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ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

読書ノート 堤未果 著 「貧困大国アメリカ」 岩波新書

2009年01月13日 | 書評
金融資本支配のアメリカ式格差社会の行き着く先 第4回

「暮らしー格差貧困・災害対策の民営化」 (1)

 アメリカンドリームとアメリカのイメージそのものであった幸せな中流家庭は何処からおかしくなったのだろう。それはニクソン大統領からロナルド・レーガン大統領に代わったときからである。福祉国家から小さい政府をめざす効率優先の新自由主義(市場原理主義)政策に変化し、企業への規制を廃止・緩和し、法人税をさげ社会保障費を削減した。その結果年収220万円以下の貧困人口は1970年代に較べて急増し、3650万人、貧困率は12.3%となった。18歳未満の「貧困児童」も17.6%に増加した。その児童のために「無料ー割引給食プログラム」が実施されているが、人種別の受給有資格者児童の割合は、白人で24%、黒人で70%、ヒスパニックで73%、アジア系33%、アメリカ原住民で65%が有資格者である。この給食制度は貧困児童の食を満たすという点ではまことによい制度であるが、また貧困成人の食のための「フードスタンプ」発行制度で受給している人口は2006年度で2619万人、ワーキングプア-人口は3650万人(アメリカ人口は約3億人)である。皮肉な事に貧困と肥満が相関している。安く食を確保するため食事内容がお粗末になり油で揚げた「ジャンクフード」中心になっているためと思われる。120兆円といわれる食品産業が貧困層をターゲットに高カロリー食品で利益を上げている。貧困層は自分家庭で調理する事は少なく、ジャンクフード、ファーストフード(日本で言えばカップヌードル)に依存している。経済的弱者は見かけのの高カロリー食品で肥満になっている。貧困と肥満が同義語になっている。




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