塩哲の色不異空

日々の思いを気の向くままに

ミュージアム巡り 誕生・日本国憲法 金森私説の骨子

2022-01-31 03:02:31 | ミュージアム巡り_2022
 法制局長官の金森徳次郎は、天皇機関説事件の対応にあたった
一方、本人の著書である「帝国憲法要綱」も国家主義団体や在郷
軍人会、立憲政友会などが推す議員らから攻撃の対象とされてい
た。
 展示されていた資料は、金森が帝国議会での追求に備えて作成
した答弁用と考えられる。
NAJ(千代田区北の丸公園3-2)

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ミュージアム巡り 誕生・日本国憲法 国体明徴に関する声明案

2022-01-30 06:33:54 | ミュージアム巡り_2022
 金森徳次郎は戦前、法制局長官として天皇機関説事件の対応に
あたっていた。天皇機関説とは天皇を法人としての国家の最高機
関としてとらえ、政府機関の助言を聞きながら統治する仕組みを
大日本帝国憲法の正当な解釈と考えた学説で、従来は立憲主義的
統治の根拠として通説的な立場にあった。
 ところが、旧東大法学部教授の美濃部達吉の憲法学説(天皇機関
説)に対して、1935年2月18日、貴族院で菊池武夫議員が“国体に
対する緩慢な謀反“であると避難し、政府に対して断固たる措置を
求めたことから事件が始まる。
 これにより国家主義団体や在郷軍人会、立憲政友会などが天皇
機関説攻撃を繰り広げ、貴族院議院でもあった美濃部は議員を辞
職。

 政府は当初、学問上の問題は政治から切り離す姿勢を取るもの
の、自体収束のため“国体明徴に関する声明“を発して終息を図
る。
 展示資料は、金森が作成した第1次声明案に鉛筆書きで修正が
加えられたもの。
NAJ(千代田区北の丸公園3-2)

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ミュージアム巡り 誕生・日本国憲法 国務大臣就任

2022-01-29 06:55:08 | ミュージアム巡り_2022
 帝国議会開幕の前日1946年6月19日、内閣嘱託として憲法改正
案の立案を援助してきた金森徳次郎は、第1次吉田茂内閣の閣僚と
して迎えられ、憲法担当の国務大臣となる。
 これは法制局長官の経験もある金森が、法令に対する知識に加え、
戦前の天皇機関説事件で官途を辞した経験から公職追放の恐れが低
かったことや、内閣からの幣原喜重郎の推挙があったことが伺える。
 展示資料は大臣就任の裁可書。写真は、第90回帝国議会の大臣
席に座る金森。

NAJ(千代田区北の丸公園3-2)

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ミュージアム巡り 誕生・日本国憲法 憲法改正草案の文体

2022-01-28 03:36:04 | ミュージアム巡り_2022
 憲法改正草案の文体に口語体が採用されたことに伴い、1946年
4月18日、“各官庁における文書及び新たに制定する法令の文体や
用語、用字、句読点等は、今回発表された憲法改正草案の例になら
うこととし、その平易化に努める“ことが決定。
 この決定により、6月17日に“官庁用語を平易にする標準に関す
る件“を次官会議で申し合わされ、官庁用語便覧編集協議会が開催
され、「公文用語の手引き」が編集される。これにより、法令や公
文書の内容が大きく変わってゆく。
NAJ(千代田区北の丸公園3-2)

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ミュージアム巡り 誕生・日本国憲法 憲法改正草案

2022-01-27 03:09:58 | ミュージアム巡り_2022
 1946年3月6日に発表された憲法改正草案は要綱の形式による
もので、内閣嘱託の金森徳次郎はじめ法制局のスタッフにより条文
化作業が進んでいた。文語体から口語体への文体変更では、作家の
山本有三らの建議も踏まえて行われる。この山本は後に貴族院議員
に勅選される。
 金森は戦前にも法令形式の改善を提案し、行政改革の一環で行わ
れた経験を踏まえ、国民が理解し、利用するものであることを重視
した日本国憲法が実現する。
 金森は、GHQとの苦難に満ちた折衝の末に生まれつつあった日本
国憲法が、戦後であることと日本が歩んできた歴史や国のかたちを、
日本人自らの意思によって論議され調和させることが使命であった。
 展示されていた資料は、1946年4月5日の閣議に付された憲法改
正草案。
NAJ(千代田区北の丸公園3-2)

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