湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

湘南スタイルな人

2015-09-29 22:34:39 | あんな人こんな人


「湘南スタイルマガジン」で見る海の写真が好きで、そのクレジットの名前が記憶にあった。

まさかその方を取材することになるとは!

江の島へ向かう州鼻(スパナ)通りのギャラリーで開催中の写真展におじゃすると、正面に飾られた5枚の作品に圧倒された。

「自分の住んでいる街がこんなにいい所だったんだ」
そうお客さんから言われたという。
そう、地元だとあんがい見逃しているシーンは多いものだ。こんなふうに一瞬を切り取られて並べられると、その美しさに言葉を失う。

といっても、これらを撮るには経験と長い時間と、そして地元への愛があったからこそなのだけれど。

「一時は海外に目が向いたけど、今は湘南ばかり」
「若い頃は撮り尽くした感もあったんだけど、そんなことはなかった。自分も年をとるごとに、見えないものも見えてくる」

41歳の時にプロに転向した写真家。さすがに葛藤があったというが、いま思えばなるべくしてなったのだと。

ん~、素敵な写真は、素敵な人が撮っていたのだと、つくづく。

まつりの途中

2015-09-19 22:13:22 | あんな人こんな人


帰りの乗り換え駅でホームへの階段を下りていくと、待ち構えていたのはクルックルにアイパーを当てたお祭り男。
真っ赤と黒の間でテカる顔は、日に焼けたのか、飲み過ぎか。いずれにしても摂取したアルコール量もかなりのものと見てとれる。

あまりの迫力に、目を合わせないように通り過ぎてから、勇気を振り絞ってケータイを向けて一枚。

後から下りてくる人たちも困ったような顔をしながら、決して目を合わせない(笑)。

それにしてもこの方、祭りを終えて電車でご帰宅なのか。でも、手ブラだから、まだ飲んでる途中のようにも見える。駅前の居酒屋で盛り上がって「ちょっとションベンしてくる」と言いながら駅のトイレに入ってそのままホームまで下りて来ちゃったとか。

誰か、なんとか言ってあげないと、やって来た電車に乗っちゃうぞ(笑)。

でも、ホントにただの帰宅だったら問題ないか。
僕らだって近くのアウェーなら、ユニ着て高揚したまま電車に乗って帰るもんね。「アイツ、あっぶねー」「目を合わせんなよ」なんて言われてるのかも(笑)。

白い変人たち

2015-08-16 22:09:31 | あんな人こんな人
お昼前、降り立った鎌倉駅のホームで白い彫刻のような人影が目に飛び込んできた。
動き始めた電車に向かって、白い四人組が手を振るポーズのまま動かない。周囲が驚いて一斉にケータイのシヤッターを切り始める。
すると、四人組は急に動き出して、また周囲を驚かせた。



全身白塗りのパフォーマンス軍団のようだ。周囲に愛想を振りまきながらエレベーターを降りて改札へ向かう。全身白塗りなのに、ポケットから取り出したSuicaの緑が、妙に鮮やかである。

今日も混雑している駅前。驚きの波紋を広げながら、僕の前を歩いて行く。
中の一人が手にしているボードには、由比ヶ浜にあるエイベックスの海の家という文字が見える。どうやらそこでパフォーマンスを行うらしい。





トイレにでも行った一人を待つ三人は、注目される度に、動きを止める。写真を求められれば応じる。なかなかステキな人たちではないか。
僕も調子に乗って(笑)、看板を指差してもらい写真撮影。



パントマイムのように、絶対に喋らないのがオキテのようで、僕の質問には全員が「そう、そう」と小声で答えてくれる(笑)。
いい人たちだ。

そして、一人がカバンを開くと内側も真っ白。そして、名刺入れも真っ白なのには驚いた。

僕らを笑顔にして去っていった彼らの名刺には、「幸運の白い人 東京Hack」とあった。

コロッケおばあちゃんが行く

2015-07-10 21:38:48 | あんな人こんな人


長い雨が上がった今朝、駅へ向かう道に、懐かしい小さな後ろ姿が。

コロッケおばあちゃんだ。

福寿荘が解体されてから見かけることがなくなっていた。コンビニ勤めの妻からはときどきやって来ては相変わらずコロッケを買っていくとは聞いていたけど。実際に見たのは、ホント久しぶりだった。いやぁ、元気でなにより。

押しているカゴが新しくなったようで、思いがけずスピードが出ている(笑)。とはいえ、駅方面のどの店を目指しているのかを確認するには時間がかかりそうなので追い抜かすことにした。

なんだか嬉しいな。
帰りにコロッケ買うことにしよう。

ペッパー頸部が伸びてるよ

2015-04-17 22:12:31 | あんな人こんな人


ペッパーくんに会った。
ちょっとショボーンとしてた。

でも、ときどき思い出したように身振り手振りで話し始めるんだ。

おぉ、テレビで聴く声と一緒じゃん。
ん~、一緒だけど、なんだか面白くないなぁ。
違う声という選択肢ぐらいあってもよさそうだけどね。
受付嬢の代わりなら、透き通るような美声とか、スナックに配属されたら酒焼けしたダミ声とか(笑)。べしゃりも、地域ごとに方言を採用するとか。

こんなものが作れる時代なのだからたいして難しいことじゃないはずだけど、やっぱり同じ顔、同じ声のほうが価値があるのかな。

あぁ、またショボーンとしちゃった。






ペッパー君のいた部屋からラムの瓶越しに外を見る。



そう、関内さくら通りは一足遅く八重桜が満開なんです。

最後の行商人

2015-04-11 22:26:19 | あんな人こんな人


以前在籍していた会社には、千葉の八街から花を売りにくる行商のおばあちゃんがときどき現れた。
といっても、もう20年位前の話だけどね。
で、そのたびに社長が買ってあげていたのを思い出す。

伊勢佐木町でよく見かけるおばあちゃんも、きっと千葉の方が来てるんじゃないかと僕は踏んでいる、勝手に(笑)。そんな顔してるんだ(個人的な思い込みです)。

かつてはあちこちで見かけたこういうおばあちゃん、最近はなかなか出会わないね。

一度だけ、モールの入口から定位置に向かって歩いている彼女の姿(つまり出店前)を見かけたけど、背負子に積み上げられた荷物(商品)は、決して小さくないおばあちゃんの3倍くらいのサイズで驚いたのだ(笑)。
その時から、ここを通るたびにお客さんたちが一つでも多く買ってくれないかと気を揉んでいる、勝手に(笑)。
だって、たくさん売れれば収入はもちろんだけど、なにより帰り途が楽になるもんね。いつまでも元気で、そこにいてほしいから。

銀メダルへの道

2015-02-01 21:42:32 | あんな人こんな人


「例えば、健常者だって車椅子に乗れば、車椅子バスケットができます。アイマスクをすればブラインドサッカーにだって挑戦できるんです」

そんなこと、考えたこともなかった。
目から鱗だ。

教えてくれたのは、バンクーバーパラリンピックのアイススレッジホッケーで銀メダルを獲得した上原大祐さん。
障がい者と健常者が同じ条件で楽しめる種目を「オフスポーツ」と名付け、その時間や空間づくりを目指しているという。
僕が仕事で出店したマルシェにスペシャルゲストとして登場、活動や思いを語ってくれた。

こうした視点で考えたことがなかったので、驚き、そして感心したのだ。

で、体験もできるというので、さっそくそのスレッジに乗り込む。
どうぞとすすめられ、お尻はすんなり入った。ところが、腰や大腿部を固定するベルトが届かない。ぜんぜん。
さっきまで、女性や子供がやっていたんだけどなぁ(笑)

「ちょっとムリですねぇ。今度はもっと大きいやつを持って来ますから、次回のお楽しみってことで」

僕にはそもそもハードルが高かったのである。



体験用スレッジは、歯の代わりに車輪がついている。


こちらはホンモノ。氷上の格闘技といわれるだけあって傷跡がスゴイ。

小さな背中の大きな魚

2015-01-07 21:11:36 | あんな人こんな人


残念、後ろ髪をつかみ損ねた。

わけあって伊勢佐木モールでチラシ配りをしていると、目の前に迫ってきた青年がパッと手を出して受け取ってくれた。
若い男性が珍しいなぁと思いつつ、通り過ぎる横顔をチラッと見たら、あれ、誰だっけ?

と考えているうちにどんどん遠ざかっていってしまったのだ。あの背丈、あの後ろ姿・・・


そーだ、ホズミンだ!


エフヨコのレポーターの穂積ゆたかさんだった。間違いない。
かまくらの学校時代に番組でレポートしてくださり、お昼から夕方まで3ヶ所同行させてもらったのだ。

帰社後Twitterを確認したら、40分ほど前に長者町にいたとのことなので、やはり見間違いではなかったようである。

穂積さんが僕のこと(顔や姿)を覚えていてくださったとしても、今日の出で立ちでは気づかなかったはずだけど。なにしろ「おおつち」と白く染め抜かれた青い派手な法被(はっぴ)姿だったからね(笑)。

いやいや、こっちがすぐに気づいていたら声かけて、チラシのお店をレポートしてもらうお願いもできたのに!

いやぁ、逃した魚は大きいなぁ。尾ビレをつかみ損ねたよ。

ホーズミ~ン!



写真はまったく関係なく、今日の伊勢佐木モールの路地にて。

芸術家はアスリート

2014-10-20 21:41:27 | あんな人こんな人


まるでアスリートじゃん。

昨日、クラッシックのピアノを中心とするコンサートの舞台袖で少しお手伝いをし、複数のピアニスト(ほとんどが女性)を見ての感想だ。

だって、ステージに上がるまで、手足をぶらぶらしたり、首や手首をぐるぐる回したり、アキレス腱を伸ばしたり、しまいには屈伸まで始めちゃったのだ。
もちろん、素敵なドレスを纏ったままですよ(笑)。見ちゃまずいだろうなと思いつつも、狭いスペースだったのでどうしても視界に入ってしまうんですよ。
ところがみなさん、こんなおっさんの視線など我関せずで、まるで女子100m走のスタート直前のような動き。ピョンピョンする方も(笑)。

で、今度は演奏を終えて戻ってくる様子にも驚く。
お客様に見られて歩いているうちは背筋もピンと伸び、時には笑顔も振りまくが、舞台袖にたどり着いた途端に膝から崩れてゼーハーゼーハー肩で息をする方も。特に演奏時間が長い場合や、激しい展開でフィニッシュする場合など(もちろん全員がそうだったわけではないけれど)。

いやぁ、壮絶だ。
才能はもとより、記憶力や集中力などが必要なのは想像つくけれど、実はかなりの体力がないとできないんですね。

女性ピアニスト=エレガント
そんなイメージでくくっていた自分が恥ずかしい(笑)。
みなさん、お疲れさまでした。女性のスゴさを肌で感じた一日でした。


写真は、自分の出番を終え、恩師の演奏にずっと耳を傾けるピアニスト。

いいことありました

2013-07-06 23:42:12 | あんな人こんな人


「牛丼、並、つゆだくで」
吉野家で、いつものようにお願いした。

「いま、なんて言ったの?」
先に注文していた大門三郎さんが僕に聞く。もちろん、食い倒れ太郎のようないつもの化粧とコスチュームでだ。
「えっ? あぁ、つゆだく?」
「それ、何?」
「え~っと、おつゆを多めにしてくださいってことです」
「そんなコトができるの?」
「はぁ」
「じゃ、じゃあ、ボクもそれで!」

初めて吉野家に来たようには見えなかったが、つゆだくをご存じなかったらしい。
「初めて知った、いいことあったよ、ありがとうございます」
と、僕に笑顔を送るのであった。

大門さんは、平日の毎朝平塚駅北口の駅頭に立ち「いいことありますように」「イエーィ、イエーィ、何があってもがんばれますように」とみんなに声をかけている人。演歌歌手なので「幸せじゃん」というCDのキャンペーンなのだと思うが、とにかく毎朝毎朝あの姿を見ていたら応援したくなってくる。少なくとも選挙前にだけ朝立ちする政治家さんよりも素敵だ。姿が見えないと心配になったりする(笑)。
はじめはヘンなおじさん呼ばわりしていた娘も、最近ではスゴイ人だと言うようになったほど。

そして、大門さんはそのド派手な姿のまま電車に乗ったり、自転車に乗ったりもして、いろんな所に出没する。僕もツーショットを撮らせてもらいフェイスブックには何度か投稿している(笑)。だから、吉野家で会った時には、すっかり友達気分になってしまったというわけだ。

「いいことあったよ」
といわれたが、こんな方とお話しできて僕の方が「いいことあった」とハッピーになった。
この方、帰り際にもお客さんにも、従業員にも「いいことありますように」と声をかけていったのである。