日々遊行

天と地の間のどこかで美と感じたもの、記憶に残したいものを書いています

記憶のメモから 舞台「さよならの城」 サンシャイン劇場

2014-06-20 | 宇野亜喜良

Panhu

もう10年以上の月日が流れたが忘れられない舞台「さよならの城」
寺山修司の作品「観客席」の続編として2002年に上演された。
新書館出版のフォアレディースシリーズ「さよならの城」をベースに
抒情的メルヘンに猥雑な絵の具を流し込んだようなミュージカルだった。

寺山修司のことば
宇野亜喜良のイラスト

この二人のコンビは、時を経た今も変わらずに魔術をかけるように魅惑的だ。

舞台いっぱいに配置された宇野さんの舞台装置は
私を高揚させ、落ち着かなかった。
人魚、薔薇少女、あどけなくも挑発的な少女、月に座り、
海にただよう少女たち、そしてユニコーン。

くりひろげられる舞台は、J・A・シーザーの音楽に乗って
寺山ワールドが摩訶不思議な迷宮へと誘い込む。
そこは暗い見世物小屋、イタリアの町なのか、ノスタルジックな遊園地なのか・・・。

     恋にさようなら 夏にさようなら 青春にさようなら

さよならは人との別れだけではなく
自分の中で何度も繰り返して築いていく「さよならの城」なのだ。


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