この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

とにかく映像が素晴らしかった『海獣の子供』。

2019-06-08 23:37:13 | 新作映画
 渡辺歩監督、芦田愛菜主演、『海獣の子供』、6/8、Tジョイ久留米にて鑑賞。2019年24本。


 自分が映画を評価するときの第一のポイントは何といっても脚本です。
 その場の勢いとノリだけで作られたような映画であっても傑作は多くありますが、自分は計算され、よく練られた脚本の作品の方が好きですね。
 なので今年のNo.1ムービーは『マロ―ボーン家の掟』です。

 とはいえ、映画は何といっても「画を映す」というぐらいですから、「画」がどうでもいいとは思っていません。
 「画」は大事です。
 大事ですが、「画」の力だけで観る者を引き付けて離さない作品というのもそうはないだろうとも思っていました。
 何といっても映画の上映時間はおよそ二時間で、それだけの長さの時間を映像の力だけで引き付けるのは難しいと考えられるからです。
 しかし本作はまさにそういう映画でした。
 とにかく映像が素晴らしかったです。

 正直お話としてはどうかとは思いました。
 本作のタイトルにもある「海獣」はジュゴンを指すのですが、本作にはジュゴンに育てられた兄弟が出てきます。
 ジュゴンに育てられた?
 ジュゴンは比較的人間になつきやすいという話は聞いたことがありますが、人間を育てられるほど知能が高いとは思えません。
 仮にある程度意思疎通が出来たとしても食事はどうやって?
 それにジュゴンに育てられたのに兄弟たちが人語を理解するのはなぜ?
 疑問は尽きず、映画はその疑問に答えてはくれません。

 しかしそういったことがどうでもいいと思えるぐらいにとにかく画が美しいのです。
 単純に画の美しさだけでいえば、ここ10年で観た映画の中で断トツで1位です。
 比べるのもなんですが、後期のジブリ映画が手抜きに見えるですね。

 そんなわけで本作のお薦めポイントはそれこそ映像の美しさしかない(といってもいいぐらいな)ので、物語を重視する人にはあまり薦められませんが、美しい映像を観てみたいという人は必見かと思います。


 お気に入り度★★★★、お薦め度★★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
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