塩哲の色不異空

日々の思いを気の向くままに

ミュージアム巡り 平家物語 紅白の闘鶏

2018-11-30 06:30:09 | ミュージアム巡り_2020
 次の書は、延宝8年版の源平盛衰記で源平両軍の勝敗を占う紅白
の闘鶏の様子が記されている。
 熊野別当(熊野三山の統括に当たる役職)の湛増は、源平の両軍か
ら加勢を求められる。悩み抜いた末、紅白の闘鶏を行って情勢を占
うこととした。その結果、紅の鶏は白の鶏を見ただけで逃げてしま
い勝負にならない。
 湛増は平家滅亡を予見し、源氏に加勢。その後、屋島の戦いにお
いて平家は源氏に敗れ、重要拠点だった屋島を失う。
国立公文書館(千代田区北の丸公園3-2)

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ミュージアム巡り 平家物語 平家物語剣之巻

2018-11-29 05:39:12 | ミュージアム巡り_2020
 次の絵巻は、江戸時代前期に製作されたもので、平家物語の諸本
や太平記の”剣巻”を題材にしたもの。
 左側は源頼光が討った山蜘蛛を鉄の串に刺して晒している場面。
山蜘蛛を退治した太刀は膝丸と伝わり、後の源氏に代々伝わった名
刀だ。
 右側の絵は、頼光の家臣、渡辺綱が一条戻り橋で鬼の腕を切り落
とす場面。この時の太刀は髭切と呼ばれ、膝丸と共に源氏の重宝。

国立公文書館(千代田区北の丸公園3-2)

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ミュージアム巡り 平家物語 刀剣図

2018-11-28 05:41:18 | ミュージアム巡り_2020
 次の資料は、各地の寺社が宝物として所蔵していた刀剣図で、成
立、作者共に未詳。
 ただし年記の上限は万治3年(1660)、下限は寛政12年(1800)。
すでに出版や書写されていた資料からの再再写と思われる。全2軸、
内務省旧蔵。
 「薄緑」(膝丸)の名が付いた太刀で、曽我五郎時致(1174〜93)
が仇討ちに用いたとされている。平家物語や太平記によると、元は
源氏に代々伝わっていた膝丸という太刀で、義経の佩刀とも言われ
ている。
 源頼光が病みに伏せっていた折、夜更けに七尺(約210cm)の僧が
現れて頼光を襲う。頼光はとっさに枕元の膝丸を手に僧を切り伏せ
ると、その正体は巨大な山蜘蛛だった。この逸話から膝丸は蜘蛛切
りとも呼ばれる。

 もう一振りの図は「小烏丸」。物語によると小烏丸は清盛の嫡孫
の維盛が所持していたが、嫡子の六代に譲る前に入水してしまい、
この太刀の行方は判らない。
 現存する小烏丸は平家の流れをくむ伊勢氏に伝来し、後に明治天
皇に献上され、皇室御物となっている。
国立公文書館(千代田区北の丸公園3-2)

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ミュージアム巡り 平家物語 宝永4年版 源平盛衰記

2018-11-27 05:38:59 | ミュージアム巡り_2020
 次の書は、宝永4年(1707)版の源平盛衰記で、京で刊行され
た横型絵入り本。横型絵入りの本は元禄年間(1688〜1704)前後
に流行っている。全48巻12冊、内務省旧蔵。

 挿絵は、池から現れた大蛇に立ち向かう太刀「抜丸」が描かれ
ている。その内容は、ある猟師が天照大神から授けられた太刀は、
あらゆる獣の命を奪うことが出来、立てかけた樹ですら枯らすこ
とができたので「木枯」と呼ばれた。この噂を耳にした平忠盛は
太刀を高値で買い取る。
 ある日、池から大蛇が現れて昼寝中の忠盛を丸呑みしようとす
る。すると木枯は、鞘から抜けて大蛇を退散させてしまう。忠盛
はこの太刀を「抜丸」と名付け、嫡男の清盛ではなく三男の頼盛
に授ける。物語はこの件を清盛と頼盛の不仲の原因だと伝えてい
る。

 もう1点は、延宝8年版の同記に登場する絵。
国立公文書館(千代田区北の丸公園3-2)

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ミュージアム巡り 平家物語 延宝8年版 源平盛衰記

2018-11-26 05:44:16 | ミュージアム巡り_2020
 源範頼・義経の軍勢は、義仲を討ち果たした後、平家の軍勢と
も対決し、一ノ谷の決戦で戦勝を挙げる。清盛の嫡孫・維盛は出
家し、那智勝浦で入水。源平盛衰記は平家嫡流に代々受け継がれ
てきた重宝の「唐皮」「小烏」「抜丸」の伝説を語っている。
 桓武天皇の御代、帝が上人に命じて加持祈祷をさせたところ、
紫雲の中から鎧が出現。虎の皮で作られていたため「唐皮」と名
付けられ、平貞盛に下賜され秘宝として平家代々に伝えられてい
く。挿絵は鎧の唐皮が紫雲に乗って現れる様子が描かれている。

 次の挿絵は、太刀「小烏」を授ける大烏のシーン。これは桓武
天皇の御前に八尺(役240cm)もある大烏が現れ、伊勢神宮から
の授けものの太刀を落として去って行く。帝はこの太刀を小烏と
名付け貞盛に下賜されている。
国立公文書館(千代田区北の丸公園3-2)

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