湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

80年後の茅ヶ崎にて

2007-02-11 23:02:59 | ぶらぶらミュージアム散歩


80年前、萬鐵五郎はこの海を、そして、富士山をどんなふうに眺めていたのだろうか。
先日出かけた神奈川県立博物館 葉山で見た萬鐵五郎(ヨロズテツゴロウ)を調べたら、茅ヶ崎市美術館で企画展を開催中(~2/25)というので、さっそく出掛けたのだ。
東京藝大の卒業作品『裸体美人』では、19人中16番目の成績。ところが、現在その作品は国の重要文化財になってしまったというくらい日本の近代美術史を語る上でも貴重な存在と評価されているらしい。
難しいことはさておいて、特徴はどことなくユーモラスな感じがするところ。
年代によっても、水墨画でも、暗い闇のような抽象画でも、尖った作品でも、どこかフワリとしている(ように見える、僕には)。
その鐵五郎が41歳5ヶ月で亡くなるまでの晩年の8年間を過ごしたのが、茅ヶ崎の南湖というわけだ。
結核と神経衰弱の療養での転居だったのだが、この地でどんどんふくよかになっていったらしい。
残されている、海岸で籐の椅子に腰掛け笑う彼の写真がいい。
まるで、今日もたくさん見かけた熟年サーファーのようなのだ。
ポカポカ陽気だった今日も、海岸線は賑わっていた。
80年を経た今、海から上がってきた鐵五郎は、人があふれ、笑顔があふれるこの風景を、どんなふうに描くのだろうか。