アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
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沖縄「米軍・自衛隊一体化」とのたたかい正念場

2019年01月05日 | 沖縄と基地

     

 <米軍 沖縄に対艦ミサイル 対中抑止 自衛隊に訓練打診
 3日付産経新聞1面トップの見出しです。
 「米軍が、地上から艦艇を攻撃するミサイルを沖縄県に展開させる初の訓練を平成31年に行う方針を自衛隊に伝えてきていることが2日、分かった」

  中国の艦艇を攻撃するミサイルを沖縄に展開する訓練をする、つまり沖縄を戦争に巻き込み戦場化する訓練を公然と行うというわけです。記事はさらにこう続きます。

 「米軍は将来的には(対艦ミサイルの-引用者)展開に合わせて、自衛隊との共同訓練も行いたい意向だ」
 「米軍は陸上自衛隊の地対艦ミサイル部隊との連携による共同対処能力を強化することも重視している」
 「米軍は30年7月、米ハワイでの環太平洋合同演習(リムパック)で陸自の12式地対艦ミサイルと米陸軍のハイマース(高機動ロケット砲―引用者)を投入した初の共同対艦戦闘訓練を行っており、次のステップとして中国の眼前で共同訓練を実施することを視野に計画を進める

 安倍政権が昨年末に閣議決定した「防衛大綱・中期防」は、新型ミサイル「島嶼防衛用高速滑空弾」の沖縄配備を明記しました。「島嶼防衛用滑空弾は、石垣島や宮古島に配備される地対艦、地対空ミサイル部隊と合わせて運用されるだろう」(井筒高雄ベテランズ・フォー・ピース・ジャパン代表、12月19日付沖縄タイムス)とみられており、石垣、宮古をはじめ沖縄を「対中国」のミサイル基地にする構想です。

 産経新聞の記事は、安倍政権によるこうした沖縄のミサイル基地化が、米軍と自衛隊一体化の下で、米軍の対中国戦略に基づいて推進されるものであることを示しています。
 米軍と自衛隊の一体化は、いよいよ実戦を想定した危険な段階に入ろうとしています。

 こうした米軍・自衛隊一体化とたたかうためには、辺野古新基地阻止をはじめとする米軍基地撤去と、石垣・宮古などへの自衛隊配備強化反対を一体化させることが不可欠です。

 ところが玉城デニー沖縄県知事は、昨年12月21日、航空自衛隊南西方面隊の上ノ谷寛司令官が就任あいさつに訪れた際、「自衛隊は領土、領空、領海を守ってくれているという認識が県民にも広がっている」(12月25日付琉球新報、写真右)と述べて「県民」の名で自衛隊を賛美し、石垣・宮古の自衛隊配備強化に反対している市民の足を引っ張りました。

 また、琉球新報の新春インタビュー(1日付)で玉城氏は、自衛隊配備問題には一言もふれませんでした。
 沖縄タイムスの新春インタビュー(1日付)では、「宮古、八重山への自衛隊配備に反対か」との質問に、「辺野古移設と先島の自衛隊配備が同時に進むことで、沖縄の基地負担がさらに過重になると不安をもっている人も少なくない。スケジュールありきで強行配備すべきではない」と、まるで他人事のように述べ、“十分説明すべきだ”とする事実上の容認論を繰り返しました。

 米軍と自衛隊の一体化は、たんなる「過重な基地負担」ではなく、沖縄がアメリカの戦争に巻き込まれ再び戦場になるかどうかの重大問題です。

 玉城知事に明確な反対姿勢を要求するとともに、「米軍・自衛隊一体化阻止、石垣、宮古など沖縄への自衛隊配備強化反対」の声を「本土」から強めていかねばなりません。

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