塩哲の色不異空

日々の思いを気の向くままに

ミュージアム巡り 太田道灌と江戸 伊勢貞宗書状案

2018-07-24 05:37:44 | ミュージアム巡り_2020
 次の書は、越後上杉氏当主・上杉房定に宛てた伊勢貞宗(室町幕
府政所執事)の書状の案文(控え)で、2通作成されている。
 この書、”案”と付けられているものの、墨書による文字の訂正
の跡から案文というより下書きに近いか。2通の内容はほぼ共通
である。
 その内容は、将軍・足利義政と古河公方・足利成氏の和睦(文明の
都鄙和睦)に際して、山内上杉氏が守護を務める伊豆国を堀越公方
・足利政知へ譲渡し、成氏からも政知へ領地を与えることになった
こと、その旨を義政に披露して承認されたことを述べている。
 2通の内、右の案文には成氏が政知に領地を与えることが記さ
れ、左の案文には右の内容に加えて、房定から顕定へ伊豆国の譲
渡の決定を知らせたことが記されている。堀越公方の処遇と伊豆
国の譲渡にあたり、顕定の父の房定が仲介していることが判る。

 展示資料は、蜷川家文書のうち案文をまとめた冊子「諸状案分」
に収録されたもの。
国立公文書館(千代田区北の丸公園3-2)

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