子供向けの昔話は、18世紀には絵本の形で製作されるが、次第に1枚
摺りのパターンで出版されるようになる。簡易な1枚摺りはコスパであ
り、より多くの子供達が手にすることが出来た。
文字がないものが多く、親たちは絵を子供達に見せながら物語を聞か
せたと思われる。多くの絵師達が、昔話のおもちゃ絵を描いている中、
それぞれに工夫があり、エンディングに工夫が見られる。
次は、「新板桃太郎金太郎むかしばなし」(天保年間・1830~44、歌川
国景画、版元:西村屋与八・推定&江崎屋辰蔵)で、切り抜いて両面を貼り
合わせるように描かれているものの、ピッタリと重ねられない。
この絵には、“再板”とあり、版元の江辰の入り方が幾分小さく不自然
に見える。つまり、当初、版元・西与が出版した版木で江辰が再版した
ものと推測される。

そして、「しん版むかし咄し」(嘉永4年・1851、歌川芳綱画、版元:山
城屋甚兵衛)で、上段4段が舌切り雀、下段が分福茶釜となっており、複
数の昔話を組み合わせたケースも見られる。
tabashio-museum(墨田区横川1-16-3)
摺りのパターンで出版されるようになる。簡易な1枚摺りはコスパであ
り、より多くの子供達が手にすることが出来た。
文字がないものが多く、親たちは絵を子供達に見せながら物語を聞か
せたと思われる。多くの絵師達が、昔話のおもちゃ絵を描いている中、
それぞれに工夫があり、エンディングに工夫が見られる。
次は、「新板桃太郎金太郎むかしばなし」(天保年間・1830~44、歌川
国景画、版元:西村屋与八・推定&江崎屋辰蔵)で、切り抜いて両面を貼り
合わせるように描かれているものの、ピッタリと重ねられない。
この絵には、“再板”とあり、版元の江辰の入り方が幾分小さく不自然
に見える。つまり、当初、版元・西与が出版した版木で江辰が再版した
ものと推測される。

そして、「しん版むかし咄し」(嘉永4年・1851、歌川芳綱画、版元:山
城屋甚兵衛)で、上段4段が舌切り雀、下段が分福茶釜となっており、複
数の昔話を組み合わせたケースも見られる。
tabashio-museum(墨田区横川1-16-3)
香箱は蓋付きの香の入れ物で香合ともいい、当時は茶事や仏事でも用
いられた身近な道具であった。手のひらサイズで木製や陶製のものがみ
られる。

硯箱、文箱、煙草箱など他にも身近な箱はあったが、おもちゃ絵が作
られたのは小さな香箱についてのみ。どれも一枚のおもちゃ絵から大小、
華やかな模様の香箱を作ることができた。
次は、「新版香筥尽」(天保年間・1830~44頃、溪斎英和泉画、版元:
未詳)で、美人画を多く残した英泉は、香箱らしく花を雅に描いている。

そして、「香箱尽し」(天保年間・1830~44、歌川貞秀画、版元:和泉
屋市兵衛)で、六角形の高さのある香箱作品だ。側面には六玉川が描か
れ、蓋にはその和歌も記されている。

また、「しん板こうはこ尽」(安政元年・1854、歌川重宣・二代広重、版
元:山代屋甚兵衛)で、シリーズで出版されている。

さらに、「新版こう箱づくし」(明治4年・1872、歌川芳幾画、版元:
文正堂)で、小さめの香箱の間には巾着や煙草入れ、簪などが見える。
箱の柄に“福”“イ”を組み合わせた菱形や三重升があるので、中村福助、
九代目市川團十郎を意識しているようだ。
tabashio-museum(墨田区横川1-16-3)
いられた身近な道具であった。手のひらサイズで木製や陶製のものがみ
られる。

硯箱、文箱、煙草箱など他にも身近な箱はあったが、おもちゃ絵が作
られたのは小さな香箱についてのみ。どれも一枚のおもちゃ絵から大小、
華やかな模様の香箱を作ることができた。
次は、「新版香筥尽」(天保年間・1830~44頃、溪斎英和泉画、版元:
未詳)で、美人画を多く残した英泉は、香箱らしく花を雅に描いている。

そして、「香箱尽し」(天保年間・1830~44、歌川貞秀画、版元:和泉
屋市兵衛)で、六角形の高さのある香箱作品だ。側面には六玉川が描か
れ、蓋にはその和歌も記されている。

また、「しん板こうはこ尽」(安政元年・1854、歌川重宣・二代広重、版
元:山代屋甚兵衛)で、シリーズで出版されている。

さらに、「新版こう箱づくし」(明治4年・1872、歌川芳幾画、版元:
文正堂)で、小さめの香箱の間には巾着や煙草入れ、簪などが見える。
箱の柄に“福”“イ”を組み合わせた菱形や三重升があるので、中村福助、
九代目市川團十郎を意識しているようだ。
tabashio-museum(墨田区横川1-16-3)