「しあ~つのーこころはーぁ母ごころぉ~、押せばぁいのちのぉイズミわくー。はーはっはっはぁ~」
このフレーズを一緒に唱えたことのある人は、けっこういいトシ。
指圧の大家、故・浪越徳治郎氏の福を呼びそうな満面の笑みが思い出される。
昼休みに出かけた伝通院の一角に『指塚』なるものがあった。参道に浪越学園日本指圧専門学校がある縁で建立されたらしい。
そういえば、浪越氏の親指は大きかった。
前の会社で同期だったH君も仕事柄、親指が大きかった。
それから、10年位前にかかった某歯科大学病院の口腔外科の若い女医さんも、親指だけが妙に大きかったのを覚えている。
みんなで寄ってたかって僕のアゴを押さえつけて、彼女が木槌でガンガン叩いたり、ノミのようなもので骨の表面をガシガシ削ったりしたのだ。
ステキだった顔はまったく思い出せないのだが、目の前を行ったり来たりした彼女に不釣合いな大きくブッとい親指だけは忘れられない。
というわけで、そんな大活躍の親指を次々と思い出した散歩だった。
帰路は時間がなくなって、ずっと早歩きで足がパンパン。
誰か、揉んでくれ~。
何しに来たんだよーと睨みつけられた。笑って笑ってワーハッハッですよ。
この左手に『指塚』。正面奥に見えるのが伝通院本堂。