この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

病院へ祖母の見舞いに行く。

2007-03-11 23:47:41 | 日常
 病院へ祖母の見舞いに行く。
 早く死んじゃえばいいのに、そう思う。
 だが自分は別に祖母のことを嫌っちゃいない。まして憎んでいるというわけでもないし、祖母が死んだら大金が懐に転がり込んでくるっていう話でもない。
 祖母は寝たきりだ。
 一人では寝返りもろくに打てない。
 元々一人暮らしだったのだが、いろいろと事情があって今では完全介護の病院に預かってもらっている。
 だがどの病院も三ヶ月で退院しなければならない。
 説明されても自分の頭ではよくわからなかったのだが、ともかくそういう決まりらしい。
 何なんだろうね、って思う。
 寝たきりの老人を三ヶ月ごとにたらい回しにする病院って。いや、病院っていうよりは行政か。まぁ引いては自分たちの責任か。
 祖母は孫である自分の名前を覚えていた。
 大きくなったねぇ、○○ちゃん。
 いや、ばあちゃん、自分の背は高校を卒業した頃から伸びちゃいないよ。
 祖母は孫の名前は覚えていたのに娘であるお袋の名前は間違えていた。
 キミちゃんって誰だよ、ばあちゃん。
 祖母の皺ばんだ枯れ枝のような右腕は案外力強くて、握った自分の手を離さなかった。
 とても余命一ヶ月と宣告されているとは思えない。
 元気でね、また来るね、そういって病室を後にする。
 祖母はあと一体何回転院するのだろう、転院出来るのだろう、病院からの帰途、そんなことを思った。
コメント (7)
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