錦之助ざんまい

時代劇のスーパースター中村錦之助(萬屋錦之介)の出演した映画について、感想や監督・共演者のことなどを書いていきます。

錦之助映画祭り2010日誌(11月23日)

2010-11-26 07:38:25 | 錦之助映画祭り
 23日(火)、錦之助映画祭りも今日が八日目。まさに佳境。しかもに祝日ということで、お客さんの入りを大いに期待し、プログラムを組んでいる。上映作品は、錦ちゃんファンの間だけでなく作品的にも人気の高い『関の彌太ッペ』と、マキノ雅弘監督の『江戸っ子繁昌記』。どちらも成澤昌茂脚本である。プログラムを組んだ時点では、成澤さんにトーク・ゲストにいらしていただこうという心積りがあり、実際成澤さんにもお願いしたのだが、ご都合がつかず実現しなかった。残念だけれど、仕方がない。『関の彌太ッペ』に関しては、成澤さんから直接お話をうかがっているので、機を改めて紹介したいと思う。『江戸っ子繁昌記』は、比較的知られていないマキノ作品であり、錦之助映画の中でも異色作なので、選んだ。錦ちゃんが町人と旗本侍の二役を演じる逸品。落語「芝浜」と芝居の「番町皿屋敷」をミックスした興趣あふれる映画である。
 
 朝一番で新文芸坐へ行く。9時55分からの上映だが、開館の9時半前に行くと、チケット売り場から階段の下あたりまで列が出来ている。出足好調だ。
 一回目の『関の彌太ッペ』は、8割強の入り。200名以上の方が観に来ている。良かった。主催者冥利とでもいおうか、嬉しい。
 前にも書いたと思うが、今回の上映プリントは、東映に頼み、二箇所だけネガから焼き直して修正してもらった。前半の沢井屋のシーンが約1分間、後半の彌太ッペと森介の対決シーンが約2分間。ここだけがニュープリントである。費用の2万円は、錦之助映画ファンの会の資金から出した。
 今回私はその修正プリントを初めて観たのだが、既存のプリントが相当痛んで褪色しているので、その差がかなり目立ってしまった。いずれ、全部焼き直してニュープリントを作らなければならないと痛感する。
 
 『江戸っ子繁昌記』は、久しぶりにスクリーンで観たせいか、とても面白かった。客席も満員で、初見の方も多かったのだろう。錦ちゃんの熱演が受けていた。
 トークショーのない日は、私も落ち着いて映画を鑑賞できる。『関の彌太ッペ』では作品のリリカルな詩情に心にしみるような感動を受け、『江戸っ子繁昌記』ではホロッとくる人情話と歌舞伎調の絵のような美しさを同時に味わったような充実感を覚えた。
 今日に観にいらしたお客さんは、得をしたと思う。錦ちゃんの役者としての幅の広さを十分感じていただけたはずである。あの10年後の彌太ッペと青山播磨が同じ役者だとは信じられないのではないだろうか。

 


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