読書って楽しいね♪

好きな作家は東野圭吾さん☆他の作家さんのもいろいろ読んで感想を書いていきたいと思います♪

森沢明夫「あなたへ」~妻が残した2通の遺言書。1通は妻の故郷の郵便局留。妻が仕掛けた人生最後のゲームとは?!

2020-02-09 03:11:01 | 
森沢明夫「あなたへ」読み終わりました。


森沢さんの作品はいつも

これからの指針になるような

いい言葉を私にくれます


今回も


他人と過去は変えられないけれど、自分と未来は変えられる


人生に賞味期限はない


そんな言葉が


ガツーンとここにきました



亡き妻が言っていた言葉として


倉島から発せられる言葉たち



それが倉島と出会う人たちの


人生も変えていく



無口で無骨な倉島


刑務所の作業技官を務める


妻の洋子は


セミプロ歌手として歌を歌い


読書家でもあった。


そんな正反対の夫婦


洋子が癌で亡くなり


倉島は妻が託したNPO法人の人から


遺書を受け取る。


1通はその場で渡され


もう1通は投函され


妻の故郷の長崎の薄香の郵便局留めで


12日間の間に受け取る


という期限付きだという。


それを過ぎれば倉島の手に渡らぬまま破棄されてしまう。。



それを知った倉島は


妻の意図が分からずにいた。



受け取った1通には



わたしの遺骨は、故郷の海にまいてください


たったそれだけが書かれていた。



妻の残したもう1通の遺書


そこには何が書かれているのか



妻のために購入した車


それをキャンピングカーに改造し


一緒に旅するはずだった。



それに1度も乗れぬまま逝った妻



倉島は妻の遺骨とともに


キャンピングカーで妻の故郷へ向かう



道中に出会う


青森刑務所で教えていた杉野との再会


そして


杉野から教えられた山頭火の言葉たち



いかめしを売る田宮や南原


それぞれが抱える苦悩。。



倉島が送る妻の言葉


自分と未来は変えられる



それに変えられていく



妻の故郷で出会う


温かい人たち


そこにもいろんな事情があった



妻が仕掛けた


人生最後のゲーム



そこには


夫への愛情が詰まっていた



「洋子」


「あなた」


そう呼びあう2人



その幸福感は


ずっと2人の間で続いていくのだろう。



そう思えるエンディングでした。



こんなに相手を思い合える相手


そんな人に巡り合えたことって素敵だよなぁ



それもよかろう草が咲いている


山頭火のこの言葉もステキだったなぁ。


それでいいんだよ。


そう自分を肯定してくれるようで


心がホッとする。


森沢さんの作品を読むと


幸せな気持ちになれる


ありがとうございます。


そう感謝の言葉を言いたくなる。


唯一無二の2人の愛情


あなたも幸せな気持ちに包まれてみませんか







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山本甲士「ひかりの魔女~にゅうめんの巻」~姉さんかぶり・作務衣・割烹着・地下足袋のひかりおばあちゃんは幸せの魔法使い☆

2020-02-07 02:59:43 | 
山本甲士「ひかりの魔女~にゅうめんの巻」読み終わりました。


表紙が1作目と同じだったので

これが続編だと最初は気づきませんでした。


よくよく見ると


「にゅうめんの巻」とあって・・


あ~続編なんだなぁって






手拭いを姉さんかぶりにして


作務衣の上に割烹着


地下足袋を履いた80歳後半のおばあちゃん



それが主人公の「真崎ひかり」さん



格好は独特でも


顔はいつも柔和な笑顔



このひかりさんが


幸せの魔法でみんなを笑顔にしていく



それがこのお話です。



祖父から継いだ喫茶店が繁盛せず

接客に向いていないと思っていた結衣


しかし

ひかりさんが亡き祖父の知り合いで

お線香を上げに来店した日から・・


寂れた喫茶店が

輝きだす


そして


自分に自信のなかった結衣の才能を


引き出してくれる



会社社長を追われてしまった東郷


何事も人のせいにしやさぐれていた。。


そこに家政婦のピンチヒッターで来た


ひかりさんの


オコゲ入りの塩むすび

いわしのぬかみそ炊き

しょうがの糠漬け



それを食べて変わっていく


考え方までも!



金属部品を扱う田野上工業は


倒産寸前だった。


しかし


犬の散歩途中のひかりさんが

工場の軒下で雨宿りしたことで・・


田野上夫妻に運が向いてくる


不仲だった妹夫妻と協力することに?!




ラーメン屋を負債を抱えたたむことになった湯崎


ヤミ金に追われ


妻とも偽装離婚することに。


娘にもしばらく会えず


住むところも失くし車中泊をしていた。



ある日


自転車で転んだ主婦を助ける。


それがひかりさんの嫁だったことから


湯崎はひかりさんによって


職と寝床を手にすることに



ひかりさんに関われば


みんなが笑顔になる


昔の恩をいつまでも忘れずにひかりさんを慕う生徒たち


この人たちもひかりさんの教えで


困った人を助けることに協力してくれる。



「先生の恩人は自分の恩人」だと。


人のいいところを褒め


それがいつしか


その人の自信につながり


笑顔になっていく


そして


誰もがひかりさんを尊敬する



コレを読めば誰もがひかり信者になる事間違いなし!



そういう私も


ひかりさんが実践している


立禅を始めました。



両足を開きちょっと内またにして腰を落とす


かかとを少し上げ


両手は肩より少し下で指を開き大きなボールを抱えるように


鼻から息をゆっくり吸い


口から細く長く吐く



これを10分出来るのが目標です。


まだ3分しかできない。。


ひかりさんは30分出来るのだとか!!


スゴイっ



自分の身の丈にあった生活をすること


人と関わることの大切さ



そういうことも学びました



ひかりさん!ありがとう!



ひかりさんに関われば誰もがそう言ってしまう。



読み終わると幸せな気持ちになる


あなたもきっと












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村山由佳「風は西から」~お互いを愛しすぎて行き違ってしまった心。。健介を奪った巨大な闇と千秋は戦う!~

2020-02-02 03:15:34 | 
村山由佳「風は西から」読み終わりました。


前半は

千秋の健介への愛に圧倒され


そして


後半は


千秋が


巨大な闇と戦う



その強さに圧倒される!!



いや・・


千秋は決して強い訳じゃない。


だけど


健介への


千秋を突き動かしていったのだろう。



そして


後悔。。


あのとき


こうしていれば。。



千秋も健介も


お互いに対する強い愛情を持っていた



だからこそ・・


すれ違ってしまったのかも知れない。



もっと


千秋が我儘を言っていれば。。


健介が千秋に弱みを見せていたら。。



愛しているからこそ


相手のことを思っているからこそ


言えなかった言葉たち。。


行動。。



なんかこちらも読んでいて


切なくなる。


自分に置き換える。。


自分だったら


どうしただろう?



実家の居酒屋を継ごうと思っていた健介



そのために大手の居酒屋「山背」に就職が決まり


頑張って修行して


実家の店を大きくしたい!


そう考えていた。


なのに。。


頑張っても・・頑張っても・・


認めてもらえず


自分を否定され続け。。


自分より人のことを考え


自分はボロボロになっていく健介。。



誰にも相談できず・・


恋人の千秋にも弱みを見せられなかった。


健介は千秋を愛し尊敬していた。



だからこそ明かせなかった真実。。



健介の最後に見た景色とは


どんなものだったのだろう



カリスマ的な存在の山背の社長


山岡誠一郎


この男に酔心していた健介



そして


この男のやり方に殺された健介



千秋の怒りはまっすぐにこの男に向かう



何があっても折れない心



窓から腕を突き出し


こぶしを空に突きあげ歌った



明日へ突っ走れ

未來へ突っ走れ

魂で走れ

明日はもっといいぜ

未來ずっといいぜ

魂でいこうぜ



健介の大好きな奥田民生の「風は西から」



あの日の楽しかった時間



千秋は


健介を思い続けるのだろう。



人は


愛する人のためだと


こんなにも強くなれるんだなぁ。



そして


健介のような働き方で


破滅させられてしまう。。


そんな人がいないように


それを切に願う。



読んでいて自分が痛めつけられたような


そんな感覚を覚えて


辛かった。。



でも


最後はなんだか爽やかな気持ちになれたのは


やっぱり


風は西からのおかげかな






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