Silver linings

カリフォルニアで子育てとか仕事とか。

春の吉野散策

2008-04-06 23:05:01 | 日常
きのうの土曜日、同僚たちと世界遺産でもある奈良県の吉野へ行きました。
3万本の桜、、、はまだまだ咲いておらず、下千本、中千本、上千本、奥千本というふうに山の高さによって呼び名が違うのだけど、この週末は下千本(一番低いところ)が見頃。
これから徐々に咲き上がり、来週末から再来週ぐらいがピークだそうです。

ということで、早春の吉野。
まとまった桜は見られなかったのですが、、、

ところどころに目を見はるような美しい桜、
たくさん見てきました。



そして、美味しいものいっぱい食べました!
吉野界隈は出店がたくさん。
焼きタケノコ、おでん、ぬれせんべい、、、食べ歩きしながらブーラブラ。

ここも美味しい!とすすめられたのが萬松堂さん。店先をのぞくと草餅づくりの真っ最中。

出来たてを買ってみました。・・・おいしー!! おいしー!! 
春のよもぎの香り、上品なこしあんは甘さ控えめ、絶品です。

つぎ。
お昼ごはんは、柿の葉寿司。吉野名物です。
柿の葉寿司なら「ひょうたろう」さん。

鯖に油がのっててツルッと食べられます。何個でもパクパクいけそう!

食後のデザートは吉野くず。
吉野はくずが有名なんですね。

横矢芳泉堂さんのくずきりはすごくコシがあって、おいしいです。

また食べ物レポートかよ、、、となってしまうので(笑)、
お寺のレポートもしっかり。

金峯山寺 蔵王堂へ。日本で奈良の東大寺に次ぐ2番目に大きな木造建築寺院。

金剛蔵王権現さまは、3体。これはもうめずらしい形相をしています。
秘仏なのでふだんは公開されておらず、この日も重い幕で閉ざされており、拝むことはできませんでした。
でも、ポスターなどで見たのだけど、すごいです!

だって目がかっと開いていて、怒りの形相なのです。そして肌が青い。
あんなの見たことないよー!

忿怒(ふんぬ)と呼ばれるそうですが。
権現とはそもそも「権(かり)の姿で現れた神仏」で、見た目が怒りの形相はしていても、
実は私たちの過去世・現在世・未来世の三世にわたって救済してくださる三尊なのだそうです。

特別な時期にご開帳され、拝めるそうですが、、、
次にあの幕が開くのはいつなのでしょう(去年あったばかりなんだって!)。

---

ここの住職さんにいろいろ質問しながら、歴史の話を聞きました。
吉野といえば、後醍醐天皇が開いた南朝のあった場所。

南朝とこの蔵王堂の関わりについて色々聞きました。以下、おはなし。

後醍醐天皇が隠岐に流された後、その息子護良親王はここ蔵王堂を本陣とし、幕府の大軍を相手に奮戦しました。しかし多勢無勢、形勢は徐々に不利になり、、、
7日7夜戦いつづけ、とうとう自分の最期を覚悟した親王は、最期に仲間を集めここで酒宴を催したのだそうです。

その酒盛の場所が「ほら、あの4本桜のところですわ」なんて指を指して教えてもらえるので、
よけいに実感がわきます。その時の様子を屏風に描いたものも見せて頂きました。

ドラマだねー。
敵に追われて自害を覚悟しての酒盛りって。
護良親王まだ25歳でそんな覚悟って、、、。すごいね。

しかしその続きがあるのですが、

その酒盛の最中に、村上義光という武士が、親王の身代わりを申し出たのだそうです。
村上は親王の着ている鎧兜を自分につけさせてくれ、と頼むのです。
「身代わり となって敵をあざむき、戦っているすきに親王はひとまず吉野を落ちのびて、再起をはかって ください」
というのが彼の願いでした。

敵はもう間もなくこの陣地を攻め落としにやってきます。そのとき、親王になりすました村上は蔵王堂の二天門によじ上り、敵の大軍が見ている前で切腹。介錯後の彼の首が転げ落ちるのを敵が拾いにいく間、親王は吉野を抜け出したのだそうです。

いやはやー、壮絶。
そんな歴史を口頭で語ってくれる住職さんにも感謝。

別のお坊さんは参拝客向けにお話をしてくれました。
「ちょっとお話がありますのでお時間のある方は、、、」と声をかけると、
観光客のみなさんがずずずっと畳の上に集まってきてみなさん正座をして待つ。
いいね、そういう文化。
静かな時間が流れていました。
いまの慌ただしい世の中、お坊さんのお話を聞くっていうのは、
ほんのり心が癒される時間なのかも。