あを雲の涯

「 二、二六事件て何や 」
親友・長野が問う
「 世直しや 」
私はそう答えた

天皇と叛乱將校 橋本徹馬

2017年01月27日 20時20分53秒 | 『 天皇と叛乱将校 』橋本徹馬

帯書き

八千万臣民が塗炭の苦に落ちた大根源、そはいずこに求むべきか。
大日本帝国陸海軍の驕慢堕落によりしか、元老・重臣の臣莭らざりしためか。
『 朕の憾みとする処なり 』 と仰せられた陛下の御言葉、
それは、『 朕の不徳 』 というべきではなかつたか。
本書は一世を驚倒した 二・二六事件をえぐり、
近代日本史の一大秘密を大胆不敵に暴露する !

石橋湛山氏評
本書をみて私の知らぬことが多かったのに驚いている・・・・本書は過去の事実を語りながら、
現代人に一大反省を促しているものである。

久原房之助氏評
国家興亡のさいには、必ずこれにともなう悲喜劇があるが、
本書によつてその眞相が伝えられた二・二六事件は、
日本が昭和の時代に亡んだ一大悲劇の前奏曲であつて、
まことに悲痛きわまりなきものである。

眞崎甚三郎氏評
・・・・・・今日まで二・二六事件に関する著書記録等市井に溢れども、
今回の高著の如く事件前後の情勢判断の正確、事件の眞相と其樞機を捕捉し、
之を簡潔に網羅して余す処なきもの、之を他に発見し難く候。
之全く至誠心、智慧と勇気のある人にあらざれば能はざる処にして、
瀕死の吾が国に起死回生の靈能を発揮し、最良の救国剤たることを確信し、
謹んで御禮申上候 ( 来書の一節 )



天皇と叛乱將校
橋本徹馬

序文
昭和十一年二月二十六日払暁。
第一師団管下の青年将校約二十名が、部下の兵士一千数百名を引率して叛乱を起し、
降り積む雪を蹴立けだてて実力を行使し、当時の重臣大官等を襲撃して、
国中を震駭しんがいせしめた事件あり。
二・二六事件とよばれるものがそれである。
上官の意向を無視して兵を動かし、多くの重要人物を仆たおした彼らの罪は、
もとより万死に当る。
ただ当時の上層部の人々が、迂闊うかつにもこの事件の日本歴史上における重大性に心づかず、
また、その頃の軍部内における皇道派と、統制派との勢力争いをも知らぬがために、
さしもの事件を、国政上における、なんの反省の材料ともせず、一方的の憎しみをもつて、
叛乱将校達を極刑に処した。
その誤まれる処置が、その後の日本の無謀なる戦争突入----ついで敗戦降伏----事情も、
本書によつて明瞭になると信ずる。
いまさらに、過去の日本の古傷をあばくににたる本書も、もし熟読されるならば、
将来の日本が、自ら救い、あわせて世界を救ううえに、
何かの指針を発見せられるのであろうと思う。
昭和二十九年五月        紫雲荘にて  著者

天皇と叛乱將校
目次
クリック すると頁がひらく

口絵写真 ( 二十二烈士の肖像と遺詠 )
  
序文
第一部  日本陸軍の自殺
一  貧困と疑獄の中に靑年將校起つ
     
三月事件から十月事件へ 
      満州事変から五・一五事件へ
      士官学校事件と相澤事件
      叛乱将校蹶起の動機
      あえなくも意図挫折す
     ★ 
青年将校と政治問題 « 昭和九年二月執筆 »
二  皇軍精神と天皇機関説
     
注目すべき鵜沢博士の所論 
      天皇御親政とはなにか
      生物学御研究は大御心ではない
      青年将校の精神的背景
      国体擁護論者は厄介者か
三  湯浅内大臣との勅語問答
      元老・重臣ら国民をあざむく
      
『 朕の憾みとする 』 との お言葉 
      涙を浮べた真崎、柳川将軍
      叛逆罪は許されたい 
      
奇怪至極の軍法会議       
      死の直諫無視せられる
      皇軍はあのときに亡んだ
第二部  今生陛下に爭臣なし
一  軍自ら奉勅第一主義を蹂躙
      軍部独裁の陣容整う 
      
奉勅第一主義の徹底 « 昭和十二年三月執筆 » 
二  逆用された二・二六事件
      
邪魔ものはやっつけるぞ ! 
      われわれは支那事変をこうみた
      ついに主戦派を抑え得ず
      皇道派もまた反省を要す
      想い起す西郷南洲翁の事例
     ★日本国民に告ぐ « 昭和十四年十二月執筆 »
三  今生陛下と元老・重臣
      
明治天皇に小遣いをいただく伊藤公 
      西園寺公は国家柱石の臣か
      
牧野伯の臣節を疑う 
     
官僚だつた湯浅内府 
      木戸侯と近衛公も荷が過ぎた
      争臣なくして國亡ぶ
四  柳川將軍と叛乱将校 « 事件余録 »
      誤解せられた柳川中将
      功をたてて誇らず
      柳川内閣案失敗に帰す
      末松大尉との神様問答
第三部  特別資料篇
      十月事件計画者の起草せる
一  
皇政維新法案大綱 
      三月事件、十月事件についての
二  
大川周明氏の非公開陳述 
     磯部・村中両氏執筆の
「 粛軍に関する意見書 」 
    
二・二六事件判決の全文 « 陸軍省発表 »

リンク→私の記憶・『 昭和維新  二・二六事件 』