塩哲の色不異空

日々の思いを気の向くままに

ミュージアム巡り 太田道灌と江戸 長禄年中江戸図

2018-07-16 05:55:39 | ミュージアム巡り_2020
 次の絵図は、太田道灌が江戸城を築いた長禄年間(1457〜60)の
江戸の様子を描いたとされる。
 図中の四角の中にある”城”と書かれているのが江戸城を、朱線
は鎌倉街道を表している。しかし、個々に書かれた地名等を確認す
ると年代的に合わなくなり、これは後世に創作されたものと推測さ
れる。
 展示史料は、文化3年(1806)の写しで、書写年代に異なる同種
の資料が多数流布し各所に伝来しており、道灌が江戸城を築いた事
績を示すものだ。
 道灌の江戸城築城にいたる逸話は数多くある。たとえば、品川に
居館のあった同館が夢のお告げにより築城を思い立ったことや、品
川沖を航行中に九城(このしろ)という魚が舟に飛び込んできて、こ
れを吉兆と思い築城を思い立った。
 ところが実際は、享徳の乱により上杉方の下総国市川城が成氏方
により攻略されたため、隣接する武蔵国東部が上杉方の最前線とな
り、その防衛拠点とするために江戸湾を見渡せる大地に築城したと
考察される。
国立公文書館(千代田区北の丸公園3-2)

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