、その警笛に気づいているはずの通せんぼをしているシルバーのクルマがまったく動かない。おやおや、江ノ電の運転士さんが降りてきてクルマを覗き込んだりしはじめたぞ。こりゃあ大変だと、ストップモーションみたいに渋滞しているクルマの間を抜けて僕もシルバーのクルマまで行ってみた。

何度キーを回しても始動しない。おまけにギアがニュートラルに入らないので、押しても動かないようだ。
「マニュアル本ない?」誰かがいい、ドライバーがリアのトランクを開けて引っ張りだしたがよくわからないようでトランクに戻してしまった。すると、近くにいた男性がそれをまた手に取りペラペラやり始めた。

やがてゾロゾロやってきた江ノ電の保線区の人たちが「JAFを呼ぶしかないですね」ということになった。
JAFが来るまでそのままなのかぁ、こりゃまだ時間がかかりそうだぞと思ったところに、マニュアルを再読していた男性が叫んだのだ。

「わかったぞ!」
どいてどいてと乗り込みキーを抜いて、なにやら助手席の足下あたりを覗いている。そのうちロックが解除されニュートラルに入った。
おぉ!と歓声があがり、ようやく押そうということに。

すると、そばにいた女性が「じゃあ乗ります」と助手席に乗り込む。
えっ?
押そうと構えていたみんなはポカーン・・・
どうやらもともと助手席に乗っていた人らしいが、あの~今は乗らなくてもいいんじゃないんですか?
だって、とりあえず江ノ電が通れるように道路脇に寄せるだけなんですよ。
しかも、あなた、かなりのぽっちゃり系・・・

「な~んでよ?」
「どーして乗るか?」
「ま、いいか、早くしなくちゃね」
と、男たちはアキレス腱を伸ばしながらちょっと重くなったクルマを押すのであった。

ハンドルもロックがかかっていたようで、はじめはうまく寄せられず、またあーだこーだがあったけれど、ようやく落ち着き、運転再開となった。
ドライバーさんには何のおとがめもないようで、片付いたら関係者もクモの子を散らすようにいなくなり、いつもの交差点に戻ったのだった。

写真は、また戻ってきたらちょうどJAFがきてレッカーするところ。

あとで腰越駅の改札に「車の立ち往生で8分遅れ」と書かれたボードが立てかけてあった。
8分でよかったね。マニュアルを再読した男性のファインプレーだったのだな。