この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

これは面白かった!伊坂幸太郎著『死神の浮力』。

2013-10-21 21:17:55 | 読書
 この前に読んだ『Arknoah 1 僕のつくった怪物』がやたら読むのに時間がかかって、あぁ、俺もすっかり本を読むのが遅くなった、そろそろ現役を引退することも考えなくっちゃなぁ、なんて思ったりもしたのですが(何の現役だ)、『死神の浮力』はサクッと読めちゃいました。
 やっぱり(ある程度は)読むスピードと本の面白さは比例するみたいです。

 面白くはあったんですが、小さい子どもさんを持つ親御には薦められないかな。何しろ、幼い一人娘を殺された両親が犯人であるサイコパスに復讐しようとするお話なので。

 フツーに考えて、一人娘を殺された両親の復讐譚なんて陰鬱で、重苦しい話になりそうなんですが、そこは伊坂幸太郎、実にユーモラスな作品に仕上がっています。
 そのためのスパイスが死神である千葉の存在なのですが、どこかピントがずれた千葉の言動、行動がすべておかしいんですよね。
 特にクライマックスでの千葉の疾走は想像するだけでプッと笑いがこみ上げてきそうになります。

 実は自分は映画にもなった前作『死神の精度』の面白さがイマイチわからなくて、読みかけの本もあり、給料日前ということもあって、本書は発売日当日の購入を見送ったんですよね。
 その後、給料が出た後に改めてツタヤに出向いて購入したのですが、それはミスでした。
 きちんと発売日に買っておけばよかった。
 おかげで手元にある『死神の浮力』は初版じゃなくて第三版だよ、、、まぁ初版でも第三版でも面白さは変わらないけどね。

 一時期、実験的な作品ばかり執筆するようになって、こりゃとてもついていけないぞと思ったこともあったのですが、最近はエンターティメント性の高い作品を書くようになってくれて、一ファンとしては嬉しい限りです。
 次回作もこんな感じの作品だといいなぁ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする