次は、鏑木清方の「築地明石町」(Tsukijiakashi-cho、1927年作、
2022年指定)と「新富町」(Shintomi-cho、1930年作、2022年指定)。
この作品は長く行方が判らず幻の名作といわれてきたもので、2019
年に同館(MOMAT)が収蔵。
美人画の名手・鏑木清方は、製作の主眼は関東大震災以降に失われた
明治の面影を残し伝えることにあった。築地明石町の女性の仕草は、
遠のく明治期を振り返っているシーン。
この作品は第8回帝展で帝国美術院賞を受賞し、その3年後に「新富
町」と「浜町河岸」が製作誕生し三幅対となる。
では、この作品の秘話とは・・・、「新富町」の女性背景に見えるのが
「仮名手本忠臣蔵」の絵看板を掲げた新富座で、ここは関東大震災で
被災・廃業となる。また、「浜町河岸」の背景には深川安宅町の火の
見櫓が描かれ、これも震災で焼失。鏑木は町の名前を題名につけ、明
治中期の土地情趣を取り入れている。
「築地明石町」は初秋(盛りを過ぎた朝顔)、「新富町」は秋(女性の
袖口に紅葉と菊模様)、「浜町河岸」は初冬(枯れ柳)をそれぞれ季節の
移ろいも描かれている。
MOMAT(千代田区北の丸公園3-1)
2022年指定)と「新富町」(Shintomi-cho、1930年作、2022年指定)。
この作品は長く行方が判らず幻の名作といわれてきたもので、2019
年に同館(MOMAT)が収蔵。
美人画の名手・鏑木清方は、製作の主眼は関東大震災以降に失われた
明治の面影を残し伝えることにあった。築地明石町の女性の仕草は、
遠のく明治期を振り返っているシーン。
この作品は第8回帝展で帝国美術院賞を受賞し、その3年後に「新富
町」と「浜町河岸」が製作誕生し三幅対となる。
では、この作品の秘話とは・・・、「新富町」の女性背景に見えるのが
「仮名手本忠臣蔵」の絵看板を掲げた新富座で、ここは関東大震災で
被災・廃業となる。また、「浜町河岸」の背景には深川安宅町の火の
見櫓が描かれ、これも震災で焼失。鏑木は町の名前を題名につけ、明
治中期の土地情趣を取り入れている。
「築地明石町」は初秋(盛りを過ぎた朝顔)、「新富町」は秋(女性の
袖口に紅葉と菊模様)、「浜町河岸」は初冬(枯れ柳)をそれぞれ季節の
移ろいも描かれている。
MOMAT(千代田区北の丸公園3-1)