背番号8をエースナンバーとするFWとボランチを主戦場とする主力級MFの加入が発表された年末の時点で、この発表を予想、あるいは覚悟していたファミリーの皆さんは多かったのではないでしょうか。2チーム分の戦力確保が理想とされるACL出場を考えると残しておきたい選手の1人のはずですが、悲しいかな名古屋の懐事情がそれを許さなかったと思われます。
残留争いに終始したとはいえ主力として起用された風間監督時代はもちろん、現体制で臨んだ昨シーズンも怪我で米本の抜けた穴を埋める活躍を見せて上位争いに貢献してくれたシミッチ。ベンチスタートが増えて出番が激減した後半戦も腐ることなく共に戦ってくれたプロフェッショナルな姿やプライベートでの紳士で穏やかなキャラクターを我々ファミリーは決して忘れることはないでしょう。
新天地となる川崎は風間氏が現在の礎を築いたチームゆえ、彼の才能を持ってすればおそらく今のサッカースタイルにも容易くフィットすると思われます。マエストロを手にした川崎は昨シーズン以上に厳しい対戦相手となりそうです・・・。
楢崎をして「宇宙人みたいなボールタッチをする」と評した彼の才能が開花したのはJ2が舞台となった風間体制初年度。レギュラーとしてブレークを果たしJ1復帰に多大な貢献をするも、翌シーズンは補強や大怪我の影響もあって出番を減らし、守備力とハードワークが求められる現体制ではベンチ入りどころか構想外同然となっていた亮太。
個人的にも考起と共に思い入れの強い若手選手の一人だった彼が昨シーズン途中に自身初となる期限付き移籍を選択していた際は、必ず名古屋に戻ってきてくれるものだと思っておりましたが、残念ながらクラブの評価は違ったようで契約満了という形で退団の運びとなってしまいました。
加入が決まった札幌は風間氏が標榜するサッカースタイルと相通じるところもあるだけに、トップフォームの状態でフィットすれば大きな戦力になるでしょう。オフシーズンを含めて怪我には十分気をつけていただいて、名古屋では見せられなかった”J1での大ブレーク゛を新天地で是非ともかなえてほしいもの。ただし、名古屋と対戦する際はくれぐれもお手柔らかに・・・。
