塩哲の色不異空

日々の思いを気の向くままに

ミュージアム巡り アツアツ 冬芽

2018-10-31 05:38:57 | ミュージアム巡り_2020
 留守玲(1976〜 )さんの作品が続く。
「冬芽」(2015年、鐵・溶接・溶断・鍛金、Tuber in Winter)。
 留守さんは、錆びて最後はなくなってしまう鉄という素材を、
溶接や溶断加工創作で魂を宿らせる。奇抜であるが温もりを感じ
る作品が多い。
 この作品、タイトルどおりに感じたのは、もうじき暖かい春に
なるのをジッと耐えて待っている木の芽に思えた。

 次も留守さんの「溶紋蓋物」(左:2017年、鉄・銀蝋・溶接・
鍛金、Lidded Container with Fused design)、と「さび花入れ
ひこばえ」(右:2012年、鉄・溶接・溶断、HIKOBAE)。
 留守さんには悪いが、用途を聞かれたら左の作品は虫籠で鈴虫
を入れておきたいな。右は、傘立て。
MOMAT(千代田区北の丸公園1-1)

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ミュージアム巡り アツアツ 北のレクイエム

2018-10-30 05:39:54 | ミュージアム巡り_2020
 次の作品は、染川鐵之助(1912〜82)さんの「北のレクイエム」
(1982年、青銅・鋳造、The Requiem of the North)。
 染川さんは、鋳金技法で金属素材の特長を生かした創作作品が
数多くあり、どれも暖かみを感じる。
 森の番人・梟が頸を伸ばしてのぞき込む姿が捉えられているよう
で、なぜレクイエムなのだろうか。
 染川さんのもう1点(右側)は、「青銅 このはづく」(1955年、
青銅・鋳造、Bronze ornament、Owl)。
 コノハズクは日本で一番小さい梟で、愛知県の県鳥に指定され
ている。その頭には羽毛が耳のように生えており、鳴き声が”ブ
ッ・ポゥ・ソー”と独特の声を発して、そのまま別名ともなってい
る。なぜか、都内にあるフクロウカフェを思い出した。
MOMAT(千代田区北の丸公園1-1)

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ミュージアム巡り アツアツ 布目象嵌秋韻銀鉢

2018-10-29 05:47:43 | ミュージアム巡り_2020
 次の作品は、鹿島一谷(1898〜1996)さんの「布目象嵌秋韻銀鉢」
(1984年、銀・彫金、Bowl、quail design、inlays in silver ground)。
 鹿島さんは金工を家業すする家に生まれ、祖父や父親に布目象嵌
を学び、後藤一乗や関口一也に彫金を学ぶ。1979年に彫金で人間
国宝に認定。
 鉢の内側は黄金色に眩しく耀き、側面の胴の処には秋鳥の鶉が描
かれている。
MOMAT(千代田区北の丸公園1-1)

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ミュージアム巡り アツアツ ネックレス

2018-10-28 05:06:09 | ミュージアム巡り_2020
 次の作品は、山田瑞子(1964〜 )さんの「ネックレス」(2006年、
鍛造・溶接・銅・銀メッキ、Necklace)。
 山田さんは、金属の板を槌で叩き延ばして造形する鍛金技法で創
作されるジュエリー作家。でも普通のジュエリーではなく、”コン
テンポラリー・ジュエリー”と呼ばれるジャンルで活動されている。
 この作品、タイトルを見て驚いた。これを身につけるのはピエロ
だろうか、この発想がコンテンポラリーなのだろう。山田さんの作
品をもっと数多く鑑賞したくなった。
MOMAT(千代田区北の丸公園1-1)

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ミュージアム巡り アツアツ 金彩壺 爆ぜる

2018-10-27 05:33:41 | ミュージアム巡り_2020
 次の作品は、増田三男(1909〜2009)さんの「金彩壺 爆ぜる」
(1997年、銅・金彩、Vase、Hazeru、gilding on copper)。
 増田さんは、東京美術学校・彫金部で清水亀蔵や海野清らに学び、
帝展や国画会展に作品を出展して富本健吉に図案の指導を受け、以
後、富本を生涯の師とする。
 胴の中程がくびれたスタイル、金の丸をあしらったモダンな意匠、
タイトルには”爆ぜる”とあり、丸いものが満ちて勢いよく飛び散
るイメージなのだろうか。

 増田さんの作品をもう1点、「鍍金箱 残月狐影」(1964年、真
鍮・鍍金・鍍銀・木、Gilded Box、Motif of Fox Under Moonlight)。
 蓋の表面には銀であしらわれた三日月に狐が、側面には月の満
ち欠けが施され、とても凝った作品だ。
MOMAT(千代田区北の丸公園1-1)

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