島英津夫さんの萬屋錦之助一座のことが気になり、今日また池袋のシアターグリーンへ行ってきた。初日からちょうど1週間、今日の昼の部までに12回の舞台が終っている。初日はお客さんが50人ほど入ってまずまずだったが、その後どうだったのだろう?連日客の入りが悪くて、島さんが頭を抱えていたらどうしよう?なんて心配になったのだった。
夕方6時半前に劇場に着く。入口の前の喫煙所で一服しようとすると、ちょうど島さんが中から出て来たので、声を掛ける。顔を見合わせると、なんだかニコニコしている。
「どう?」
「お蔭様で、思った以上にいい感じで……」
その一言を聞いてほっとする。
「良かったじゃない!」
島さん、ニコニコどころか、多少興奮気味で、結果報告。
「金土日とお客さんが結構入りましてね。で、きのうなんか平日の月曜じゃないですか。ガクッと減ると思ったら、それが昼夜の二回とも満員だったんですよ。なぜだか分んないですけど、もう驚いちゃって」
「ほー!きっと口コミで広がったんじゃない」
「そうでしょうかね。今日の昼の部はさすがに少なかったですけど」
「いやァ、そろそろ客の入りが悪くなるんじゃないかと思ってさ、心配になってまた観に来たんですよ」
「ありがとうございます。こないだなんか、終わりに挨拶したら、年配の方から『萬屋!』って声が掛かって、嬉しかった。鳥肌が立っちゃいました」
島さん、初日の後私がここに書いたこともちゃんとチェックしていて、お礼を言われる。及ばずながら少しは私も力になれたのかもしれない。
島さんから脚本演出の柿ノ木タケヲさんを紹介され、少し話す。柿ノ木さんは日大芸術学部演劇科の出身で、「ゲキバカ」という劇団を主宰しているとのこと。年齢は知らないが、多分30歳代の若い人である。「笑える芝居が書けるっていうのは大したもんですよ」と私が言うと、嬉しそうにしていた。
ホールに入場して、今日の夜の部はどうなんだろうと思って見ていると、お客さんがゾロゾロ入って来て、いつの間にか満員ではないか。最後列に急遽イスまで出している。当日券を買って入場するお客さんが私を含め十数人いたのだろう。
開演前に島さんから女優の芦田由夏さんを紹介される。由夏さんは名優芦田伸介さんのお孫さんで、俳優松山英太郎さんのお嬢さんである。松山英太郎さんは錦之助さんとも縁が深く、テレビや舞台で共演したが、若くして(四十代半ば)亡くなった方である。由夏さんは島さんの応援に駆けつけたとのこと。
さて、「纏若衆~木遣り唄~」をもう一度観た感想。
初日よりずっと良くなっていた。ところどころ工夫を加えていたし、スピーディになっていた。出演者の緊張も解け、セリフもスムーズに口をついて出るようになり、動作もしっかり身に付いて、テンポも良くなったのだろう。
なにしろ出演者がみんな上達しているのには驚いた。初日の感想で、まだ目が泳いでいる人がいると書いたが、今日観た限り、そんな人はいなかった。
とくに主役の木村延生くんが数段良くなっていた。きっと吹っ切れたのだろう。このくらいのオーバーアクションでいいのだ。初日はちょっと自信のなさが垣間見えたが、場数を踏んで自信が出て来たようだ。実は主役の木村くんのことを私は一番心配していた。初日は多分稽古疲れと緊張からだろうか、顔色も冴えず、このまま16公演も持つのだろうか、途中で倒れなければいいが、と思っていた。が、今日観て、そんな心配はなくなった。テンションの高さを保ち続けているし、みんなを引っ張っている感じになっていた。
ヒロインの梅本静香さんもずっとうまくなっていた。顔の向きも直っていたし、セリフも動作も自然になり、何よりも楽しそうに演じているのが良かった。
出演者全体のレベルが上ったためか、芝居にまとまりが生れてきたと感じた。
あと2日、残すは3公演だが、みんなこの調子でがんばってほしい。
夕方6時半前に劇場に着く。入口の前の喫煙所で一服しようとすると、ちょうど島さんが中から出て来たので、声を掛ける。顔を見合わせると、なんだかニコニコしている。
「どう?」
「お蔭様で、思った以上にいい感じで……」
その一言を聞いてほっとする。
「良かったじゃない!」
島さん、ニコニコどころか、多少興奮気味で、結果報告。
「金土日とお客さんが結構入りましてね。で、きのうなんか平日の月曜じゃないですか。ガクッと減ると思ったら、それが昼夜の二回とも満員だったんですよ。なぜだか分んないですけど、もう驚いちゃって」
「ほー!きっと口コミで広がったんじゃない」
「そうでしょうかね。今日の昼の部はさすがに少なかったですけど」
「いやァ、そろそろ客の入りが悪くなるんじゃないかと思ってさ、心配になってまた観に来たんですよ」
「ありがとうございます。こないだなんか、終わりに挨拶したら、年配の方から『萬屋!』って声が掛かって、嬉しかった。鳥肌が立っちゃいました」
島さん、初日の後私がここに書いたこともちゃんとチェックしていて、お礼を言われる。及ばずながら少しは私も力になれたのかもしれない。
島さんから脚本演出の柿ノ木タケヲさんを紹介され、少し話す。柿ノ木さんは日大芸術学部演劇科の出身で、「ゲキバカ」という劇団を主宰しているとのこと。年齢は知らないが、多分30歳代の若い人である。「笑える芝居が書けるっていうのは大したもんですよ」と私が言うと、嬉しそうにしていた。
ホールに入場して、今日の夜の部はどうなんだろうと思って見ていると、お客さんがゾロゾロ入って来て、いつの間にか満員ではないか。最後列に急遽イスまで出している。当日券を買って入場するお客さんが私を含め十数人いたのだろう。
開演前に島さんから女優の芦田由夏さんを紹介される。由夏さんは名優芦田伸介さんのお孫さんで、俳優松山英太郎さんのお嬢さんである。松山英太郎さんは錦之助さんとも縁が深く、テレビや舞台で共演したが、若くして(四十代半ば)亡くなった方である。由夏さんは島さんの応援に駆けつけたとのこと。
さて、「纏若衆~木遣り唄~」をもう一度観た感想。
初日よりずっと良くなっていた。ところどころ工夫を加えていたし、スピーディになっていた。出演者の緊張も解け、セリフもスムーズに口をついて出るようになり、動作もしっかり身に付いて、テンポも良くなったのだろう。
なにしろ出演者がみんな上達しているのには驚いた。初日の感想で、まだ目が泳いでいる人がいると書いたが、今日観た限り、そんな人はいなかった。
とくに主役の木村延生くんが数段良くなっていた。きっと吹っ切れたのだろう。このくらいのオーバーアクションでいいのだ。初日はちょっと自信のなさが垣間見えたが、場数を踏んで自信が出て来たようだ。実は主役の木村くんのことを私は一番心配していた。初日は多分稽古疲れと緊張からだろうか、顔色も冴えず、このまま16公演も持つのだろうか、途中で倒れなければいいが、と思っていた。が、今日観て、そんな心配はなくなった。テンションの高さを保ち続けているし、みんなを引っ張っている感じになっていた。
ヒロインの梅本静香さんもずっとうまくなっていた。顔の向きも直っていたし、セリフも動作も自然になり、何よりも楽しそうに演じているのが良かった。
出演者全体のレベルが上ったためか、芝居にまとまりが生れてきたと感じた。
あと2日、残すは3公演だが、みんなこの調子でがんばってほしい。