宮部みゆき「英雄の書 下」読み終わりました☆
ちょいネタバレしてます↓
同級生の「乾みちる」をいじめから救うため、
立ち上がった森崎大樹(ひろき)。
しかし!
いつの間にか、
そのいじめの標的は、
大樹になっていた!!
強くなりたい!!!!
そんな思いの強さから、
叔父の家の図書室で見つけた「エルムの書」を持ち出し、
英雄「黄衣の王」に魅せられ
大樹は器となり、
黄衣の王を破獄させてしまう!!
大樹は、
黄衣の王に憑かれ
大樹をいじめていた同級生をナイフで刺し、
一人は死亡。一人は重傷。という事件を起こしてしまう。
そして、
大樹は姿を消してしまう。
そんな兄を探し出し、連れ戻すため、
大樹の妹「友理子」は「印を戴く者」=オルキャスト=ユーリとなり、
旅をする事になる。
兄がなぜそんなことをしてしまったのか?
その理由を探して、
ユーリは兄の学校にいき、
図書室の窓から自殺を図ろうとしていた「みちる」と出会う。
ユーリはそれを阻止し、
自分を「本の精」と偽り、
みちるからそのいきさつを聞く。
そして、
兄、「大樹」がみちるを救ったことを知る。
そんな時、
現れた・・
謎の怪物!!
それからユーリ・従者の「ソラ」「アジュ」を救ってくれたのが、
狼(「エルムの書」を探して狩りをしている者)アッシュだった!!
アッシュは、
従者の「ソラ」に初めから冷たかった。
それは、
「ソラ」の正体を知っていたからだった。
しかし、
それを知らないユーリはアッシュから「ソラ」をかばう。
アッシュは「ソラ」を非難するものの(ユーリはその理由がわからない)
ユーリと一緒に旅をする事になる。
狼は勇者の書についての知識を持っているので、
オルキャスト ユーリの力に必ずなるという。
ユーリ・アジュ・ソラ・アッシュ4人での旅が始まる。
その旅は、
ユーリにとって、
結果辛いたびになる!!
アッシュはそのことを知っていた。
そして、
無名の地から送り出した「大僧正」も。
旅の途中で出会う、
アッシュとかかわりのある者は、
みんななぜか、
ユーリの旅に同情的であった。
そして・・
なぜかみな、
「ソラ」をみて驚くのであった。
何も知らぬユーリは、
時として、
小学5年生の普通の女の子に戻ってしまう。
そんなユーリを、
アッシュは、
叱ったリなだめたりしていた☆
一見冷たいアッシュ。
しかし、
それがユーリを、
オルキャスト ユーリに育ててゆく!!
この物語のキーになるのは、
「ソラ」の正体!!
ユーリ以外の者はみなこの正体に気づいている。
後で知ると、
「なるほど!」とうなづける。
ユーリの戦いの旅は、
無名の地を出発するときから辛い結果になる事が判っていた。
送り出した、
大僧正も「虚ろの書」(英雄が破獄した空の書)の表紙に「印」がないことから気づいていたのである。
それでもなお、
ユーリを送り出さねばならなかった。
そして、
従者に「ソラ」をつけた・・
その意味。
結末は、
友理子にとって辛いものだった。
自分の旅が、
無意味だったのでは?!
そんな事を思ってしまう。。
でも、
それは決して無意味な事なんかじゃなった。
結果、
友理子は兄を救ったことになった☆
最初に思っていた結果とは違うものだったけど、
それは意味のある事だった。
旅を終えた友理子は、
もう、
前の、兄を頼りにしている「チビ友理」ではなくなっていた。
成長した友理子がそこにいた。
そして、
いろんなことを学んだ旅だった。
一は万。万は一。
ひとつの罪を許せば、
大きな戦になる。
大きな戦は、
一人の戦いから始まる。
人は弱いもの。
ときに感情に流され・・
ひとつの考えにとらわれ・・
足元をすくわれる。
誰もが「咎人」(罪を犯した人)になりうる。
それを心しておかなければならないと思った。
そして、
人は時として本意ではないこともしなければならないときがある。
結果がわかっていてもあえて戦わなければならないときがある。
そんなことを考えさせられました。
最初にこれを読み始めたとき、
難しい言葉が多くて理解できるんだろうか?
と思いました。
だけど、
読み終わってみると、
頭で考えるよりも、
心が読み取っていって読み終わった後は、
頭の霧が晴れたようなそんな気持ちになりました。
とっても・・
深いなぁ。。
私もいろんなことを教わった気持ちです。