
弥栄画廊さんがお持ちの小絲源太郎作品を画像で2点拝見して、素敵だなぁと思い少しの間お預かりさせていただく事に致しました。





実作品は小品ながらやはり共に濃密で、「この2点はとても良い出来の作品だよ」と太鼓判も押していただけて、更に魅力を感じました。

先日ご紹介致しましたミニのパンジーはすぐにご来店のお客様にお見初めいただき、その後少し迷いましたが、「この虹は小絲ならでは!」と思い直し、あらためて仕入をさせていただくことにしました。

GK時代より少し前の時代の作品。
板に油彩。
作品裏に作家のシール、文字があります。


遠雨という言葉自体は辞書にもありませんが、手前の海面に描かれている水の濁りと微かな飛沫で
いかにも!虹のたった瞬間の感激を強く感じ取ることができます。
虹を描くのはとても難しい事だと思います。
すぐに作品が幼稚に、甘くなってしまいそうです。
この作品では、奥にどんどん湧き出る白雲の分量や島?陸の分量と色、そして海面の変化を巧みに描くセンスと技量が、虹という幻想を確かに支え、「通り雨」でもなく「時雨」でもない「遠雨」というおそらく造語のタイトルの響きが、作品全体にしっとりとした落ち着きを与えています。
小絲源太郎の作品には俳句的な魅力があると以前から感じています。
日本人ならではの潔さという価値観です。

歳時記にこんな句を見つけました。
虹なにかしきりにこぼす海の上 鷹羽狩行 『平遠』より
佐野繁次郎展の際には、箱に仕舞っておきますが、小さな作品ですのでご希望がありましたらいつでもご覧いただきます。
よろしければ、お声がけください。
小絲源太郎 「遠雨」 14.5×26㎝ 板に油彩 ☆
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