塩哲の色不異空

日々の思いを気の向くままに

ミュージアム巡り 初づくし 梅窓筆記

2020-04-30 05:40:18 | ミュージアム巡り_2020
 次の書は、江戸時代後期の随筆「梅窓筆記」(文化3年・1806刊、
橋本香菓著)で、朝廷の行事から広く一般に行われる風習までの事項
に関して、文献を引用しながら記述されている。
 香菓は神職の家系に生まれ朝廷にも出仕しており、有職故実や和
歌を学び多くの著書を残している。堀氏花逎文庫旧蔵、全2冊。
 展示頁は「天筆和合楽」の文字が見え、これは天井に相応じて、
地上にも福が満ちてお目出度い、と言う意味の言葉。
国立公文書館(千代田区北の丸公園3-2)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ミュージアム巡り 初づくし 江戸名所図会

2020-04-29 05:42:29 | ミュージアム巡り_2020
 次の書は、江戸や近郊の名所旧跡、神社仏閣を調査し、絵を掲載
して記述した地誌「江戸名所図会」(天保5〜7年・1834〜36、斉
藤長秋ほか編、長谷川雪旦画)。
 長秋が刊行に着手し、その子の幸孝、孫の月岑と三代に渡って継
承され完成している。太政官正院地誌課、地理寮地誌課、内務省地
理局旧蔵、全20冊。
 展示頁は、亀戸天神内の妙義社(御嶽神社)が卯の日を縁日とし、
初卯の日に多くの参詣者で賑わったとある。十二支は1ヵ月の間に
2〜3度巡るので、卯の日なら二の卯、三の卯と呼ばれている。

 次の絵は、「江戸自慢三十六興 亀戸初卯詣」(元治元年・1864刊、
三代歌川豊国・二代歌川広重画)。
国立公文書館(千代田区北の丸公園3-2)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ミュージアム巡り 初づくし 都歳時記

2020-04-28 05:31:42 | ミュージアム巡り_2020
 次の書は、京都・寺社の祭礼などの年中行事を解説した「都歳時
記」(享保6年・1721刊、坂内直頼著、堀氏花逎家文庫旧蔵、全6
冊)で、延宝2年(1674)刊行の「山城四季物語」の改題本。
 直頼は“山雲子”という号を持ち、地誌だけでなく注釈書や噺本
等幅広い分野の著作も手掛けている。
 展示頁は、京都の鞍馬寺が祀っている毘沙門天の縁日・寅の日、
その新年最初の寅の日「初寅」の日には多くの参詣者訪れている。
このように縁日は特定の日付ではなく、干支に基づいて決められ
ていることも判る。
国立公文書館(千代田区北の丸公園3-2)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ミュージアム巡り 初づくし 尾張名所図会

2020-04-27 05:40:05 | ミュージアム巡り_2020
 次の書は、尾張国の名所旧跡などを絵入りで解説した地理「尾張
名所図会」(天保15年・1844、岡田啓、野口道直選、小田切忠近画)
で、風景に加え祭礼の様子など年中行事を描いた挿絵もある。
 岡田は尾張藩士、野口は尾張商人で国学に通じ同書の刊行にあた
り資金面でも尽力している。内務省旧蔵、全7冊。
 展示頁は、愛知県あま市にある甚目寺「初観音詣」の賑わいを描
いた図。初観音は1月18日、観世音菩薩の縁日。
国立公文書館(千代田区北の丸公園3-2)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ミュージアム巡り 初づくし 増補忍名所図会

2020-04-26 05:00:13 | ミュージアム巡り_2020
 次の書は、武蔵国忍藩の領内の名所旧跡について解説した地誌
「増補忍名所図会」(天保6年・1835序、洞李香斎著、岩崎長容補)。
 香斎が文政8年(1825)にまとめた「忍名所図会」が忍藩主・松平
忠堯の目に止まり、藩士の岩崎に増補を命じて完成。刊行はされず、
写本で流布したもの。
 展示された資料は、埼玉県熊谷市にある東光寺に関する記述で、
同寺の本尊は薬師如来、縁日は8日。「初薬師」の1月8日に貴
賤群参とあり、当時の賑わいが判る。また、岡部六弥太とは、一
ノ谷の戦いで平清盛の弟・忠度を討った岡部忠澄のこと。
 天保11年に改訂された写本、全2冊。
国立公文書館(千代田区北の丸公園3-2)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする