塩哲の色不異空

日々の思いを気の向くままに

ミュージアム巡り The備前 扁壺

2019-06-30 04:44:04 | ミュージアム巡り_2019
 次の作品は、伊勢崎創(1968〜 )さんの「扁壺」(へんこ、2007
年、Altered Jar)。
 伊勢崎さんは、陶芸家で父の満さんの三男で兄弟4名全員が陶芸
家だ。伯父である伊勢崎淳さんの弟子・山下譲治さんに師事。ここ
で山下さんが考案した備前焼に“稜線”という造形を学ぶ。
 無釉野焼締が特徴の備前焼に新たな造形・稜線が加わり、備前の
懐も深くなった。
 扁壺とは、中国の東周時代に造られた古銅器に一種で、胴部を扁
平に成形された壺。
 備前で造られると、リレーフ状の稜線がくっきりと浮かび上がり、
表面には胡麻が浮かび、全体のフォルムにボリュームが表れる。

 もう1点、「三角扁壺」(2016年、Triangular Altered Jar)。こ
ちらは口のところが三角形になった作品。この形を眺めているとフ
フクロウを思い出した。
MOMAT(千代田区北の丸1−1)

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ミュージアム巡り The備前 貌

2019-06-29 04:45:38 | ミュージアム巡り_2019
 次の島村光(1942〜 )さんの作品は、「貌」(2018年、Visage)。
 この作品は、中心部の軸を被うように粘土紐を編み重ねて層が作
られている。無数の土紐の集積によって浮かび上がった貌は、島村
さん本人自画像と思われる。

 もう1点、「午」(2018nenn, Horse)。こちらも粘土紐を使って
組み立てられた干支の午。
MOMAT(千代田区北の丸1−1)

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ミュージアム巡り The備前 大割木香炉

2019-06-28 04:27:36 | ミュージアム巡り_2019
 次の島村光(1942〜 )さんの作品は「大割木香炉」(2012年、
Incense Burner in the Form of a Large Piece of Firewood)。
 土の表現の可能性を追求されている島村さん、身近な事物をテー
マにされた作品が多く、これも割木になった香炉だ。低い火度で時
間をかけて焼き締められることで、独特の色合いが生まれているの
も備前の特注だ。

 もう1点、「煙」(2012年、Smoke)。この作品は窯の煙突から
上がっている煙のフォルムで、煙が見せる鋭角的な表情が表現され
ている。こちらも香炉として使われる。
MOMAT(千代田区北の丸1−1)

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ミュージアム巡り The備前 群雀

2019-06-27 07:36:40 | ミュージアム巡り_2019
 次の作品は、島村光(1942〜 )さんの「群雀」(Bevy of Sparrows)。
 島村さんは前衛美術家を志すが、備前焼の細工物に惹かれ陶芸の世
界へ。ほぼ独学で作陶を続ける。その作品には動物や干支など身近な
物をモチーフにされている。
 備前焼細工物は江戸時代に隆盛しており、型物が主流だったが、備
前焼の新ジャンルを築かれている。
 この作品を眺めていると、島村ワールドのストーリーが語りかけて
くるように感じた。

 もう1点、「ネズミノカップル」(1983年、Rat Couple)。島村さ
んが創作活動をスタートした頃の作品で、観音土(田土)を用い、胴の
ところには非襷が浮き出ている。今にも動き出しそうな鼠だ。
MOMAT(千代田区北の丸1−1)

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ミュージアム巡り The備前 誕生 王妃

2019-06-26 07:33:32 | ミュージアム巡り_2019
 次の作品は、金重晃介(1943〜 )さんの「誕生 王妃」(2000年、
Birth Preincess)。
 金重さんは、備前市で備前焼中興の祖と呼ばれる父親・陶陽の三
男として生まれ、1982年に地元の香登に築窯し作陶が続く。備前
焼本来の伝統や風土に、学生時代(東京芸大・彫刻科)に学んだ造形
美を追求し、オブジェ作品も数多く生み出されている。
 まさにオブジェ、球体の中から何かが生まれ出てくる。その球体
が置かれた台も凝っている。

 もう1点、「備前花器 海から」(1999年、Vase:From the Sea)。
見た目、金属的な表面だが、備前独特の窯変で温かみを感じる。西
洋の鎧を想像した。
MOMAT(千代田区北の丸1−1)

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