錦之助ざんまい

時代劇のスーパースター中村錦之助(萬屋錦之介)の出演した映画について、感想や監督・共演者のことなどを書いていきます。

錦ちゃんの映画

2011-06-29 08:33:02 | 錦之助ファン、雑記
 久しぶりに錦ちゃんの映画を観てきた。
 現在、渋谷のシネマヴェーラで加藤泰監督特集をやっているが、土曜日にちょうど『源氏九郎颯爽記 白狐二刀流』を上映していたので、夜9時からの最終回を観に行った。『白狐二刀流』は、約1年3ヶ月ぶりに観た。この作品は、2009年3月の錦之助映画祭りに際し、東映ビデオにお願いしてDVD化してもらい、ニュープリントにしたものだ。
 加藤泰監督のこの作品にはいささか不満もあるが、25歳のピチピチした錦ちゃんの美剣士をスクリーンでまた観ることができて楽しかった。



 7月2日からは神保町シアターで、『紅孔雀』5部作と『七つの誓い』3部作を上映する。前回の『笛吹童子』に続く「夏休み特別企画 昭和の子どもたちⅡ」と題する企画で、「新諸国物語」のパート2である。連日午前10時より1回のみの上映だが、なんとか早起きしてまた全部観ようと思っている。
 



 

渡部保子さんのこと

2011-06-26 01:22:39 | 錦之助ファン、雑記
 先週の金曜日、渋谷の桜ヶ丘の試写室で『極道めし』という新作映画を観た。観る前の予備知識は、ほぼゼロ。映画評論家の渡部保子さんのお供をして、飛び入りで会場へ入れてもらった。50名ほどしか入らない小さな試写室で、集った人は30名ほど。これで試写会といえるのだろうか。試写会というのは、新聞や雑誌の映画担当者や映画評論家などを招いて、新作を見せ、記事を書いて宣伝してもらうのが目的だと思うが、これではあまりにも寂しい。『極道めし』という映画も喜劇という触れ込みだったが、喜劇にあらず。笑える場面がほとんどない。面白かったのはオッパイプリンが出て来る真ん中の10分くらい。これでは、試写会を開いても逆効果であろう。面白い映画や感動する名作ならば、試写会を開く意味もあり、評判が波紋のように広がって、公開時までの宣伝効果も大きいと思うが、試写会で観た映画がつまらなければ、かえって前評判の悪さが観客動員の低下につながってしまうのではあるまいか。
 『極道めし』というこの映画、9月23日から一般公開ということだが、すでに試写を見せ、ホームページも作って予告編も流している。ずいぶん手回しが早い。試写から一般公開まで、3ヶ月も期間がある。以前ならこんなに間(ま)があくことはなかったと思うが、最近の新作映画はみなそうらしい。映画の完成から6ヶ月くらい経ってやっと一般公開されるのが普通なのだそうだ。昔と違って、新作映画の封切館が少ないため、順番待ちなのだろう。 

 映画を観た後、試写会に誘ってくださった渡部保子さんに付き合ってもらい、東急プラザ内の紀伊国屋書店へ行き「お宝村」のポップを担当者に渡して、書店営業は終了。そのあとは保子さんとデート。渋谷駅の反対側の宮益坂まで腕を組んで歩いたが、それは79歳の女性の足元を気遣ってのこと。彼女の行きつけの釜飯屋でビールを飲み小料理を食べながら、2時間ほどいろいろな話をした。

 渡部保子さんは、昭和28年に映画世界社に入り、月刊誌「映画ファン」の編集部員として多くの記事を書いて活躍された方である。当時としては珍しい美人女性編集者で、錦ちゃんを始め映画全盛期のスター達に直接取材し、彼らに好かれていたので、裏話もなにかと御存知。スター達との交流については保子さんの著書「『映画ファン』スタアの時代」に詳しい。第一章には、錦ちゃん、ひばりちゃん、裕ちゃん、橋蔵さんの順で、彼らとの秘話が語られている。



 保子さんは、昭和33年に日大芸術学部の同窓生で東映動画のキャメラマンになった杉山健児氏(8年前に逝去)と結婚し、お子さんが生れてからしばらくは主婦業に専念していた。が、映画への熱き思いは止みがたく、昭和50年代半ばから再び仕事に復帰し、婦人誌の編集者となり、さらに映画評論の分野で健筆をふるうようになった。また、「日本映画批評家大賞」(水野晴郎氏が創設)の選考委員となり、今年からは白井佳夫氏の後を継いで同賞の選考委員長を務めている。

 私が渡部保子さんと知り合ったのは、5年前の3月、錦友会で催した上映会の後のパーティだった。その後、私が編集制作していた会報に、「映画ファン」のイラストレーターだった直木久蓉氏が描いた錦ちゃんの似顔絵を使わせてもらうため、保子さんに時々連絡を取っていた。そして、一昨年の「錦之助映画祭り」の頃から、親しくお付き合いするようになった。上映会に何度も足を運んでくださり、私が編集した「にんじんくらぶの三大女優」に文章を寄せていただき、また、写真家の早田雄二氏が撮った「映画ファン」の表紙写真を使用できるよう仲介してくださったり、保子さんにはいろいろな協力を仰いでいる。

 昨年の第19回日本映画批評家大賞では、丘さとみさんがゴールデングローリー賞を受賞したが、その際、東京青山の会場に丘さんを引っ張り出すことに私が一役買わせてもらった。日本映画批評家大賞は、作品賞ほか監督賞、男優賞、女優賞など各種の賞があるが、それらの賞をもらうには当人が授賞式に出席することが条件なのだ。昨年の受賞者は錚々たる面々で、萩原健一、寺尾聡、石橋蓮司、ロミ・山田、薬師丸ひろ子、倍賞美津子、赤木春恵ほか、そこに丘さんが加わり、実に盛大であった。私は、自ら買って出て、この日だけ丘さんの付き人をやらせてもらった。丘さんが表彰された時のプレゼンテーターは、もちろん、丘さんとは昔馴染みの渡部保子さんであった。丘さんも、こうした晴れ舞台は久しぶりだったので、大変喜んでいらした。パーティの時、人見知りする丘さんが、寺尾聡さんのファンだと言うので、私が寺尾さんに頼んで(寺尾さんとは私も初対面だった)、丘さんとのツーショット写真を撮影した。



 今年の第20回日本批評家大賞は、東日本大震災の影響もあり、山梨県甲斐市で5月28日に開催された。今回は、渡部保子さんが選考委員長でもあり、また私が親しくしている脚本家の石森史郎さんがエメラルド賞を受賞されるというので、私もお祝いに駆けつける予定だった。が、新刊書「お宝村」の制作が追い込みで、無理を重ねたため、体調を崩してしまい、参加できなかった。本当に残念だった。

 話は戻るが、渋谷の釜飯屋で、保子さんから、今回の日本映画批評家大賞の授賞式の話をいろいろ伺った。それと、錦ちゃんの恋人の話。祇園の舞妓さんのこと、ひばりちゃんとのことなど。錦ちゃんの周りには、他にもいろいろな女性がいたとのことだが、年代によってその移り変わりがあり、有馬さんとアツアツになってからは過去の女性はみんな整理したようである。錦ちゃんもすみに置けない。




雑感

2011-06-23 04:15:38 | 錦之助ファン、雑記

 新刊「お宝村」の書店営業がようやく終わりそうで、少しずつ自分の時間が持てるようになってきた。 今週は、ポップを50枚ほど作って、平積みにして販売してもらっている書店へ配っている。今日は、市ヶ谷の文教堂、秋葉原の有隣堂と書泉ブックタワー、御徒町の明正堂、北千住のブックファーストと紀伊国屋を回ってきた。なにしろ暑かった。気温30度はあったと思う。 

 今のところ、本の売れ行きはボチボチである。一番売れているのは神田神保町の東京堂本店で、10冊積んであった本が4冊売れた。客層も本に合っている上に、置かれている場所が良いからだ。レジ前の話題書コーナーで人目につく。やはり、本は置き場で売れ行きが相当違う。 「お宝村」というこの本、幸い、書店の受けは良い。あちこちの書店で、3冊、5冊、10冊と注文がもらえる。一番多いところで20冊注文をくれた書店がある。神保町の東京堂ふくろう店とジュンク堂大阪本店である。本のタイトルは「東京都ガラクタ区お宝村」であるにもかかわらず、大阪のジュンク堂で売れるのかなあ、と思う。

 現在のところ、東京首都圏の150店ほどに約800冊配本し、地方都市の大書店100店へ約300冊配本した。地方では、ジュンク堂はほぼ全店、紀伊国屋は三分の一くらいか。 本は3000冊作ったので、書店へ1200冊配本したら、しばらく様子を見ようと思っている。マスコミが取り上げれば別だが、今のところ全国で一日10冊売れれば良いかなと、だんだん弱気になってきた。

 ネット書店では、アマゾンでやっと買えるようになったが、先週からいかがわしい出品者が新品同様のこの本に5000円以上の値を付けて、売りに出していたので、私は相当頭に来ていた。アマゾンにこういう業者は摘発するようにメールも送ったし、問屋(大阪屋)にも早く販売できるように改善せよと指示を出していたのだが、今日はさすがに私の怒りが爆発してしまった。問屋に電話して、若い担当者ではラチがあかないので責任者を引っ張り出し、怒鳴りまくったので、ようやく解決の方法を得た。そのためか、変な出品者は消えた。(もしかすると高額で誰かが買ったのかもしれない。)が、今でもまだアマゾンの表示が「一時的に在庫切れ、入荷時期は未定です」になっているが、アマゾンに在庫があるように本を納品したので、来週早々にはすぐに買えるようになるはずである。

 話は変わるが、今日は書店回りを終えた夕方、荒川区にある古本屋さんへ行ってきた。田坂具隆監督の戦前作品の貴重なスチール写真数百枚をもう一年も購入予約しているからだ。なにしろ金額が張るし(約70万円)、田坂監督の本もずっと制作しようと思っているのだが、なかなかはかどらないので、予約を延期してもらうよう頼みに行った次第。 明日(もう今日だが)は、映画評論家の渡部保子さんに誘われて、新作映画の試写会へ行く。昼に渋谷で待ち合わせるが、その前に渋谷の紀伊国屋へポップを持って行く予定。

 


ご無沙汰していました。

2011-06-08 01:24:14 | 錦之助ファン、雑記
 4月の半ばから約50日間、ずっと新刊本の編集制作をやっていた。錦ちゃんとはまったく関係ない本で、ガラクタ屋さんの本である。
 4月に行った錦之助映画ファンの会のパーティに出席された方は、土曜日に錦ちゃんのブロマイドなどを売っていた中年男性を見かけたと思うが、あの人のエッセイ&写真集で、タイトルは「東京都ガラクタ区お宝村」。 先週の金曜日に印刷所に入稿したので、今週金曜日には出来上がる。
 このところ、映画の本ばかり発行していたので、ずっと赤字続きで、なんとかしなければと思っていた。今度の本は一般向きで、もしかすると売れるかもしれない。昭和のレトロといった内容である。
 表紙と宣伝用のコピーだけ以下に紹介しておく。今月20日には主に東京首都圏で発売になるので、錦ちゃんとは全く関係ないが、興味のある方は大きな書店でぜひ問い合わせていただきい。ネット書店でも販売する。
 今週から私は書店営業をやっている。注文とりである。これも6月中にはひと段落するので、それから「青春二十一 第二巻」の編集を開始する予定。

<宣伝コピー>
 東京の古い家や店には、ガラクタに埋もれて、お宝が埋まっている。
 二十年間東京中を歩き回り、数々の珍品・お宝を掘り出して来た古物商のドキュメント。譲ってくれた持ち主たちへの感謝を込めて、いよいよ発刊!
 全ページ・カラー版。著者が撮った写真300枚掲載。定価:1600円(税別)