塩哲の色不異空

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ミュージアム巡り 光悦の大宇宙 立正安国論

2024-07-17 04:45:30 | ミュージアム巡り_2024
 続いて、「立正安国論」(元和5年・1619、本阿弥光悦筆、紙本墨書、
38.8/872.9cm、一巻、京都・妙蓮寺所蔵)。
 同論は日蓮聖人が執筆し、日蓮の教義の根幹をなす聖典。鎌倉幕府
五大執権の北条時頼に建白したもので、自身で筆写したものが中山法
華経寺に伝わる。当時、起こった天変地異の災害や内乱が続いた国内
にあって、時の政権に対して正しい信仰に基づいた政策の実現を求め
た諫暁の檄文であった。
 江戸時代初期は日通上人らが盛んに日蓮遺文の書写が行われた時期
で、光悦もその時代背景の中、本書を書写している。
 光悦は本書を楷書で書き始め、行書や草書の文字を混淆させて文字
ごとに肥痩を書き分け、紙面に麗しさを醸し出している。光悦は写経
的なものにとどまらず、その書を鑑賞されるべきのものとして強調し
たと推測される。
 奥書では、妙蓮寺十四世安立院日源上人の求めに応じて書写してい
る。7月5日の日付は、光悦の母・妙秀の忌日であるため、供養として
書写を寄進したと考えられる。
TNM(台東区上野公園13-9)
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