後輩:しぇ、しぇ、しぇ、しぇんぱーい・・・。連覇を目指した俺達の名古屋ですが終盤の怒涛の6連勝もむなしく今シーズンは残念ながら2位に終わりました。
しぇんぱい:首位との勝ち点差で僅か1及ばず・・・得失点差では優位に立ってたのにな。
後輩:でも、21勝8分5敗勝ち点71は立派な成績ですよ。今年もシーズンを通して連敗は一度も無かったし。
しぇんぱい:5敗のうちホームで負けたのは仙台戦の1試合だけだ。
後輩:負け数は去年より3つ減ってます。
しぇんぱい:総得点は13増えてるぞ。
後輩:等々力とビッグスワンの鬼門も突破してくれてるし・・・なんかこうやって話してるとあらためて悔しさがこみあげてくるなぁ。しかも優勝チームが去年までJ2だった柏だけになおさらですよ。
しぇんぱい:昇格初年度に優勝したチームは世界でもあまり例がないらしいな。
後輩:まだJリーグが成熟していない証拠っていう後ろ向きな説もありますけど。
しぇんぱい:名古屋も去年優勝しておいてよかったよ。まあ、こうして結果を出された以上何を言っても負け惜しみになるだけだし素直に認めるしかないだろ。
後輩:・・・・・。
しぇんぱい:考えてみると名古屋にとって去年の優勝も初めてだったけど、ぎりぎりのところで優勝を逃す経験も初めてだったんだよな。
後輩:同じ経験なら3年前にもしてるじゃないですか。
しぇんぱい:あの時の名古屋って優勝争いができただけでどこか満足してた部分があったじゃないか。
後輩:前年まではACLに出場するなんて考えられないチームでしたからねぇ。
しぇんぱい:ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ今回は全然違ったと思うんだ。勝利への渇望具合とか、敗戦時の落胆の度合いとか、次の試合を迎えるまでの精神状態とか、特に連覇のために負けられない試合が続いた終盤なんてサポーターにとっても未知の体験だったんじゃないのかな。
後輩:ネガティブな先輩はなおさらだったでしょうね。
しぇんぱい:そういうお前だって夜も眠れない日々が続いてたんだろ?
後輩:・・・・・巷で言われてるように分かれ目となる試合はやっぱりアウェイの柏戦ですか。
しぇんぱい:逆にあれで柏を乗せちゃった感はあるよな。
後輩:追い風が吹く中で迎えたアウェイ清水戦の惨敗劇も悔やまれます。
しぇんぱい:あとはなんといっても引分けの多さだ・・・冒頭ではあえて言わなかったけど。
後輩:・・・・・イージーミスに泣いたホームの清水戦と大宮戦・・・審判に勝ち点2を奪われた浦和戦・・・
しぇんぱい:引分けた8試合のうち一つでもものにしてれば柏戦の勝敗に関係なく首位でシーズンを終えてたんだから。
後輩:・・・・・終わってみれば序盤の不振も響きました。リーグ戦は開幕から6試合で1勝3分2敗と低迷、アジアナンバーワンを目指したACLも今回はラウンド16止まりと残念な結果に終わってます。
しぇんぱい:震災による中断の影響も大きかったよな。
後輩:それを言い訳にしちゃいけないんでしょうけど、特にACL出場組は調整が難しかったみたいですね。あらためてキャンプをするには中途半端な日程を強いられて。
しぇんぱい:それが怪我人の続出につながってしまって・・・
後輩:ただでさえ名古屋は開幕前から既に2人抱えていたのに。
しぇんぱい:ケネディ、金崎、闘莉王、吉村、増川・・・下位に沈んだあの時期は降格も考えちゃったよ、俺は。
後輩:・・・・・ACLも1次リーグから中東遠征を強いられることになりました。
しぇんぱい:それよりアウェイ杭州戦の敗戦が痛かったぞ。
後輩:最終節の中東遠征を消化試合にしたかったですよね。
しぇんぱい:逆に1位通過がかかる大事な試合になっちゃったもんな。
後輩:ラウンド16を瑞穂で戦ってたら結果は違っていたかもしれないし。
しぇんぱい:それでも正直言って二冠達成は難しかったかな。
後輩:・・・・・。
しぇんぱい:ナビスコカップとリーグ戦と天皇杯を戦ってたあの時期にACLも並行してあったわけだろ。
後輩:ACL敗退がなければまた事情は違ってたと思いますけどね、ナビスコカップを捨てるとか。
しぇんぱい:怪我人の続出、二冠を目指すには心もとない選手層、ケネディと闘莉王不在時の戦い方、控え及び若手選手の伸び悩み・・・全て開幕前に予想していたことなんだよな。
後輩:・・・・・若手の台頭なら磯村がいるじゃないですか。今年はゴールまで決めてくれてますよ。
しぇんぱい:常時ベンチ入りするところまではこぎつけたよな。
後輩:彼の場合はユーティリティープレーヤーとして使えるのが強みですよね。
しぇんぱい:花井と違って?
後輩:・・・・・印象に残った選手はいます?
しぇんぱい:全試合に先発出場した小川かな。ピッチ外でも選手会長として特に震災直後は見事な対応を見せてくれたし。
後輩:対照的だったのが金崎です。
しぇんぱい:消化不良の1年だったよな。
後輩:怪我から復帰後もなんとなく試合に入り込めてない印象でしたよね。
しぇんぱい:結局、復帰以後はノーゴールだもんな。お前は誰かいるのか?
後輩:直志ですね。あの献身的なプレーはいつ見ても胸を打ちますよ。今年も重要な試合で美しいゴールを決めてくれたし。
しぇんぱい:さすがにフル出場は難しくなったけど、ピッチに立てば相変わらず頼もしい存在だよな。
後輩:ゴールデンルーキーの永井については?
しぇんぱい:それなりに結果を出してくれてるけど、彼の場合は特に期待が大きかったこともあっていまいち物足りなさは残るな。
後輩:五輪代表でも最近はスーパーサブ扱いですし。
しぇんぱい:名古屋でも途中出場が多いというのが本人としても辛いところだろうな。
後輩:チームとして彼の能力を活かしていないっていう声もあります。
しぇんぱい:双方にとって来シーズンに向けての課題になりそうだ。
後輩:戦術の積み上げに関してはどうです?
しぇんぱい:淳吾の加入で中央からの崩しも多く見られるようになったし、ゴールへの選択肢は増えてるんじゃないのか?
後輩:淳吾、序盤は苦労したみたいですね。
しぇんぱい:その分後半戦で十分挽回してくれたと思うぞ。
後輩:10月にはブルゾの退団が突然発表されてますね。
しぇんぱい:シーズン途中での退団はもちろん残念だけど、その後戦力ダウンを感じなかったところがもっと残念だ。
後輩:・・・・・ブルゾもそれを察していたのか本人が契約解除を強く希望したそうで。
しぇんぱい:獲得当時のうたい文句だった“モンテネグロの10番”も今は昔の話で、加入以降はもちろんユーロ予選が行われた今年も代表に召集されることはなかったし、そういう危機感もあったんじゃないのかな。
後輩:あの運動量と守備力は辛いですよねぇ。
しぇんぱい:それらに目をつむってでも使いたくなるような何かを持っていればよかったんだけど。
後輩:能力を垣間見たといえるのは去年、ホームの神戸戦で決めたFK2発ぐらいですか・・・。
しぇんぱい:カシマスタジアムでのごっつぁんゴールとか風に乗せて決めた磐田戦の超ロングシュートとか福岡戦の復帰ゴールとか・・・記憶に残るゴールは多い選手だな。
後輩:どこか憎めない奴でしたよね。
しぇんぱい:別れの挨拶もできずに出ていくことになったのは残念だ。
後輩:・・・・・ディドコーチの退団については?
しぇんぱい:試合前のウォーミングアップで彼の姿が見れないのは寂しいぞ。
後輩:直後にゴトビ監督に請われて清水のコーチに就任してます。
しぇんぱい:ヒディンク・コネクションか・・・
後輩:今回の選択にはピクシーも理解を示してるみたいだし、前向きな退団と受け止めていいんでしょうね。
しぇんぱい:ステップアップを目指すのは選手だけじゃないんだし、純粋に名古屋でのコーチとしての職務に物足りなさを感じるようになっていたということなんだろうな。
後輩:選手では松尾元太が今シーズン限りでチームを去ることになってます。
しぇんぱい:退団選手がたった1人というのは意外だったぞ。
後輩:・・・・・今後はレンタルの発表もあるんでしょうけどね。
しぇんぱい:レンタルバックは・・・ないんだろうな。
後輩:・・・・・えー、一方で来シーズンの新戦力として三菱養和FCの田鍋陵太の加入とユースの佐藤和樹、高原幹、水野泰輔の昇格が決まっています。
しぇんぱい:ユースからの昇格は磯村以来か。
後輩:それと、まだ正式発表はありませんが神戸の石櫃洋祐の獲得も決まったようです。
しぇんぱい:的を得たいい補強じゃないか、さすが久米GMだな。
後輩:その久米GMによれば来年は緊縮経営が避けられないようで、去年までのような大型補強は行わないというか行えないようです。
しぇんぱい:せめてブルゾの抜けた穴ぐらいは埋めてもらいたいところだけど、シーズン中にダニルソンを完全移籍させた事情もあるしな。
後輩:優勝を逃したとはいえ選手の年俸も軒並みアップするでしょうし。
しぇんぱい:ベテラン勢のフル出場は確実に難しくなってるだけに、こうなると中堅及び若手選手の台頭は今年以上に待ったなしの状況だよな。
後輩:ただ、現実的にレギュラー陣との実力差はいかんともしがたいものがありますよね。
しぇんぱい:成長どころか実戦感覚さえ維持するのが難しい状況は本当になんとかしないとな。
後輩:契約が切れる千代反田の去就が流動的との情報もありますけど、いずれにしても来シーズンはほぼ現有戦力でタイトル奪取を目指すことになりそうです。
しぇんぱい:今年露呈した課題を来年も引き続き持ち越すことになるわけで一抹の不安はよぎるな。
後輩:田鍋には即戦力の期待も大きいです。
しぇんぱい:あとは眞紀人と輝希のブレークだな。眞紀人には背番号9を狙う活躍を期待したいぞ。
後輩:リーグ全体を見てみると今年は変化の兆しが見られたシーズンでしたね。
しぇんぱい:J2でも徳島や栃木の躍進は新鮮だったな。
後輩:優勝争いの常連だった川崎もチームとして明らかに過渡期を迎えていますし、これまでJ1リーグをけん引してきた強豪クラブの監督2人の退任しています。
しぇんぱい:かつての強豪・浦和もあの体たらくだしな。
後輩:来年はJ1の勢力図が一気に変わるのかもしれませんね。
しぇんぱい:その中心に名古屋がいられることを祈ろう・・・。
後輩:・・・・・で、明日の天皇杯4回戦ですけど対戦相手はあの柏ですよ。
しぇんぱい:4回戦にしてはもったいない顔合わせだな。どうせなら元旦の国立で戦いたかったぞ。
後輩:でも名古屋としては今年中に借りを返すチャンスが来たわけで・・・
しぇんぱい:今年は豊スタで引分けてアウェイで逆転負けだ・・・。
後輩:今回は瑞穂で名古屋の勝利です。
しぇんぱい:・・・・・。
後輩:柏はクラブワールドカップに出場して4位で大会を終えていますね。
しぇんぱい:あれはやっぱりアジア王者として出場しないとな。
後輩:それって負け惜しみですか?
しぇんぱい:・・・・・そもそもあの開催国枠っていうのはどうなんだ?
後輩:でも、あの雰囲気はたとえ予行演習としてでもいいから経験しておきたかったですよ。なんといっても地元で名古屋グランパスが観られるせっかくのチャンスだったんですから。
しぇんぱい:ケネディと闘莉王を欠く名古屋が世界を相手にどれぐらい戦えたのかは興味深いところだけどな。
後輩:・・・・・柏はリーグ最終戦から明日の試合を含めると18日間で計6試合を戦うことになります。明日は移動日を含めて中2日の試合ですね。
しぇんぱい:そこは名古屋と違って若い選手が多いし、ちょうどいいハンデになっていいんじゃないのか。
後輩:あの大会でさらに成長を遂げてるって話もありますからね。
しぇんぱい:むしろ実戦から2週間以上も遠ざかってる名古屋の試合感覚が気がかりだな。
後輩:そんなこともあって先週末にはユースと練習試合を行ってます。
しぇんぱい:最大の懸案事項はなんといってもケネディと闘莉王の不在だ。
後輩:加えて阿部も左足かかとの手術を受けて今大会欠場が決まってますね。
しぇんぱい:今年は万全の態勢で臨めるかと思って楽しみにしてたのに、主力5人を欠いて臨んだ去年と似たような状況になっちゃったな・・・。
後輩:・・・・・闘莉王には移籍話も浮上してます。
しぇんぱい:久米GMが一笑に伏している話とはいえ今後の動向はいやでも気になるところだ。
後輩:幸いにもその他の選手に怪我人は出てないようですし、去年と違って今年はピクシーや選手達が揃ってタイトル獲得にこだわる発言をしているように、チームとしてのモチベーションはかなり高いと思いますけど。
しぇんぱい:それは二冠がかかる柏も同じじゃないのか?
後輩:でも、タイトルへの貪欲さでは悔しい思いをしている名古屋が勝っているんじゃないかと。
しぇんぱい:俺達グラサポとしても同じ相手に二度も悔しい思いをさせられるのは御免だしな。
後輩:なにより今年獲得したタイトルがスーパーカップ一つだけっていうのは寂しいですよ。
しぇんぱい:ケネディと闘莉王抜きでタイトルが獲れればチームとして大きなものを得るだろうしな。
後輩:大型補強無しで迎える来シーズンの戦いにもつながるんじゃないかと。期待してる選手は誰かいます?
しぇんぱい:金崎だろ。今シーズンのうっぷんを晴らすような活躍を見せてほしいな。
後輩:彼にはゴールも期待したいです。
しぇんぱい:ベンチメンバーも興味深いな。
後輩:吉村、磯村、新井は確実として、あとは橋本や花井や光なのかそれとも田口や眞紀人や輝希なのか・・・
しぇんぱい:それこそ来シーズンを戦う陣容がうかがえるのかもな。
後輩:勝てば中2日で準々決勝ですし、できれば90分で決着をつけたいところです。
しぇんぱい:準々決勝の相手は横浜か・・・。
後輩:引き続き瑞穂で戦えるのはありがたいですよ。準決勝の対戦相手はJ2チームですし、横浜に勝てば元旦を国立で迎える可能性が広がるってもんです。
しぇんぱい:おいおい、それよりまず明日の試合だろ。
後輩:・・・・・柏は来年は連覇とかアジアナンバーワンとか世界一とか言ってさぞかし鼻息が荒いんでしょうねぇ。
しぇんぱい:去年の名古屋がそうだったようにな。
後輩:・・・・・。
しぇんぱい:ただ、余計なお世話を承知で言わせてもらえば来シーズンの柏の当面の目標ってJ1残留だと思うけどな。
後輩:既に二度も降格を経験してますからね。
しぇんぱい:脱エレベータークラブを証明するためにもせめてむこう5年間はJ1で活躍してもらわないとな。
後輩:優勝した次の年に降格なんてしゃれになりませんよ。
しぇんぱい:それこそ世界でも例がないんじゃないのか?
後輩:威勢のいいサポーターの御方々も心の奥底の本音はそれかもしれないですよね。
しぇんぱい:ついでにリーグ王者なったからにはピッチ外での素行も改めていただいて、くれぐれもACLのアウェイゲームで発煙筒焚いたりしないようにしてほしいな。
後輩:・・・・・って、最後はまた負け惜しみになってますけど。
しぇんぱい:・・・・・。