錦之助ざんまい

時代劇のスーパースター中村錦之助(萬屋錦之介)の出演した映画について、感想や監督・共演者のことなどを書いていきます。

錦之助映画祭り(パート3)日誌~その8

2009-09-24 00:37:49 | 錦之助映画祭り
 現在のところ、以下のような上映スケジュールで調整中。前に掲載したプログラムと若干上映作品の異動あり。上映作品のうち『あばれ振袖』『勢ぞろい喧嘩若衆』『続親鸞』の3本は、フィルム状態をチェック中なので、場合によっては上映できない可能性もある。

時代劇の至宝 萬屋錦之介・中村錦之助 生誕77年記念
「錦之助映画祭り(パート3)」
上映スケジュール(予定)
11月8日(日)~11月22日(日)の15日間 池袋・新文芸坐 

8日(日) 円山榮子さんトーク 13:15~
ゆうれい船(85分)New Print
10:00 / 14:10 / 17:25 / 20:40
あばれ振袖(72分) Film Center 16mm
11:45 / 15:55 / 19:10

9日(月)
ゆうれい船・后編(82分) New Print
10:20 /  13:55 / 17:30 / 21:00
海の若人(94分) Film Center
12:05 / 15:40 / 19:15

10日(火)
怪談千鳥ヶ渕(68分) 
10:00 / 14:15 / 18:30
赤穂浪士 天の巻・地の巻(151分) Film Center
11:30 / 15:45 / 20:10

11日(水)
任侠清水港(103分)New Print 
9:45 / 13:30 / 17:15 / 21:00
勢ぞろい喧嘩若衆(83分) Film Center 16mm
11:50 / 15:35 / 19:20

12日(木)
おしどり駕篭(86分)
10:00 / 13:25 / 17:00 / 20:30
源氏九郎颯爽記・濡れ髪二刀流(87分) Film Center
11:45 / 15:15 / 18:45

13日(金)
東海一の若親分(93分) 
9:45 / 14:05 / 18:25
続 親鸞(128分) Film Center
11:40 / 16:00 / 20:15

14日(土) 沢島忠監督トーク(予定)13:45
一心太助 男の中の男一匹(94分)New Print
10:00 / 14:40 / 18:25
森の石松鬼より恐い(96分)
11:55 / 16:35 / 20:20


15日(日) 丘さとみさんトーク 13:20
江戸っ子奉行 天下を斬る男(89分)New Print
9:45 / 14:15 / 17:50 / 21:25
美男城(90分)New Print
11:35 / 16:05 / 19:40

16日(月) トーク(未定) *トークがある場合は時間割変更
ちいさこべ(171分) 途中休憩10分
9:45 / 13:05 / 16:25 / 19:45
(11:00 / トーク14:20 / 15:15 / 18:40)

17日(火) 北沢典子さんトーク 13:55
源氏九郎颯爽記 秘剣揚羽の蝶(109分) 
10:00 / 14:50 / 18:45
若き日の次郎長 東海道のつむじ風(89分) Film Center
12:10 / 17:00 / 20:55

18日(水) トーク(未定) *時間割未定
真田風雲録(90分) 

宮本武蔵 二刀流開眼(104分)


19日(木) 宮園純子さんトーク 13:30
冷飯とおさんとちゃん(177分) 途中休憩10分
10:00 / 14:25   *夜の上映はなし(「落語のゆうべ」があるため)

20日(金)トーク(未定) *時間割未定
宮本武蔵 一乗寺の決斗(128分) 

宮本武蔵 巌流島の決斗(121分)


21日(土) 有馬稲子さんトーク 13:35
丹下左膳 飛燕居合斬り(91分)New Print
9:45 / 14:30 / 18:20
浪花の恋の物語(105分) New Print
11:35 / 16:20 / 20:05

22日(日) トーク(未定) *トークがある場合は時間割変更
花と龍(97分)New Print 
9:45 / 13:30 / 17:15 / 21:00
続 花と龍 洞海湾の決斗(90分)
11:45 / 15:30 / 19:15



錦之助映画祭り(パート3)日誌~その7

2009-09-20 10:14:13 | 錦之助映画祭り
 ほかにも連絡をとった方々が何人かいる。
 中島貞夫監督には京都の時にたいへんお世話になったので、今度の錦之助映画祭りについて伝える。11月に東京へいらっしゃる用事がありませんかとお尋ねしたところ、11月中は仕事があって上京できないとのこと。
 雪代敬子さんにも電話。京都でお世話になったお礼とご無沙汰していたお詫びを申し上げる。雪代さんも話好きなので、20分くらいおしゃべりする。来年2月のバレンタインデーに京都(大阪だったか?)のホテルでディナーショーをやるので、ぜひ観に来てほしいと誘われる。それと、ラジオでのトーク番組の本がこの間出たので、送ってくださるとのこと。雪代さんのほかにも、いろいろな方のトークが収録されているらしい。
 長谷川裕見子さんともいろいろなことを話す。折れた背骨は少し良くなってきたそうだが、それでもまだほとんど寝たきりの生活をなさっているとのこと。「退屈しませんか?」と尋ねると、「ぜんぜん!」と。裕見子さんは決して弱音を吐かない。寝ながらいろんなことを考えて暮らしているそうだ。裕見子さんは83歳だが、頭の回転がとても速い方である。しかも東京弁で私とは話の波長が合うので、話題がぽんぽんと進む。10月に旅荘「船越」を閉館することになった経緯、『鳳城の花嫁』のDVDがディアゴスティー二から出て送ってきたことなどを話す。フィルムセンターで船越英二さんの追悼上映をしていて、『野火』を観たことを話すと、「へえ、知らなかったわ」と。11月の「錦之助映画祭り」に裕見子さんはいらっしゃれないけれど、初日の『ゆうれい船』のお披露目に合わせて、お祝いの言葉をくださるそう。「今度、お見舞いに行きますから」と私。5月に湯河原のお宅へ伺って以来である。その時は娘さんの平野洋子さん(旅荘「船越」の女将)の著書「梅一夜」が出版されたので、その販売の手伝いを頼まれて、打ち合わせに行ったのだった。私は昨年の暮れに「一心錦之助」に収録する裕見子さんのインタビューをとりに行った時から、ぜひ長谷川裕見子さんの本を出版しようと考えている。娘さんからもお願いされているし、裕見子さんも私が編集するなら出してもいいとおっしゃっているので、11月の錦之助映画祭りが終わったら準備にかかろうと思っている。内容は、「叔父・長谷川一夫、夫・船越英二、そして長谷川裕見子」を柱に、裕見子さんがいっしょに仕事をなさった映画人や俳優たちのエピソード集になると思う。

 話がそれてしまった。
 3月の「錦之助映画祭り」で尽力してくださった二代目中村錦之助さんに電話。二代目さんは、さっぱりした気性の好人物なので、私は喜んで二代目の後援会に入会させていただいた。毎月、会報やチラシをお送りいただいているが、一度上野でのお茶の会に参加しただけで、舞台公演は観に行っていないことをお詫びする。チラシが完成したら、また100枚ほどお送りして、配っていただくことをお願いしておく。
 中村獅童さんのお母さんの小川陽子さんとも連絡をとる。陽子さんは、現在師童さんの事務所を仕切っているやり手で、言いたいことはズバズバ言うお人柄。お目にかかったことはないが、電話で数度お話したことがある。新橋演舞場に招待されて、師童さんの歌舞伎を観に行ったことがあるが、その時はあいにく陽子さんにお会いできなかった。3月の新文芸坐では師童さんのお名前で胡蝶蘭のお花を贈ってくださったり、新文芸坐の切符も100枚買っていただいている。「11月の映画祭りに師童さん、ゲストにいらっしゃれませんか」と尋ねると、「あら、すれ違いね。ちょうど11月に大阪の松竹座で『反逆児』の舞台公演があるのよ」とのこと。師童さんが『反逆児』をやると聞いて、びっくり。「錦之助映画祭り」のチラシが出来たら、事務所に送ることに。師童さんのファンクラブの皆さんに配ってくれるそうだ。

 『反逆児』の舞台公演は以下の通り。
 11月6日(金)~25日(水)
 大阪・松竹座にて昼夜二回公演
 脚本:伊藤大輔
 出演:中村獅童(三郎信康)、南野陽子(徳姫)、波乃久里子(築山殿)、平幹二朗(家康)ほか。

*11月の錦之助映画祭りとぴったり重なっている。ただ、前後に2日間と3日間、重ならない日があるので、出来れば私も観に行こうかと思っている。


錦之助映画祭り(パート3)日誌~その6

2009-09-19 22:09:45 | 錦之助映画祭り
 ゲスト交渉の続き。
 岩崎加根子さん、三田佳子さんは、11月は地方で舞台公演中なので、都合がつかず。
 入江若葉さんも今回は「桂春団治」の京都(南座)・名古屋(御園座)の舞台公演があるため、ゲストにいらっしゃれない。『冷飯』は大好きな作品なので、残念がっていらした。
 桜町弘子さんは療養中。病状に波があるのでトーク出演はとても無理。これは桜町さんの所属事務所・ダテ企画の社長、伊達弘さんの話。伊達さんは元東映の俳優で、錦之助さんの舞台に出演したこともある。現在は、キャスティング・プロデューサー。伊達さんはものすごい話好きで、お会いしたことはないのだが、電話で話すと必ず1時間以上になる。
 中原ひとみさんは、「ご遠慮させてください。ごめんなさい」とのこと。マネージャーのNさんと、元「映画ファン」の記者で現在映画評論家の渡部保子さん(中原さんとは昔からの仲良し)のお二人から説得してもらったのだが、「人前で話すのが苦手だし、『一心錦之助』に文章を書いたので、それで許してください」とおっしゃっていたそう。
 佐久間良子さんは、テレビのレギュラーが入っていて、ロケが多く、まだ11月中の予定が立たないとの話。『花と龍』(ニュープリント)と『続花と龍』で錦ちゃんの玉井金五郎と夫婦になる佐久間さんのマンの役は素晴らしいので、私もマネージャーの0さんにぜひゲストにとお願いしたのだが、どうも無理な可能性が高い。上映日(22日の千秋楽)はお伝えしてあるので、10月になってから正式なご返答をいただけるかもしれない。
 宮園純子さんは、オーケー。所属事務所エ・ネストの社長の名塚さんとは以前脚本家の石森史郎さんの紹介で面識があるため、スムーズに話が運ぶ。『冷飯』での錦ちゃんと宮園さん(料亭の女中)の二人の芝居は最高!なので、ぜひにとお願いしたところ、多分宮園さんも『冷飯』が好きなのではないかと思う。「喜んで」という話だった。19日(木)に宮園純子さんのゲスト出演は確定。
 北沢典子さんには、円尾さんから電話してもらった。17日(火)の『源氏九郎颯爽記・秘剣揚羽の蝶』の日のゲストとしてである。北沢さんは前回の『家光と彦左と一心太助』の時にもゲストに来ていただいたが、すごく素敵で感じのいい方だったので、また北沢さんに会いたいなーと思って、私が円尾さんに誘ってとお願いした。『秘剣揚羽の蝶』の北沢さんはセリフこそないが(聾唖者なので)、最高だった。錦ちゃんに抱かれて死んだ女優は何人もいないが、この映画の北沢さんと『隠密七生記』の桜町弘子さんが双璧で、絶品の演技をしたと思う。
 円山榮子さんと丘さとみさんはすでにオーケー。丘さんのご自宅にはこの間また電話した。円尾さんから丘さんが快諾したことは聞いていたが、直接私がお返事をもらったわけではないので、確認のため。15分くらいおしゃべりした。
「聞き手は丘さんが円尾さんを指名したので、仕方なく僕は引き下がりましたが、ホントは僕が聞き手をやりたかったんですが……」と言うと、
「じゃ、その次はあなたがやって」というお返事。嬉しい!丘さんをもう一日、ゲストに招いちゃおうかと思ったほど。
 これで、確定したゲストは5人。有馬稲子さん、丘さとみさん、円山榮子さん、宮園純子さん、北沢典子さん。すごいメンバーである。でも女優ばかり!
 
 これは極秘の話だが(書いてしまう)、中村嘉葎雄さんをお招きしたいと思って、画策中。実は、お姉さまの多賀子さんに頼んである。来月11日に小川三喜雄さん(中村獅童さんのお父さんで、錦ちゃんの一つ上のお兄さん。小川貴也の名前で数々の錦之助映画をプロデュースなさった)の一周忌の法事があり、その時嘉葎雄さんも見えるので、説得してみるとのこと。『ちいさこべ』の上映日にぜひいらしていただきたいと伝えてある。
 おととい、東京宝塚劇場の支配人の小川甲子夫人(甲にしきさん)に電話して、「錦之助映画祭り」パート3の開催についてお伝えした。これまで、甲子夫人には、三度お目にかかり、電話でも数度お話している。また、チラシ、ご招待券、記念本「一心太助」などはお送りしてきた。錦之助映画祭りの開催が軌道に乗ったのも、甲子夫人の承諾があってのことであり、節目節目には、連絡を欠かさないようにしている。なにしろ東京宝塚劇場の支配人をなさっていて、超多忙な方なので、あまりご相談もできずに私が勝手に「錦之助映画祭り」を進めているが、私がやっていることは認めてくださっているようだ。
 沢島忠監督にも当初ずいぶんお世話になったので、おととい、久しぶりにお宅に電話した。パート3の日程をお伝えし、今回は『一心太助・男の中の男一匹』をファンの会がお金を出して、ニュープリントにしますと申し上げると、監督、喜んでいらした。そこで、昨日また、監督に電話。14日の土曜に沢島作品を2本上映しますので、ゲストにいらしていただけませんかとお願いする。最初10月の14日と勘違いなさったようで、関西に行く予定があるとおっしゃる。錦之助さんのお誕生日前の14日なので、11月ですと申し上げると、それなら大丈夫かもしれないとのお話。まだ、先のことなので、もう少したったら、はっきりするので、また電話をするようにとのこと。14日の土曜、『一心太助・男の中の男一匹』と『森の石松鬼より恐い』の上映日に沢島忠監督がゲストにいらっしゃる可能性も出てきた。



錦之助映画祭り(パート3)日誌~その5

2009-09-19 19:07:05 | 錦之助映画祭り
 上映フィルムの確保、ゲストの招聘交渉がほぼ終わった。
 約4日間は電話とファックス、フル回転。50回くらい電話したのではなかろうか。ファックスは20箇所くらいか。何人かとはメールで連絡をとりあった。
 まあ、そんなこんなで、今日の午後は「キネマ旬報」編集部に電話とファックスを入れ、「錦之助映画祭り」の予告記事を依頼して……、目下、新文芸坐の矢田さんからの連絡待ちである。「時代劇マガジン」の編集部にも電話したのだが、不通。今年1月に発行した19号で止まったままになっているようだが、廃刊になってしまったのだろうか。編集長の宮島さんとは2月の初めに電話で話したことがあるが、その時は錦之助映画祭りパート1の予告が間に合わず、次号で掲載してくれるという話だった。「時代劇マガジン」には連休明けにまた電話してみようと思っている。
 先ほど、ほぼ確定した上映プログラムをこのブログにアップしたので、ご覧いただきたい。ここで簡単にコメントを加えておきたい。

<上映作品に関して>

★『江戸っ子繁昌記』は11月初旬に銀座のシネパトスで上映希望が入っているということだったので、そちらに譲った。
★ 『風と女と旅鴉』は、京都文化博物館から借りられる見通しはたったのだが、フィルム状態がさほど良くない16ミリフィルムでもあり、東映営業部も京都文博の館外での興行に関しては消極的姿勢なので、今回は見合わせることにした。
 それと、共演者の三國連太郎さんにゲスト交渉したところ、11月中は三國さんが『釣りバカ日誌』の最終篇のキャンペーンで地方を回ることになっていて、ゲストにいらっしゃれないそうなので、また今度ということに。『風と女と旅鴉』は、加藤泰監督の初期の名作であり、私も大好きな映画なので、いつか東京で上映したいと思っている。(注:『風と女と旅鴉』は、東映にマスターポジしかなく、ニュープリントを作ると100万円以上になるとのこと。私の知る限り、16ミリフィルムは2本あって、1本は京都文博が所蔵、もう1本は大阪のプラネット資料室にある。プラネットのフィルムは3年ほど前に見たことがあるが、シネマスコープをビスタサイズに換えたもので、しかもカットされている部分がある。)
★『お坊主天狗(総集編)』『青年安兵衛・紅だすき素浪人』も、残念ながら今回は見合わせ、いつか別企画(田代百合子さんを偲ぶ会)で、私が個人的に企画して上映しようかと思っている。
★『浪花の恋の物語』は、Tジョイが追加上映を取り下げたので、東映所有のニュープリントを上映できることになった。有馬稲子さんは、21日の土曜なら都合が良いということなので、この日に上映。
 上映プログラムは前半が1955年~61年、後半は1962年~66年の作品を並べようと思っていたのだが、『浪花の恋の物語』(59年)だけは後ろに回した。最初の計画では、14日の土曜に上映する予定だった。有馬さんも大好きな『一心太助・男の中の男一匹』と組み合わせて上映しようと思っていたが、変更した。『丹下左膳・飛燕居合斬り』と二本立てで上映するのも妙な感じだが、まあいいか。(ご承知のように『丹下左膳』の撮影中に、錦之助さんは淡路恵子さんと仲良くなったわけで……。)

<ゲストに関して>
★田代百合子さんが亡くなっていた。
 胸の痛むニュースだが、田代百合子さんがすでに故人になられていたことが分かった。「錦之助映画祭り」では、パート1で高千穂ひづるさんを、パート2で千原しのぶさんをゲストにお呼びした。東映城の初代三人姫の一人であった田代百合子さんは、ずっと以前に引退なさって普通の人になられたとはいえ、なんとかお招きしたいと思っていた。今回の映画祭りでは、『海の若人』『あばれ振袖』『赤穂浪士』『源氏九郎颯爽記・濡れ髪二刀流』と錦ちゃんと田代さんの共演作が4本もあるので、私も意を決し、田代さんのご自宅へ電話をした。おとといのことだ。円尾さんが10年ほど前に田代さんに手紙を書いて、その返事を持っていると言うので、探してもらい、住所と電話番号を教えてくれたのだった。円尾さんが電話をしてくれればいいのにと思うが、彼はいつもそういう時は私任せである。「錦之助映画ファンの会の代表なんだから、藤井さんが交渉しなきゃダメですよ」みたいな素振りである。マネージャーとか所属事務所に電話するのは別にどうということもないが、直接お会いしたこともないご本人に電話をするのは、気が引けるものである。
 
 電話をするとご主人が出て、
「家内は2000年に亡くなりました」
「えっ!」と言ったまま、しばし絶句。田代さんのお顔が頭に浮かんで、胸が締め付けられる思いになる。ご主人は、浅田さんとおっしゃって、映画関係者だと聞いていたが、とても気さくで話好きな方だった。私が、錦之助映画祭りのことを説明して、田代さんをゲストにお招きしたかったと言うと、
「お誘いありがとうございます。家内が生きていたら喜んだでしょうね」とおっしゃられて、私もほっとする。それから30分ほどご主人とお話しただろうか。
 田代さんは9年前に68歳で乳癌で亡くなられたこと。一人息子(現在42歳)がいて、厳しい母親だったこと。息子さんは田代さんが出ている映画をほとんど見ていなくて(ご主人もまったく見ていないと言っていた)、この間太秦の映画村へ行って、ポスターを見てびっくりしたと言っていたこと、などなど、いろいろお話をしてくださった。現在、ご主人の浅田さんは80歳を越えていて、ほとんど外出せず、「ゴキブリと暮らしている」なんて冗談におっしゃっていた。「小学一年の孫娘とのデートだけが楽しみで生きていますが、最近相手にしてくれなくて……」と嘆いてもいた。
 以前高千穂ひづるさんから、「田代さんの家はうちの近く(世田谷の弦巻)にあったので、引退してからもよくマージャンをやりに行ったのよ」と聞いていたので、「高千穂さんはお元気で、昨年私が編集して本を作りました。田代さんの話も出てきますよ」と言うと、とても懐かしがっていらした。
 そこで、高千穂さんの「胡蝶奮戦」と錦ちゃんの記念本「一心錦之助」は浅田さんのお宅へお送りすることに。「仏壇にお供えしさせていただきます」とのこと。錦之助映画祭りのチラシも送ることに。「浅田さんも、息子さんも、お暇でしたら、ぜひ池袋までいらしてください」と申し上げて、受話器を置く。
 田代百合子さんのご自宅へ電話して良かったと思う。田代さんが出演する映画の上映日にはみんなでご冥福をお祈りしたい。(つづく)



錦之助映画祭り(パート3)日誌~その4

2009-09-19 14:19:09 | 錦之助映画祭り
 「錦之助映画祭り」パート3の上映作品と上映日がほぼ確定したのでお知らせします。場所は東京・池袋の新文芸坐です。

<日程>11月8日(日)~11月22日(日)の15日間

    
8日(日)ゲスト:円山榮子さん
『ゆうれい船・前篇』(57年 監督松田定次 共演:長谷川裕見子、円山榮子)85分<ファンの会によるニュープリント>
『ゆうれい船・后篇』(57年 監督松田定次 共演:長谷川裕見子、円山榮子)82分<ファンの会によるニュープリント>

9日(月)
『あばれ振袖』(55年 監督萩原遼 共演:田代百合子、円山榮子)75分<16ミリ・フィルムセンター>
『海の若人』(55年 監督瑞穂春海 共演:美空ひばり、田代百合子)84分<フィルムセンター>

10日(火)
『赤穂浪士・天の巻・地の巻』(56年 監督松田定次 オールスター)151分<フィルムセンター>
『怪談千鳥ヶ渕』(56年 監督:小石栄一 共演:千原しのぶ)68分

11日(水)
『勢ぞろい喧嘩若衆』(55年 監督佐伯清 共演:片岡千恵蔵、東千代之介)86分<16ミリ・フィルムセンター>
『源氏九郎颯爽記・濡れ髪二刀流』(57年 監督加藤泰 共演:千原しのぶ、田代百合子)87分<フィルムセンター>

12日(木)
『おしどり駕篭』(58年 監督マキノ雅弘 共演:美空ひばり、中村賀津雄、中原ひとみ)86分
『任侠清水港』(57年 監督松田定次 オールスター)103分<ファンの会によるニュープリント>

13日(金)
『続親鸞』(60年 監督田坂具隆 共演:月形龍之介、中村賀津雄)128分<フィルムセンター>
『東海一の若親分』(61年 監督マキノ雅弘 共演:丘さとみ、千原しのぶ)93分

14日(土)
『一心太助・男の中の男一匹』(59年 監督沢島忠 共演:中原ひとみ、月形龍之介)94分<ファンの会によるニュープリント>
『森の石松鬼より恐い』(60年 監督沢島忠 共演:丘さとみ、千秋実)96分

15日(日)ゲスト:丘さとみさん
『美男城』(59年 監督佐々木康 共演:大川恵子、櫻町弘子、丘さとみ)90分<東映ビデオによるニュープリント>
『江戸っ子奉行・天下を斬る男』(61年 監督佐々木康 共演:丘さとみ、東野栄治郎)89分<ファンの会によるニュープリント>

16日(月)
『ちいさこべ』(62年 監督田坂具隆 共演:江利チエミ、中村賀津雄)171分

17日(火)ゲスト:北沢典子さん
『源氏九郎颯爽記・秘剣揚羽の蝶』(62年 監督伊藤大輔 共演:北沢典子、長谷川裕見子)109分
『真田風雲録』(63年 監督加藤泰 共演:渡辺美佐子、千秋実)90分

18日(水)
『宮本武蔵・二刀流開眼』(63年 監督内田吐夢 共演:入江若葉、江原真二郎)104分
『宮本武蔵・一乗寺の決斗』(64年 監督内田吐夢 共演:入江若葉、岩崎加根子)128分

19日(木)ゲスト: 宮園純子さん
『冷飯とおさんとちゃん』(65年 監督田坂具隆 共演:入江若葉、三田佳子、新珠三千代、森光子)177分<東映のフィルム状態悪い。フィルムセンター>
*この日は、新文芸坐で午後7時より「落語のゆうべ」が催されるため、『冷飯とおさんとちゃん』の上映は2回で、午後5時半ごろまで。午前10時から一回目。宮園さんのゲスト・トークが午後1時20分から。二回目の上映は午後2時30分からの予定。

20日(金)
『宮本武蔵・巌流島の決斗』(65年 監督内田吐夢 共演:高倉健、片岡千恵蔵、入江若葉)121分
『若き日の次郎長・東海道のつむじ風』(62年 監督マキノ雅弘 共演:丘さとみ、千秋実)89分<フィルムセンター>

21日(土)ゲスト:有馬稲子さん
『浪花の恋の物語』(59年 監督内田吐夢 共演:有馬稲子、片岡千恵蔵)105分<ニュープリント>
『丹下左膳・飛燕居合斬り』(66年 監督五社英雄 共演:淡路恵子、大友柳太朗)91分<東映ビデオによるニュープリント>

22日(日)
『花と龍』(65年 監督山下耕作 共演:佐久間良子、田村高廣、淡路恵子)97分<東映ビデオによるニュープリント>
『続花と龍・洞海湾の決斗』(66年 監督山下耕作 共演:佐久間良子、淡路恵子)90分

*フィルムセンター所蔵の『あばれ振袖』と『勢ぞろい喧嘩若衆』は、個人寄贈の16ミリフィルムで、現在フィルム状態をチェックしている。また、『続親鸞』も褪色状態をチェック中。上映確定ではないので注意!