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湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

急階段に本郷台地を見た

2007-09-22 02:07:41 | 本郷後楽園昼休み散歩


会社を出て壱岐坂を上がり本郷通りを横切れば、湯島あたりから今度は下り坂になる。
これを降りると、正面には山手線が見えてくる。山手線は東京の台地を囲むように走る。その台地の一つが本郷台地というわけだ。

まだまだ気温が高いからよせばいいのに、昼休みはママチャリでぶらり。
ラブホテル、民家、マンションが混在する一帯に、ちょっと迷い込んだから大変。とんでもな急階段に、行く手を阻まれた。
自転車は論外。見ていると、人だって苦労している。
みんな汗をかきかき上る。汗をかきかき下る。いや、下りは冷や汗をかきかきなのかもしれない。
自転車の僕は、グルッと遠回りをするしかない。で、やっぱり汗をかきかき、本郷台地を体感しながら、ひたすら坂を上るのだった。

熱い?暑い?秋祭り

2007-09-21 01:38:27 | 本郷後楽園昼休み散歩


訪れてみると、びっくりするくらい小さな社だ。
ところが今、かなり広い範囲でお祭りの飾り付けを見ることができる。
提灯が連なっていたり、のぼりが風に揺れていたり、しめ縄が家々の軒を結んでいたり…。いつもと少し違う風景に、よそ者であるこちらの胸まで踊ってしまう。休日だから、実際のお祭りの様子を見ることはないのにね。
本郷三丁目交差点に程近い櫻木神社の秋の例大祭が迫っている。

本当に消えた昭和の町

2007-09-20 01:02:00 | 本郷後楽園昼休み散歩


わかってはいるのだけれど、実際に目の当たりにすると「悲しくて悲しくてとてもやりきれない」byサトウハチロー。
だって、こんな家並み(後楽二丁目/旧江戸川町の一角)が一気に消えてしまったんですよ、「再開発」という名のもとに…。
その数69。いや、正確には68戸だ。一軒だけ今日も頑張っているお店があって、軒先でお弁当を売っていた。
高いフェンスに囲まれて、よく見えないのだが、中はすでに瓦礫の山のよう。その傍らを、昼休みのサラリーマンたちが往来している。
そんな以前とまったく変わらないフェンスの外側の風景が、またもの悲しい。
今日の写真は、その再開発地域の向かいのビル前の公園で。きっと、かつてはここにも民家がびっしり並んでいたはず。そう思うと、きれいにレイアウトされ、見事に植栽された緑も淋しげに映る。


一部店舗を含みほとんどが民家やアパートだったのだ!


ついこの間まではこんな感じだったのだけれど…。

昭和遺産に認定するぞね

2007-09-19 00:52:56 | 本郷後楽園昼休み散歩


ご飯の一粒一粒が硬めで、油っこくなくて、見た目は明るいイメージ。
若いころ、喫茶店で食べたそのままのピラフに、今日再会した。
本郷大横丁通りの中ほど、『コーヒー軽食 ぞんね』は、気をつけていないとうっかり通り過ぎてしまいそうな間口の狭い店だ。
実際その存在に気づいたのは、最近のこと。でも気づいたら、もう入らずにはいられない。
ドアを開けてもカランコロンと鳴らないのが残念だったが、店内の薄暗さは予想通り。
そして、そのピラフも昭和のままの味と姿で嬉しい限りだ(ナポリタンなどパスタ類のメニューが見当たらないのがちょっぴり淋しいが)。
この店もやはり、あんな店こんな店そんな店と同様に、お年を召されたご夫婦による経営のよう。後継者の姿は見えてこなかった。
だからこそ、いずれも将来が心配なのだ。
和洋中さまざまな料理の分野でそれぞれがしっかりと伝承されていく中、昭和を伝える喫茶店の味はいったいどうなるのか。誰が守っていくというのか。
国会でも、その具体的施策については一度たりとも議論されたことはない。かの公国の王子に至っては、ドラフードなるものを探して日本国中を行脚しているという。それよりもまずは、古きよき喫茶店を昭和遺産と認定し、その味、その店を次代に伝えていくことに心血を注ぐべきではないのか。
懐かしい味に出会い、そして今も変わらず黙々と働き続ける方々を見るにつけ、そんな思いを強くする今日この頃である。

レトルトな喫茶店

2007-08-27 23:54:19 | 本郷後楽園昼休み散歩


「あっ、大変だよ」
と、向かいに座っていたこの方が、食べていたカレーのお皿の中にビニールらしきものを発見した。
「ワッ、大変どころの騒ぎじゃないぞ。ほら!」
それを割り箸でつまみ上げてみるとお皿の大きさほどのラップで、どうやらご飯が包まれていたようなのだ。
「ご飯が固まっている感じだったんだよな」
つまり、看板メニューとなっている『ボリュームカレーライス』のライスは、チンしたものだったというわけ。
お店の名は伏せておこう。加賀屋にいく途中にあったレトロな喫茶店。
雰囲気は悪くはないのだが、昼どきというのに先客は一人。料理を待つ間に交わした「やっちゃいましたね」「だな」という会話が、見事に現実となった。
さすがにこれは言わないと、と僕は主張したのだが、心やさしきこの方は「いい」と言うのだ。
「だって、ほら」
アゴの指すほうを見れば、ウエイトレスの方だけでなく、カウンター内の調理担当の方も、かなりお年を召していらっしゃる。大目に見てあげようではないかと。なんと寛大な、なんと慈悲にあふれたふるまい。「教えるべきだ」といった自分が恥ずかしい。
でも、ちょっと待って。おや、僕が頼んだ『ナボリタン』の中にも、なにやら小さなビニール片が…。青いインクの文字も判別できるではないか。具はハムの小片が二切れしか入っていなかったのにだ。


じゃあ、とりあえずそのラップ、灰皿の上に置いといてみようということになった(笑)。
おばさまが、お水を注ぎに来たり、お皿を下げたり、コーヒーを置きにと何度もやってきた。その度に絶対に灰皿が視界に入っているはずだが、まったく気に止める様子はない。
なるほど!そーいうことか!
年をとれば目も悪くなる。悲しいけれど、それが現実。つまり、透明なものは目視できないのだ。僕たちもやがてこうなるのだから、やはり許そうではないか。遂に、僕らの意見はここに一致をみた。
こうなると、なにか高原の白樺の間を走り抜ける風のような、まことに清々しい気分だ。
あとは、このお店に訪れるすべての人が、僕たちのような心の持ち主であることを祈るばかりである。

まんさかのタイムスリップ

2007-08-24 01:10:45 | 本郷後楽園昼休み散歩


ガッシャンガッシャンゴーン…ウィーン。
薄暗い店内に、突然けたたましい機械音が鳴り響く。
万定(まんさだ)フルーツパーラーの入口近くに存在感を示すレジスターの音だ。
いまだ現役だが、表示される金額の単位は『○○円○○銭』のまま。
「昭和9年から使っているんですよ」
と、甲高い声でママが教えてくれた。
時が止まっている。いや、戻っているのかもしれない。
冷房の効きが悪い空気の感じが懐かしい。
さっきからぼんやり聞こえているラジオも、昔の番組に聞こえる。
まだ、こんな場所があったのか。実に奇跡のようなお店だ。
カレーは、ルオーの黄色に対して黒という印象。大きな特徴はないが、そこがいい。だって、この雰囲気こそが、最高のスパイスだから。というクサイ文章も、この店には似合っていると思う。
カレーの後はコーヒーだよなと考えていたのに、頼んだのはオレンジジュース。
一応フルーツパーラーだからね。
円形のカウンターの中で、ホントにオレンジを絞ってくれるところが、また嬉しい。
「ごちそうさま」
おいしいカレーライスとオレンジジュースでお腹も心も満たされたのに、お会計はたったの11円00銭だった。




外観が、また泣かせる。東大周辺は、いいお店がいっぱいですね。

元気溌剌定食屋でござい

2007-08-10 00:03:34 | 本郷後楽園昼休み散歩


「ヘイ!」「ラッシャ~イ!」「4番さん、A定2丁!」「暑いね今日は」「ヘイ!」
そんな威勢のいい掛け声が飛び交う白山通りに面した定食屋さんに入った。
いや、確かに“飛び交”ってはいるのだが、実は声の主は一人!
50前後のおばちゃんが1階と2階をキビキビと動き回って、あちこちで大きな声を出しているのだ。もちろん、タオルで汗を拭き拭き。
他の方も、気持ちよい対応をしてくれているし、決して元気がないわけではないのだが、如何せんあの方が元気500倍なのでね。
味のほうは至って普通。でも、定食系が待たずにすぐ食べられるのはポイントが高い。これもひとえに、大きな声とリズムで切り盛りをするおばちゃんのおかげであることは明らか。
そして極め付きは、お勘定を済ませ出ていこうとするお客さんの背中に向かって発せられる彼女の、これまた威勢のいい言葉だ。
ごちそうさ~ん。
「毎度ありがとうござい!」
あまりのキレの良さに、「ます」か「ました」は、すっ飛んでいってしまった。


喫茶店のような佇まいの純定食屋さん。麺類はなし。男性率100%
今日もムダに長い文章を読んでくださって、ありがとうござい!


東京ドームの人工芝を

2007-08-01 00:00:23 | 本郷後楽園昼休み散歩


「ネタを拾いに行ったらどうですか」
東京ドームで開催されるイースタンリーグ『巨人対千葉ロッテ』のチケットを経理の I さんからいただいた。
このチケット、単なる2軍戦のチケットではない。
ゲームは夕方からだが、なんと「12:00~13:00はグラウンドに下りることができる」と書いてあるのだ。つまり、人工芝開放!
ネタ、ネタ、ネタ…
もう新聞記者になったかのように、12時ジャストに早足でドームに向かったことはいうまでもない。
マウンド後方の人工芝に腹這いになって、そうだな内野席に向かってカメラを…。と、構図まで考えていた。
ところが、交差点を渡ったあたりから様子がおかしいことに気づいた。
なんだか周辺がザワザワしている。
えっ?ドームを取り巻くように長蛇の列がのびているではないか!
いったいどこまで続いているのか。百人単位ではないぞ。これは間違いなく数千人。
子供から大人まで。家族連れや、どう見ても野球部だろうという中高生もいる。グラブを手に、すでにキャッチボールを始めている小学生も。
憧れの東京ドームの人工芝を踏むことができると、みんな早くから並んだのだろう。
彼らのワクワクした表情とはウラハラに、こっちはすっかり意気消沈だ。はるか向こう、いや見えない最後尾に今からついても、お昼休み中に入場できる可能性は、息子が通う高校の野球部が甲子園の土を踏むより難しいだろう(つまり、限りなくゼロに近いってことですね)。
仮に入場できたとしても、きっと「人工芝に腹這い」はムリ。せいぜい「人工芝で芋洗い」がいいところだ。
主催者側にも、これだけ並ぶことを予想していなかったに違いない。事実、列を整理する係員は誰もいなかったからね。列に並んだ全員が、人工芝を踏むことができたことを祈るだけだ。
一応ネタを拾えた昼休みだった。当初の目的とはズレちゃったけど。



HAPPY PROMENADE

2007-07-20 02:02:31 | 本郷後楽園昼休み散歩


昨日の『お散歩写真のススメ』ではないが、ぶらぶら歩いていると、思わぬものに出くわしたりする。
ご近所の路地で『世界幸福研究所』という看板を発見。
どんな研究をしているのか、それとも宗教団体的なものなのかは不明。でも、世界レベルでの幸福を、雰囲気のいい路地裏の古い日本家屋で、しかもいわゆる長屋で研究しているらしいところが、なんとも魅力的ではある。
笑いジワがいっぱいの気の良さそうなおじいさんが、ドアを開けて出てきそうな気がする。もちろん、ステテコに腹巻姿。サンダルをつっかけてね(所長というより、それじゃタコ社長じゃん)。
僕は、幸せについてちゃんと考えたことないなあ。
まじめに考え出すと、その瞬間から頭が痛くなってきて、きっと不幸せになっちゃうに違いない。

壱岐坂に咲いたすみれ

2007-07-14 01:26:20 | 本郷後楽園昼休み散歩


製作は1961年。かなり大きな作品だ。
でも、大学の校舎だし、結構ありがちなものとも思える。
ただし右下に貼られた説明書きには、こうある。
「タイルの他に、学生、卒業生、教職員が持ち寄った陶器の破片が用いられている」と。
よく見てみると、花瓶やら火鉢やら茶碗やらも確認できる。捨てられる運命にあった陶器たちが、昭和36年からここで余生を過ごしているのかと思うと面白いものだ。
しかも、すごいのは、この校舎は最近建て替えられているのだ。一旦更地にしているので、どうやって保存し、復元させたのか、非常に興味深い点ではある。
こんな巨大なものを残そうと言い出した人もエライが、保存復元した工事関係者もかなりエライ。
「いい仕事してますねぇ」と言わずにはいられない。
陶器だけに…