北森鴻の遺作となった「うさぎ幻化行」読み終わりました☆
コレは図書館で借りました。
読んで初めて、
コレが遺作となってしまったことを知りました。
それを踏まえたうえで読んだので、
著者がこの作品をどんな気持ちで書いたのか?
そんなことが頭を何度もよぎりました。
北森鴻さんは急死だったそうなので、
コレを書いていたとき、
特に思いいれというのはなかったとは思います。
けど、
そう思いながら読んでみると・・
なにか予感めいたものを感じてしまうのは、
私がそれを知っているせいでしょうか?
この作品中、
すごく気になる言葉が出てきます。
それは、
『縁(えにし)』という言葉です
縁あるもの同士ならば、
たとえ万里の距離を隔てようとも必ず出会うことができる。
逆に縁無きものたちは、
数歩離れた場所ですれ違っても、
互いに気づくことさえなく離れてゆく。
なるほどなぁ。
ホントにそうだと思う。
そういう意味では、
私が「北森鴻」という作家を知って、
作品を読んで、
惹かれたのは・・
やはり、
『縁』
そんな風に思ってしまいます。
作品を読んで・・
亡くなっていることを知って、
ますます作品を読んでみたくなり、
現在それは進行中です。
「縁」とはホントに不思議なものです
この「うさぎ幻化行」には、
2人の女「うさぎ」が出てきます
リツ子の義兄、
正確に言うと、
リツ子の父の再婚相手の連れ子。
その義兄「圭一」が飛行機事故で亡くなる。
圭一の遺体の一部とともに発見された遺書。
その遺書から
リツ子の旅は始まる。
うさぎへ
ありがとう、ありがとう、ありがとう。
戻れないところにきてしまったようだ。本当に後悔している。
二度と君に会うことはないだろう。
でも感謝している。
ごめんなさい、どうかお幸せに。
圭一に「うさぎ」という愛称で呼ばれていたリツ子。
この遺書に隠された圭一の思い。
飛行機が墜落するまでの時間に書かれたものと思われるこの遺書。
他の人の遺書も発見されていたので、
そうだろうと思われていた。
が・・
何か違和感が。。
圭一の遺体が発見されたのは、
なぜか座席とは反対側であった。
なぜ?
あまりにも落ち着いた遺書の文字。。
そして、
圭一が残した「音」の謎。。
「音のメッセージ」に隠された秘密
圭一はうさぎに何化を伝えようとしていた?
そして・・
うさぎがもう一人
リツ子は自分ではない「うさぎ」がもう一人いることを知る。
そして・・
その「うさぎ」のついた、
嘘
それが圭一を追い詰めていったことを知る。
そして・・
もう一人の「うさぎ」がそんな嘘をついたのは・・
「うさぎ」ことリツ子に対しての嫉妬が絡んでいた
そして・・
そして・・
リツ子が圭一の名誉のために仕掛けた偽りのアリバイ作り。。
2人の女うさぎの嘘がこの小説の鍵を握ってる☆
北森鴻の遺作ということを踏まえて読むと、
いっそうこの作品も味わい深いものになると思います。