塩哲の色不異空

日々の思いを気の向くままに

ミュージアム巡り 太田道灌と江戸 山吹の里の逸話

2018-07-04 05:38:21 | ミュージアム巡り_2020
 次の資料は、太田道灌の「山吹の里」の逸話。
 道灌が鷹狩りの帰途に雨が降ってきたので、近くの民家で蓑を借
りようとした。その民家から出てきた女性は、何も言わずに山吹の
花を渡しただけだった。
 自分の屋敷に帰った道灌が家臣に話したところ、それは「後拾遺
和歌集」にある”七重八重 花は咲けども 山吹の みのひとつだに
なきぞかなしき”という兼明親王の和歌と、自分の家に蓑がないこと
を掛けている(山吹の花には実がない、つまり自分の家に蓑がない)
ことを家臣から教えられた。
 それを聞いた道灌は自分の教養のなさを恥じて、この後、和歌を
親しむようになった。

 JR日暮里駅東口ロータリーに設置されている道灌騎馬像は、山吹
の一枝をきっかけに、それまで怠っていた和歌の道に精進したとい
う意味から「回天一枝」と名付けられている。

国立公文書館(千代田区北の丸公園3-2)

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