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「“よいテロリスト”などいない」とトルコ、懸命に欧米を説得

2016年02月19日 | 国際
2月20日 PKK(クルど労働者党)の分派であるPYD(民主連合党)を“よいテロリスト”として支援する欧米の説得に懸命なトルコは、彼らの真の姿が撮られたビデオを欧米に見せることにしました。

 Hurriyet

アメリカとロシアの支援を受けているPYDの武装集団である人民防衛隊(YPG)のテロリストたちは、アンカラの爆発テロの2日前に、公然とトルコに宣戦布告しています。アンカラのテロでは無辜の人々28人が死亡し、61人が負傷しています。

PYD/YPGの親の姿を伝えるビデオは、シリアのアムデで撮られていますが、アムデはアンカラの自爆犯サレフ・ナジェルの故郷です。ビデオの最初には、訓練の前に武器を持って整列しているYPG戦闘員が撮られています。司令官がテロリストに向かってスローガンを叫び、トルコを威嚇し、トルコ南東部に住むクルド人を決起させようとしています。

「われわれはクルド人の権利を守り、YPG、YPJ,HPJとして、あらゆる手段を使う。われわれは国境など認めない。アムデも、ジズレも、ディヤルバクルも同じだ。我々は国境を廃止する」と司令官は叫び、トルコに住むPKKのテロリストとの団結を誓っています。

「われわれは北(トルコ南部)のクルド人の権利を守る。西方と北方のクルディスタンのクルド人とともに、エルドアンを血の海に沈める」と司令官は叫び、PYDはエルドアンをターゲットにすると言っています。彼らはトルコの南東部をクルディスタンの一部と称しているのです。

ビデオの終わりに、戦闘員たちは“セロク・アポ”(指導者アポ)と叫び、PKKの指導者アポ(アブドゥラ・オジャラン)へ敬意を表しています。オジャランは1999年にケニヤで捕まって以来、マルマラ海のイムラル島で終身刑に服しています。

・・・こんなメチャクチャな集団を、欧米は、ISと戦っているからと支援しているのですから、困ったことです。


[アンカラの自爆犯はまちがいなくYPGのメンバーだ」エルドアン大統領

2月17日のアンカラの自爆犯はまちがいなく人民防衛隊(YPG)のメンバーだと、エルドアン大統領が言いました。

 Hurriyet


「実行犯がシリアのクルド民主連合党(PYD)とYPGであることを、われわれは疑っていない」と、エルドアン大統領はアンカラで、金曜礼拝の後、記者団に語りました。エルドアン大統領はまた、西欧諸国がYPGを“テロリスト組織”と呼ばないことを非難しました。トルコ政府はYPGとその分派PYDを、PKK(クルど労働者党)のシリア支部と見なしてきました。

「PKKをテロ組織と認めながら、なぜPYDとYPGをテロ組織と呼ばないのか」とエルドアン大統領は言い、この件については、追ってオバマ大統領と話すと言いました。「欧米がわれわれを頑なに理解しないのは悲しいことだ」とも、大統領は言いました。


「アメリカがPYDは信頼できないことを納得した」と外相

メヴリュト・チャヴシュオール外相が、「アメリカのケリー国務長官が“シリアのクルド人は信頼できない”ことに同意した」と満足げに言いました。「トルコ政府がテロリストと認定しているグループと関係を持った“誤り”を正し、この論争を終わりにしようとワシントンに要請する」と外相は言っています。

 Hurriyet

チャヴシュオール外相は大喜びの表情で、ジョン・ケリー国務長官が“シリアのクルド人は信頼できない”と語ったと言いました。外相は2月18日のケリー国務長官との電話会談に触れ、「わが友、ケリーはYPGは信頼できないと言った」と言いました。「アメリカの声明にはまだ矛盾や混乱はあるが、少なくともジョン・ケリーの口からYPGに対する彼の意見が変わったことを聞いて、私は喜んでいる」

「シリアのイスラム国(IS)との戦いで、YPGのようなテロリスト・グループにたよるのは、結局、弱みを見せたことになる」とチャヴシュオール外相は言いました。「とくに、トルコの同盟国アメリカは、この誤った行動を止めなければならない。誤りを正すことはメリットになる」と外相は、ジョージアの首都トビリシを公式訪問中の記者会見で言いました。

「ISやアルアスラのようなテロ組織との戦いで、他の“テロ組織”にたよるのは最大の誤りだ」とチャヴシュオール外相は言いました。「テロ組織と協力することは、赤ずきんの物語のオオカミに近づくより危険だ」

・・・シリアやクルドのことは、トルコのほうがわかっているんだから、トルコの言うことききなさいよね。


EUとトルコが3月初旬、特別移民サミットを開催する

移民危機を食い止めるための交渉を前進させるために、EUとトルコが3月初旬、特別サミットを開くと、欧州委員会のドナルド・タスク会長が言いました。

 Hurriyet
2月18日、EUサミットのためにブリュッセルに到着した欧州委員会のドナルド・タスク会長。


「EUはトルコと共同の行動計画を優先して行うことで合意した。われわれはできることすべてをしなければならない」と、タスク会長は、ブリュッセルでの2日間のEUサミットの初日後、記者会見で言いました。「EUは3月初旬、トルコと特別会議を開きたいという意向を持っている」

ドイツのメルケル首相は、トルコとの特別サミットは3月5日か7日にしたいと言いました。ドイツはEUで最多の100万人の移民を受け入れています。トルコは30億ユーロの援助と交換に、移民の流入をカットすることで合意しています。

EU11か国とトルコの首脳会談は、木曜、サミットの前に予定されていましたが、アンカラの爆弾テロでダウトオール首相が欠席することになったため、キャンセルされました。


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アンカラ爆発テロ後、イスタンブルも厳戒態勢

2016年02月19日 | 国内
2月19日 2月17日のアンカラの爆発テロ後、イスタンブルの治安チームも警備対策に乗り出しました。

 Hurriyet

イスタンブルのアタテュルク空港では治安要員が爆発物発見器を使って、空港に入ってくる怪しい車や人物をチェックしています。空港警察はまた、詳細な犯罪記録もチェックし、地下鉄から空港に入ってくる怪しい乗客に対してもチェックを行っています。イスタンブルのヴァシプ・シャヒン知事も、市内の治安対策は最高レベルで行っていると言っています。


「国際社会はPKKとPYDの結束を理解すべきだ」エルドアン大統領

アンカラの自爆テロ関連で、18日、7県で14人が拘束されました。「アンカラのテロは20人の高級軍人と8人の市民を含む少なくとも28人の命を奪い、61人を負傷させた」とエルドアン大統領は言いました。「クルド労働者党(PKK)とPYDは否定しているが、内務省と情報局の情報では、彼らが今度の攻撃の背後にいたことはまちがいない」

 Hurriyet

PYDのリーダー、サリフ・ムスリムは、シリアのクルド・グループがアンカラの爆発テロの背後にいることを否定しました。「逮捕者は14人にとどまらないだろうと思う」エルドアン大統領は言い、攻撃の背後の国内外の関係がわかってきたと付言しました。

「このプロセスは、国際社会の友好国に、PYDとPKKの密接な結束を理解させるのに役立つだろう」と大統領はくり返し、書類も提出すると言いました。人民の防衛隊(YPG)はPYDの武装集団です。アメリカは、シリアのイスラム国との戦いでPYDと共闘しているので、彼らをテロリストと呼ぶことを拒否しています。

PYDに対するスタンスが、いま、アメリカとトルコの間に大きな論戦を生んでいます。エルドアン大統領はまた、101人の命を奪ったアンカラの自爆テロから、たった4か月後に、またテロ攻撃が起こったことを悲しく思うと言いました。


アンカラのテロの犠牲者の中に女性記者もいた

女性記者ギュルセン・ユルドゥスさんも、アンカラの爆発テロで亡くなった犠牲者の1人です。ギュルセンさんはこの4年間、食品・農業・家畜省を担当していて、テロが起こったときも、同僚といっしょに同省の車に乗っていました。32歳のギュルセンさんは重傷を負い、病院で亡くなりました。

 Sabah

テロが起こったとき、彼女といっしょにいた同僚は、「なにが起こったかわからなかった。すべて一瞬のことだった」と言いました。「爆発が起こって、私は最初にギュルセンさんを見ました。彼女は重傷を負っていました。軍の救急車が来て、私は彼女を救急車に運びました。彼女は耳から血を流していました。いまも現場の様子が目に浮かびます」

ギュルセンさんのもう1人の同僚ニガル・ポラトさんは、「ギュルセンさんはいつもにこにこして、みんなに元気をくれました。なにごともポジティブに考える人でした。アンカラ駅のテロで大勢の人が犠牲になったとき、彼女は大泣きしていましたが、その彼女がテロで殺されたのです」と語りました。

ギュルセン・ユルドゥスさんは故郷のカフラマンマラシュのエルビスタンに埋葬されるでしょう。ダウトオール首相は、アンカラのテロはシリアのYPGの自爆者がPKKと組んでやったと言っています。


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