この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

一年の締め括りに相応しかった『かがみの孤城』。

2023-01-03 13:40:54 | 新作映画
 辻村深月原作、原恵一監督、『かがみの孤城』、12/31、イオンシネマ筑紫野にて鑑賞(ACチケットBC1②にて鑑賞料金1000円)。2022年54本目。

 2022年は『真・事故物件パート2/全滅』で映画の見納めにするつもりでした。
 一年の締め括りにホラー映画を観るのも自分らしいんじゃないかって思ったんですよね。
 しかしこれが本当にひどくて、こんなクソ映画を締め括りにするわけにはいかぁあああん!!と思って急遽評判がよかった『かがみの孤城』を観に行くことにしました。
 つまり、当初は『かがみの孤城』を観に行くつもりはなかったってことです。

 自分には現在新刊が出たら無条件に購入するコンプリート作家が三人います。
 乙一、伊坂幸太郎、森見登美彦の三人です。
 しかしその三人に加え、辻村深月もその地位にいたことがありました。
 彼女のデビュー作『冷たい校舎の時は止まる』はすごく好きでした。
 ただ、デビューから時が経つにつれてだんだんと合わなくなり、直木賞を受賞した『鍵のない夢を見る』は全然合わないなと思って以後新刊の購入を止めてしまいました。
 自分が見限った作家が原作を手掛ける映画ってやっぱり観に行きにくいんですよね。
 今さら自分に観る資格があるのだろうかって思いますし。
 でも観に行ってよかったです。
 本当に面白かった!!
 そういった意味では『真・事故物件パート2/全滅』に感謝しなくちゃいけませんね。笑。

 いじめによって学校に居場所を無くしたヒロインが鏡の中のあるお城に入り込み、そこで狼の仮面をかぶった少女から6人の仲間と共に鍵を探すミッションを科せられる、というお話です。
 原作があるからでしょうか、お話がちゃんとしてるんですよ。
 登場人物の一人一人に性格付けがされていて、行動や展開に不自然さはなく、最後にはきちんと伏線が回収され、鑑賞後、心地よい感動に包まれます。
 映画とはこうあるべきだというお手本みたいな作品です。
 謎の一つが早々とわかってしまうかな?
 でもそれも作品の大きな瑕だとは思えません。

 いじめや不登校が作品のテーマとなっているので、現在そのことで悩んでいる人、そして教育関係者の方に鑑賞をお薦めします。

 お気に入り度★★★★☆、お薦め度★★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
コメント (8)
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