錦之助ざんまい

時代劇のスーパースター中村錦之助(萬屋錦之介)の出演した映画について、感想や監督・共演者のことなどを書いていきます。

千原しのぶさん逝去

2009-11-23 09:36:24 | 監督、スタッフ、共演者
 昨日(22日)、千原しのぶさん(本名石原知子さん)がお亡くなりになりました。
ご葬儀の日時は下記の通りです。
お通夜 11月23日(月)午後5時~
告別式 11月24日(火)午前11時~
場所 シティーホール西ノ京玉泉院
   京都市中京区西ノ京南大炊御門町10
   tel. 075-465-7800

 きのう円尾さんから訃報を聞き、なんとも言えない悲しい思いで胸がいっぱいになりました。錦之助映画祭りが終わった日にお亡くなりになったのも千原さんの心配り、晩年千原さんがご自分の息子のように頼っていた円尾さんに迷惑をかけないというご配慮だったと感じました。円尾さんは昨夜京都へ行きました。喪主の妹さんの家へ駆けつけ、ご葬儀のお手伝いをしているはずです。
 千原さんには6月に京都シネマでの錦之助映画祭りでトーク・ゲストにいらしていただき、楽しいお話をたくさんしていただきました。トークが終わった後、ロビーでファンとの交流の場を設けたのですが、本当に嬉しそうにニコニコしながらサインなさっていた千原さんが私の瞼に焼きついています。この日が皆さんの前に千原さんが登場された最後になってしまいました。
 今回の錦之助映画祭りのチラシも千原さんにお送りしてあったのですが、千原さんの出演作が6本あり、喜んでおられたと聞きました。千原さんの出演されている映画、これからもどんどん上映しますので、千原さん、あの世に行っても、ニコニコしながら観ていてください。


錦之助映画祭り(フィナーレ)第2・3・4日

2009-11-12 02:04:41 | 錦之助映画祭り
 9日(月)朝一で新文芸坐へ。円山さんと妹さんが映画を観にいらっしゃる。
 『ゆうれい船 後篇』を観る。海のシーンが多く、大スペクタクル作品である。面白くて、すごい映画だと思う。やっぱりニュープリントにして良かった。大満足。円山さんは大感激して、今日も泣いていた。
 続いて『海の若人』。純粋でまっすぐな映画である。錦ちゃんもひばりさんも田代さんも、みんないい。途中で目頭が熱くなる。こういう内容の映画に私は弱い。みんな死んじゃったんだなーと思うと、余計に涙が流れてくる。終わって、円山さんも妹さんも目を真っ赤にして出ていらっしゃった。お二人をお見送りする。
 新文芸坐のチーフの矢田さんから、明日東京新聞が取材に来るという話を聞く。
 3時過ぎに飯田橋に帰る。夕方、東京新聞の社会部の記者から電話をもらう。比護さんという方で、明日の午後2時10分前に新文芸坐のロビーで会うことにする。

 10日(火)11時20分から『赤穂浪士』を観る。東映が総力を上げて製作した最初のオールスター映画だ。ビデオでは何回も観ている作品だが、スクリーンで観ると違う。すべてがすごいと思う。大感動してロビーに出ると東京新聞の比護さんが待っている。40歳くらいか。まず、ポスターをバックに錦之助映画ファンの会の集合写真を撮影することに。ロビーに居た会員を7,8人かき集める。出演者の東宮秀樹(石井一雄)さんが映画を観にいらして、ロビーで円尾さんと話していたので、挨拶。せっかくだから、集合写真に入っていただく。ファンの会がニュープリントにした作品のポスターを入れたいので、『一心太助 男の中の男一匹』の大判ポスターをバックにする。それと『任侠清水港』のポスターを私が抱えることに。
 写真撮影の後、ロビーのイスに座って、インタビューを受ける。30分くらい話した。スチール写真も掲載したいと言うので、あとでメールで送ることにする。
 今日は、本業の仕事がたまっているので、『怪談千鳥ヶ渕』を観ないで帰る。京都で二度観たので、今回はあきらめる。

 11日(水)朝から2時ごろまで仕事。年配の男の人から電話をもらう。新聞を見て新文芸坐に問い合わせたとのこと。ファンの会のことを教える。今日の朝刊に記事が大きく出ていたらしい。私は、夕刊か明日の朝刊に出るのだとばかり思っていたので驚く。早速、飯田橋の駅のキオスクまで、東京新聞を買いに行く。あいにく東口のキオスクも西口のキオスクも東京新聞は売り切れ。仕方がないので電車に乗って隣りの水道橋駅まで買い行く。見ると、集合写真がカラーで大きくのっている。記事も、私が話したことをうまくまとめて書いている。新聞を見たお客さんが今日からたくさん来るといいなと思う。
 仕事を3時半で切り上げ、新文芸坐へ行く。掲示板に新聞記事のコピーが貼ってある。『任侠清水港』を観る。錦ちゃんの石松をたっぷり鑑賞。
 続けて『勢ぞろい喧嘩若衆』を観る。16ミリフィルムなのに、35ミリとあまり変わらない。フィルム状態良好。錦ちゃんの弁天小僧が見もの。瓦屋根の上での立ち回りがすごかった。共演者では、千代ちゃんが熱演。千原しのぶさんがきれい。
 二本観終わって、石森史郎さんのお弟子さんの御崎さんとすし屋で仕事の打ち合わせをする。これから彼が私の出版社の仕事を手伝ってくれることに。





 

錦之助映画祭り(フィナーレ)第1日

2009-11-08 22:04:15 | 錦之助映画祭り
 朝9時に新文芸坐へ行く。開始まで50分近くあるのに、4,5名のお客さんがすでに来ている。ファンの会の錦尊さんと入り口で出会う。
 新文芸坐の柳原さんに植木金矢さんの絵を渡し、ガラスケースに飾ってもらう。近代映画の『ゆうれい船』特集号も持参。錦ちゃんと今日のゲストの円山さんのツーショットの写真もコピーして掲示してほしいと頼む。
 9時15分ごろには3階の切符売り場の前に列ができている。20名ほどか。
 諸星さんが来て、追加のポスターを何枚か持って来てくれた。柳原さんを紹介して、彼と直接打ち合わせしてもらう。
 錦友会からスタンド式の大きなお花が届いていて、ロビーの突き当たりに飾ってある。私は、胸に名札を付けて、続々と入場して来るお客さんにお辞儀をする。ファンの会の人や知り合いに挨拶。おなじみさんが30名ほどいる。
 開始時間の5分前にホール内に入る。後ろの方の関係者席に着いて、館内を見渡す。7割くらいの入り。ちょっとがっかり。初日の一回目から満員にするのは難しい。
 『ゆうれい船 前篇』が始まる。ネガが劣化していたため、暗いシーンの写りが悪いが、許容範囲だろう。錦ちゃんの顔はしっかり見えるので良し。この映画、大画面で見るとやっぱり素晴らしい。予想通りとはいえ、ニュープリントにして本当に良かったと思う。
 40分くらい経って、柳原さんが呼びに来る。円山さんがいらしたとのこと。早めに到着なさったようだ。二回目でまた観れば良いので、ホールを出る。
 ロビーの長イスに、円山さんと妹さんと昔からのファンの方が座っていらしたので、挨拶。打ち合わせを兼ねて、円山さんといろいろ話す。昨日京都から上京し、立川に泊まって、10時ごろ池袋に着いたそうだが、新文芸坐に来るまでにちょっと迷ったとのこと。
 『あばれ振袖』を関係者席で円山さんたちと一緒に観る。9割ほどの入り。200人以上のお客さん。始まってすぐフィルムが切れる。5分ほど中断。
 この映画、16ミリなのに、画面鮮明。前半で所々音声が途切れることはあったが、フィルム状態は良好。二、三箇所、カットされている部分はあったが、満足していただけたと思う。16ミリでこの映画を観るのは今度が二回目。前半はやや、話の筋が込み入って分かりにくいが、後半は俄然面白くなる。
 円山さんの出番は三箇所。錦ちゃんの妹役のお姫様。セリフがあるのは一箇所だけだが、円山さんの名前(旧字)がタイトルに登場する最初の映画。『ゆうれい船』の時は、すでに人気女優になられているので、出番も多い。
 映画が終わて場内が明るくなると、お隣りにいらした円山さんが泣いている。途中でいろいろな思いに胸がいっぱいになって、涙が湧いてきたそうだ。
 10分後にトークショーが始まるのに、大丈夫かなーとちょっと心配になる。円山さんと4階の事務室へ行き、お化粧直ししていただく。
 いよいよトークショー開始。最初に私がお客さんに挨拶。田代百合子さんが亡くなっていたこと、長谷川裕見子さんの近況などを報告。円山さんを紹介し、30分間ほどトーク。円山さんとは今度が二度目なので、スムーズに行く。さっきまで泣いていらしたのに、明るく楽しいお話になる。聞き手の私は、話の途中で時々質問するだけ。
 トークが終わり、ロビーでサイン会。円尾さんにアシスタントをお願いし、私は大役を終えたので一服。円山さんは50名以上の方の一人一人に丁寧にサインなさっていた。
 『ゆうれい船 前篇』を円山さんと一緒にもう一度初めから観る。観終わるとまた円山さんが泣いている。
 新文芸坐を出て、円山さんと妹さん、それと知り合いの錦ちゃんファンの人たち10名ほどで会食。和歌山と大阪から日帰りで来たYさんとKさんも参加。パルコの上のレストラン(「四国」という讃岐うどんの料理店)で、2時間以上歓談。終わって、みんなで円山さんと妹さんを池袋の駅までお見送りする。お二人は明日また『ゆうれい船 後篇』を観にいらっしゃるとのこと。
 その後、6名ほどでルノワールへ行き、さらに2時間歓談。
 飯田橋の仕事場へ私が帰ってきたのは夜の9時半。


錦之助映画祭り(フィナーレ)前夜

2009-11-08 02:09:17 | 錦之助映画祭り
 今、池袋の新文芸坐から帰ってきたばかり。行きはタクシー(飯田橋~池袋)、帰りは地下鉄。今回の上映作品のポスター17枚、「一心錦之助」100冊、錦之助ファンの会の入会案内とアンケート用紙200枚を新文芸坐へ置いてきた。ポスターは、錦之助ファンの会では随一のコレクターの諸星さんから借りたもの。おととい、私の飯田橋の仕事場まで持ってきてくれたのだ。彼は、横浜在住で東京駅近くの会計事務所で働いているのだが、わざわざ横浜の自宅から運搬してきたわけである。錦ちゃんファンとはいえ、有難いことだ。諸星さんには、錦之助映画祭りの時はいつも貴重なポスターを出品してもらっている。私と同い年で、大変気が合う仲間の一人だ。20年近くもの間、錦之助作品のポスターや関連雑誌を収集してきたという。総額いくらのお金を注いできたかは測り知れない。今回のお宝は、『あばれ振袖』『ゆうれい船』(前篇と後篇2枚)のポスターと『一心太助 男の中の男一匹』の立て看用・大判ポスター。『源氏九郎颯爽記 濡れ髪二刀流』や『美男城』のポスターも一見に値する。
 新文芸坐の飾り付け担当の柳原さんと打ち合わせをしてきたのだが、どれもこれも貴重なポスターばかりなので、万が一盗まれでもしたら大変。それで、本物は売店の中の壁に飾ってもらい、コピーをロビーに張り出すようお願いしてきた。本物はちょっと遠くから眺め、至近距離からコピーを見ていただく。
 実は、タクシーに乗ってから気づいたのだが、ロビーのガラスケースに展示する絵(色紙)を3枚忘れてしまった。画家の植木金矢さんからいただいた『里見八犬伝』と『あばれ纏千両肌』と『独眼竜政宗』の錦之助の絵である。これは3月にも展示したが、今回初めてご覧になる方もいるかと思うので、明日持っていくことにしよう。柳原さんは、今夜徹夜で作業するそうだ。明日も朝からずっと居るということなので、明日渡せば間に合うだろう。私は当然明朝一番に新文芸坐へ行くつもり。ガラスケースには、雑誌「映画ファン」のイラストレーターだった直木久蓉氏が描いた錦ちゃんの似顔絵集も飾る。これは、「映画ファン」の記者で現在は映画評論家の渡部保子さんからお借りしたものだ。記者時代から錦ちゃんと親しかった渡部さんには、大変協力していただいている。有馬稲子さんの似顔絵もお借りしたので、展示するはず。

 さて、明日からいよいよ「錦之助映画祭り」が始まる。準備はすべて整えた。宣伝、チラシ配布は、新文芸坐のスタッフを始め、いろいろな方の助力があって、できる限りのことはしたと思う。私は、チラシ約3000枚を配布し終わった。会員ほか、関係者やあちこちの方に依頼して配布してもらった。二代目錦之助さん(後援会の皆さん約250名に郵送していただいた)、西東京シネマ倶楽部の事務局長の飯島さん、豊橋のスロータウン映画祭の主催者の佐々木さん、講談師の宝井琴調さん(国立演芸場の「講談の会」で配布)、落語家の三遊亭鳳楽さん(先日亡くなった三遊亭円楽師匠の一番弟子で、大の錦ちゃんファン。独演会で配布)の協力を得て、合計1000枚は配布できた。
 朝日新聞には先週、新文芸座が広告を出し、今日(日付が替わっていた)の朝刊にも広告が出るはず。読売新聞は、金曜の夕刊で「錦之助映画祭り」を取り上げてくれた。
 今日の初日から大勢のお客さんが詰めかけ、今年の締めである「錦之助映画祭り・フィナーレ」が連日盛り上がることを祈るだけである。初日のゲストは、京都からいらっしゃる円山榮子さん、聞き手は私なのだが、目下壇上での挨拶もトークショーでの質問も、なんにも考えていない。出たとこ勝負でやるだけ。それよりお客さんがどれくらい集まるかの方が心配で、眠れないかもしれない。(つづく)