ブログ 「ごまめの歯軋り」

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小林秀雄全集第6巻 私小説論より「新人Xへ」

2006年11月30日 | 書評
新人Xへ

私小説論の結論からこの「新人論」がはじまる。当時の若者の悲劇は「告白に堪えないだけの君の生活は文学的表現に適さぬほど充分に壊れている。」にある。ではどのような活路が残されているのか小林氏は極めて冷淡に突っ放す。「純文学から通俗小説に逃げるかい、一切の文学は面白いだけが能なのさ、あるがままのリアリティだけが面白いのさ、映画やラジオに勝てるかい、材料になる僕らの生活自体がみじめなのさ。」という風に小林氏は私小説・純文学に引導を渡した。小林氏が日本の文藝批評を停止するのも間近い。


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