アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
  人権・平和・民主主義・生き方を考える。
   

病床日記13★日米軍事同盟(安保条約体制)の総翼賛化

2021年09月25日 | 日記・エッセイ・コラム

<9月25日(入院18日目、術後12日目)>

 手術で切除した患部の検査結果が、まだ送られてこないそうだ。連休のせいだろうと。
 そのため「ステージ」や今後の治療方針は未定。
 退院(来週前半)後に、知らされ、今後のことを話し合うことになるかもしれない。

★日米軍事同盟(安保条約体制)の総翼賛化

 立憲民主党が24日、総選挙へ向けた安保・外交政策を発表した。
 その基本は、「日米同盟を基軸とした現実的な外交・安全保障」である。

 「日米同盟」とは安保条約に基づく日米軍事同盟であり、それを「基軸」とするのは、自民党の結党以来の根本テーゼであり、日本をここまで廃退させた諸悪の根源である。

 立憲民主はそれと同じ道を進むと公然と打ち上げた。
 これは立憲民主の持論であり、驚くに値しないが、はやり黙って見過ごすことはできない。

 会見した枝野幸男代表は、さらにこうも言った。

「外交安全保障には継続性が重要だ。安倍・菅政権の9年近くの間に壊されてきたものを、従来の我が国の外交安全保障の王道に戻す」(24日朝日新聞デジタル)

 これは驚くべき発言だ。
 戦争法(安保法)はじめ安倍・菅政治の害悪は言うまでもない。しかし、ではそれ以前は良かったのかといえば、決してそうでないことは明白だ。

 中東へ自衛隊を派遣したのは小泉純一郎政権であり、沖縄・普天間基地の代替に辺野古新基地建設のレールを敷いたのは橋本龍太郎政権である。それだけをとっても、その害悪は安倍政権と大同小異だ。
 当然だ。日米軍事同盟を基軸とした同じ自民党政権なのだから。

 ところが立憲民主はそれを「王道」とし、そこへ「戻す」という。これは、同党の安保・外交政策は自民党と変わらない、いや、変えなと強調しそれを公約にしていることに他ならない。

 これが「野党第1党」の実像である。

 日本維新は言うに及ばず、国民民主が立憲民主よりさらに自民に近いことは言うまでもない。

 問題は日本共産党だ。

 共産党は公式には「日米安保条約廃棄」の政策を降ろしていない。しかし、選挙戦や日常の宣伝活動で、それを強調することはない。大雑把に言って1980年代から急速になくなった。

 なぜか。「野党共闘」のためである。

 立憲民主(前身の民主党)やその支持基盤の連合、さらに国民民主が、共産党の「日米安保廃棄」政策を目の敵にし、それがある限り「連立政権」はありえないとけん制し続けている。

 共産党はこうした連中との「野党共闘」「連立政権」志向を優先し、政策の要中の要である「日米安保条約廃棄」の旗を事実上降ろしているのである。

 こうして、日本の政党で「日米軍事同盟=安保条約体制廃棄」を主張し運動化する政党は皆無となった。
 日本の国会は、日米軍事同盟=安保条約体制総翼賛化の場と化している。

 これが、日本の政治の根源的で致命的な病巣である。


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