エリザベス・ボウエン、『リトル・ガールズ』

 邪気なく、ありのままの存在が意地悪。切羽詰まっているかと思えば、蝶のように気まぐれ。 
 少女たちの唇からこぼれ落ちる言葉は、放たれる傍から行き場を見失う。それらは、つうんと酸っぱい不安定な匂いをまとい、少女たちの間だけをひらひらとゆきかう。繋がり合うことには無頓着をよそおい、意思の疎通への希求が希薄なようで、本当は何処かにたどり着きたい言葉たち…。心細げな、そのかぎろい。  
 それらはまるで、往復する小さな暴力のよう。或いは、底知れない井戸に放り込まれて、心許なく落下していく礫のよう。人知れずどこかに降り積もって、さびしそうにうずくまっていたりするのかな…。 

 『リトル・ガールズ』、エリザベス・ボウエンを読みました。


〔 「あら、私も愉しく過ごしたわ――まったく同感。私の人生は、という意味で。つまり、色々あるのよ。でも、人って、何がないから寂しいのか、それを知らなくても寂しいのよ。寂しい――でしょう?――何がないから寂しいのか知らなくても?」 〕 242頁

 『エヴァ・トラウト』にひき続き、とても好きだった。これだけのお膳立てがありながら、決して劇的な展開へと雪崩れ込んでいかないところがボウエンらしいのかも知れない。  

 ただがむしゃらに無鉄砲に、自分の居場所を築きあげようとしていた元少女の、老いゆく年月に横たわるありふれた孤独とか。自分の才能に頼んで将来を思い描いていた元少女の、ありふれた夢の挫折とか。感じることや思うことよりも、考えることだけを得手とした殺伐系元少女の、ありふれた小さな成功とか。  
 戦争で離ればなれになった3人の元少女たちが、あまりにも長すぎるお互いの不在の末、とうとう再会を果たしたとき、遠い過去にほうむり去られたはずの約束が呼び覚ましたものとは…。 
 古く錆び付いた歯車が、ぎしりと軋みながら回り始める。記憶の底から浮かび上がる、美しくも哀しい謎たちと共に。そしていつしかそれは、3人が生きてきたそれぞれの道と尽きせぬ思いとを、優しく繋いでまとめ上げる為の旋律を流し始めた。…の、だろうか?  

 断続的なコミュニケーション、不器用で歪な友情。狎れ合いなど薬にもしたくないと言わんばかりな、気難しい女友達が二人もいたなら、少女の世界は無敵なのではないかしらん…なんて、私などは思ってしまうが。 
 でも、特に大好きな相手ではなかったはずなのに、いつの間にかいつも一緒にいたという女の子同士の感覚はとても良くわかる。偶々家が近かったから、教室で隣同士に座っていたから、出席番号が近かったから…。そんな“偶々”から何となく友達になって、しっくりこない相手への苛立ちや疎ましさを押し隠し合いながら、なぜか気がつくと同じ時間をいつまでも過ごしていた幼き日々の女友達。そこに大切なものがあったこと、かけがえのない時間が流れていたことに、ずーっと後になるまで知る由もない。 
 …と、そんなことを時折思わずにはいられなかったので、ほろりほろりと切なくなった。それで、ラストではただただため息。 

 作品解題の中でも触れられていたが、大人の禁断の愛の場に知らずして少女が居合わせる場面は、胸が締め付けられるように哀しく美しかった。

 それにしても、この訳文の中に唐突にあらわれるぎこちなさは一体どうしたものか…? これではまるで、語彙の乏しいエヴァ・トラウトその人が語っているみたいだ。でもこれ、敢えてこだわって直訳にしているのかも知れない…。
 首を傾げたくなるぎくしゃくした言葉選びや、状況を把握しづらい文章の晦渋さそのものが、ボウエンの作風なのか…? そこのところが判然としない。

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ゆったりん旅 広島編

 この度の旅の最終目的地は、広島でした。私は広島市も修学旅行以来でしたが、端的な目当てははっきりゆって広島焼きです…!(ちなみにだーさんは、広島の地に立ち寄るのは今回が初めて)

 あたくし、お好み焼きは関西風も好きですが、やはり広島焼きは格別というか、他の追随を許さないお好み焼きの完成形である…!との認識はしっかりあります(大袈裟…)。お好み焼きの聖地は、広島ですー♪
 …という訳で、駅からタクシーで並木通りのホテルへと向かい、さっさとチェックインをしたらばさっそく近場の「お好み村」へと向かいました。並木通りはちょっと、いやかなり、お買い物してみたい気分でしたけれど(雑貨やさん、服やさん!)、そちらの方については今回は堪えるとしまして…。

 あ、ところで話は変わりますが、初日に見付からなくてがっかりしたガイドブックは、なんとなんと、二日目の夕方にもなってバッグの中のサイドポケットにひっそり入っているのが発見されたのでした…! えーん。
 自分で作っておいた日程表も一緒に挟んであったので、泣けてしまいそうでしたよう。それで、私が慌てて探していた時に、「探してもないと思うよ」と言い放っただーさんのことまでも、恨めしくなりました。だって、そこまで断言されてなかったら、あの時点でもっと必死に探して見付かっていたかも知れないし…。 
 でも考えてみればそれはだーさんの、日頃の私への評価の低さの表れだったのかも知れない…。ううう。いつもここぞという時に肝心なものを忘れてしまったりするから、あんまり信頼されていないのかも…(てか、そうに違いない)。とか、いろいろ考えてちょいと凹みました。また今後、見直してもらえるように頑張るとします。殊勝に…。

 閑話休題。
 で、その件のガイドブックと何度もにらめっこしていたら、結局どこでも大差はないような気がしてきてしまった数多にあふるるお好み焼き屋さん…(ごほっ)の中から、なるべく無造作に選んだ「八昌」へと足を向けました(超有名なのは本店の方です)。 
 お好み焼きが焼き上がるのを待ちながら呑むビールは、これまた格別な味がします。ぐびびびび…。

 鉄板の上でテンコ盛りだったキャベツが蒸し焼きにされ、どんどん平たいお好み焼きの形に収まっていくのは見応えある光景でした。
 はいー、私たちのお好み焼きがやってきましたよ。私がデフォで、だーさんがスペシャル(生イカプラス)です。

 えー、思っていた以上に大きいよ…!
 二人ともへなちょこなので、鉄板からお皿に移してもらってお箸で頂きました。地元じゃないのが丸分かり?

 蒸し焼き状態のソバとキャベツが、ほっかほかで美味しいですよー。関西焼きと違って粉が少なめなので、ついつい食が進みます。
 と言いつつ、やっぱり多かったなぁ…。
 少し早めの時間だったので、お店に着いた時は他にお客さんはいなかったです。それが、私たちが食べている間にあれよあれよと席が埋まり、立ち去る頃には満席だったのは流石ですね。

 ホテル周辺を散策するうちにすっかり陽も落ちましたので、さらに呑むためのお店を物色し、魚介の美味しそうな居酒屋へと吸い込まれてみました。あ、お店の名前が思い出せないわ。良いお店でしたのに…。
 とても渋い大将は、“苦み走った片岡鶴太郎”風な容貌でした(え、つまり顔が濃い)。

 レモン酎ハイすらも、何だかとても美味しくてね。


 蟹みそは、ほぐし身と一緒に和えてありました。


 あと、ムロあじを焼いたのが美味でしたよ。
 だーさんがムロあじを頼んだ時に大将が、“それは良い選択だ”みたいなことを言っていたけれど、酔っ払いには聴き取れなかったにゃあ。
 ここにもあまり長居はしないで、次のお店を探しながら夜の広島の街に消えていく二人なのであった…(ナンチャッテ)。 

 
 三日目は、こちらへ行きました。 
 行きには広電を使ってみましたよ。ベテランな感じの車掌さんが、白髪交じりのきりりとした美女で格好良かったなぁ。路面電車って、旅気分にさせてくれますね。
 平和記念公園をてくてく歩き、資料館にもちゃんと入りました。私は修学旅行で一応見学したことがあったのですがだーさんが、「資料館があるならやっぱり見ておきたい」と真面目に言いましたのでね。 
 「記憶の中の資料館の方がもっと怖かった…」、と思いました。そういうものなのでしょうか。

 帰りの新幹線は2時半ごろ。駅にあるお店でゆっくりと、広島での最後の食事をしたためました。「出雲寿司」というお店です。
 やはり魚介が充実していました。蓮根の挟み揚げ(鰯つくね)やイカそうめん、蛸の煮付けを頂いてさらに(よく喰う客だ)。
 おススメを訊こうとしてだーさんが、男性の店員さんに「煮魚をお願いしたいのですが…」と話しかけたところ、即、感に堪えないといった風な一言が返ってきました。即答、「めばるですねぇ…」。 

 ので、めばる。
 めばるって、あまりいただいたことがなかったですが、美味しかったですー。目の周りもしっかりつつき、猫またぎになるまで食べちゃいました。

 そしてさらに(よく喰う客だ)。
 どうやらだーさんは、お品書きに特上巻があると、素通り出来ないらしいです(食べ比べたくなってしまうそうな)。
だーさん: 「とろ鉄火も頼まない? もう食べれない? 食べれる?食べれる?」
私: 「はい、いただきましょう…(やけくそ)。でも、3本ってどれくらいあるのかなぁ?」

 A.こんなに。
 サビ抜きになっていたので、別皿に山葵醤油を作っていただきました。美味でしたが多かったですよー。  

 そして特上巻♪ だーさんのおススメの食べ方は、一口で!(無理です…)
 頬張る頬張る。いろんな味がして美味しかったですー。旅の締めくくりに相応しいお寿司でした。

 毎度のことながら、よく食べよく呑んだ旅でした。時々ふうっと落ち込みましたけれど、それもひっくるめて楽しかったですよう…! 
 帰りの新幹線も二人して爆睡、旅の為に用意した林芙美子の短篇集が、バッグの中に読みかけのまま…。

 
 だーさんが職場用に買った、もみじ饅頭の残り。チョコとチーズ。  広島のお土産は、これでなくっちゃ。

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今日は元町、「TRATTORIA MARCO」

9月27日、土曜日。晴れ。 
 もう9月も終わりですねー。帰宅後ふらふらと昼寝(夕寝?)してしまって、ふらふらと起きだしたら空が茜色です。茜に薄紅、朱鷺色、日が沈む。  

 今日のランチはだーさんの提案で、久しぶりのイタリアンです。以前ぶらりと入ろうとしたとき、予約でいっぱいと振られたにも関わらず、再び果敢に予約なしで乗り込みましたら、今日はおっけー♪でした。おしっ。
 元町の鯉川筋にあります、「TRATTORIA MARCO」というお店でっす。以前南京町の近くの姉妹店に、お邪魔したことがありますよー。

 お品書きを見ると、アラカルトもとっても美味しそうですが(特にアクアパッツァ!)、「お時間がかかります」と店員さんに言われ、今日は大人しく二人してランチにしました。
 こくこくこく…。

 何しろこちらのお店は、旬な魚介類を使ったあしらいに定評があるようです。楽しみ楽しみ~♪ 
 まずはパン。最近、お店でいただくフォカッチャがお気に入りです。

 お料理を待っている間に、ワインに切りかえました。これは、クマ オーガニックという白ワイン。
 ボトルにすると贅沢過ぎるので、グラスでちびちび。…と言いつつ、後でお代わりをしました。

 さてさて、お待ちかねの料理が運ばれてきました。まずは前菜3種盛り合わせです。お品書きにはずらずらと、産地などまで書き込まれていましたよ。
 えっと、北海道産さんまのマリネ・ナポリ直送モッツァレラ“ボッコンチーニ”と広島産トマト・広島産長なす、栗坊かぼちゃのグリル バルサミコ酢マリネ、でっす(長っ)。
 秋刀魚が塩梅よく〆られていて、美味でしたよん。ボッコンチーニも、チーズ好きには嬉しい一品でした。 

 お次は、ちっちゃなスープの“広島産バターナッツかぼちゃの冷製クリームスープ”です。 
 冷たくて濃厚でした。舌ざわりまろやか~♪

 いよいよパスタです。
 こちらはだーさんの選んだ、“ショートパスタ・カラマレッティ いろんな海の幸のトマト煮込みのソース”。
 これはですね、私も少しもらいましたが、“煮込み”と謳っているだけあって、いろんな素材の旨みが引き出されて、ぎゅうぎゅうに詰まっている秀逸な一皿でした。これを頼んでいる人がだーさん以外にはいなかった(多分)のが、「勿体ない」の一言かも知れません。 
 だーさん、絶賛。しきりと味見を勧めてくれるのでした。 

 でもやっぱりパスタは、ショートよりもロングタイプの方が頼みやすいかなー。
 はい、こちらが私の頼んだ“自家製手打ちパスタ・タリオリーニ 明石産たことイタリア産アンチョビとフレッシュトマトのソース”。
 おおお、こっちも美味しかったよう。 
 甘い玉ねぎがたぷーりで、アンチョビとにんにくの風味が絶妙♪ 明石産たこからは魚介の旨みが出て良いお味、ブロッコリーの茎の方まで使ってあるのも堅実な感じで好印象でした。 

 パスタの量はそれほど多くないけれど、これだけ具沢山だと食べ応えがあります。
 タリオリーニは、細めのタリアテッレのことでした。

 久しぶりのパスタに舌鼓を打ったら、最後にデザートです。
 えっとこれは、“広島産雪化粧かぼちゃのクリームブリュレ・広島産スイートバジルのジェラート”です。
 いやはやー最後の最後に私たちが唸ったのが、このバジルのジェラートです。さっぱりとした味わいが癖になるジェラートでしたよ。 
 そう、そしてブリュレ。私、最初にスプーンを立ててコツコツ…パリン♪とカラメリゼされた表面を割る瞬間が好きなのですが、確か「アメリ」にもそんな場面がありましたね。アメリ気分で、コツコツ…パリン♪
 久々のイタリアン、満足満足。ご馳走さまでした♪

 そう言えば、隣の少年がだーさんをガン見していたのは何だったんだろう…? 何度も見つめ合ってしまったので、最後には笑えてきた(そして彼は、凄い勢いでパスタを啜っていた)。

 
 今日はこの後ハンズまで行ってだーさんの用事を済ませてから、いつもの場所で休憩をして帰路につきました。もう電車に乗っているときからぐらぐらで、それで昼寝をしてしまったという訳です。ちゃんちゃん。

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ゆったりん旅 宮島編

 二日目は午前の内に、尾道から宮島へ移動。2時間ほどかかったけれど、二人ともほとんど爆睡であっと言う間でした。 
 宮島口駅からはフェリーです。一番前の眺め。  

 私は宮島が初めてで、実はずーっと厳島神社に行ってみたかったのですー。 
 え、だって、海の中に立つ鳥居が見てみたかったのですもの(はい、それだけ…)。この日は小潮でしたが、お天気にも恵まれて満足~♪でした。
 島に降り立ってまず驚いたのが、鹿さん。ふつーに鹿さんたちが、ゆるゆると我が物顔に練り歩いている島でした。鹿せんべいとかはありません。餌をあげてはいけないらしいです(ちゃんと管理されているから)。

 きっとどんな地に訪れても、そこの美味しいものを頂かねば先へ進めない私たち。表参道商店街で、さっそくお店の物色。だーさんが店先の提灯に惹かれて、ここだ!と決めた「いな忠」というお店に入りました。
 
 お昼時だったこともあり、店内はほぼ満席でしたよ。入口近くの大きなテーブルに落ち着き、サクサクとオーダー。もちろん、まずはビール。
 同じテーブルに着いている他の人たちは、皆“アナゴめし”。宮島の名物料理で、特にこちらは人気のお店だったようです。私たちが料理を待っている間にも、ぞくぞくとお客さんがやってきては、満席で諦めたり外で待っていたり。私たちがすんなり座れたのは、たまたまだったのですね。らららっきー♪

 だーさんが頼んだ、牡蠣の鬼殻焼き。
 

 そしてこれは、穴子の白焼き。
 

 私が頼んだ、生カキ。
 あああ、声も出ません…。ジューシーで美味しかったですー。
 こちらでいただいたのは以上、二人で3品です。宮島の美味がギュギュッと濃縮されていたかしら?

 ではお待ちかねの、厳島神社へ。
 ちょっと、水位が低めですが…。
 向こうに見えているのは、五重塔です。


 こんなところにも、牡鹿の姿が。
 ふつーに横切っていく…。ああ、この辺まで潮が来ているともっとよかったかしらね? 

 丹色の欄干も美しく、この橋を渡ってみたいなぁ(滑り落ちそう…)。
 ゆっくり歩いても、憧れの場所はすぐに観終えてしまいました。ほろ酔い気分でふわんとしていた所為か、有名な高舞台のあたりは、ちょっと手短にし過ぎだったかも知れません…(あらら)。もちょっと粘れば良かったかな…。でも、人が多かったのですよ。

 だーさんの蘊蓄によると寺社参りというものは、行きにゆっくり時間をかけて(のみ食いなどもして)帰りはさっさと立ち去るのが約定なのだそうな。ふーん。
 …と言いつつ、途中のお店で少し休憩をしてから(ビールとカキフライ)、フェリー乗り場へと向かうのでした。そうそう、その二度目の休憩をしたお店で、白人女性がお蕎麦(だったかなー)にせっせと山椒を振っているのを見て、だーさんがしきりと感心していたけれど、あれはちゃんとお口にあったのでしょうかね…。
 五重塔は、見上げただけ。

 木陰を選ぶ、鹿の親子。
 さあ、いよいよ最終目的地へ…! まだ続くのですか? もう次で終わります。(つづく)

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ゆったりん旅 尾道編

 そして、倉敷から尾道へ。山陽本線で移動。 
 列車の遅れは20分程度のことだったので、実際にはほぼ予定通りの流れだったのですが、あわよくば尾道での時間を長くとりたいと目論んでいた私には、やっぱり残念なことでした。
 尾道と言えば、つい最近読んだ恩田陸さんの小説の舞台(のモデル?)にもなってたりして、とても印象的な描き方をされていたので、その雰囲気を直に味わうのをとても楽しみにしてましたのよー。るるる。

 駅の建物から外へ出たならば、目の前は尾道水道の胸のすくような眺めです。そして駅の真横には、尾道らーめんのお店もさっそくあります。おお。
 案内所で地図をもらいました際に、窓口で「すみません、尾道らーめんの○○○の場所は…」と訊ね、印をつけてもらいました。だーさんは吃驚したみたいだけれど、ガイドブックがないのだからそれくらい教えてもらわなくっちゃねー。

 ではでは、商店街へと向かいまして歩いていきます。すると。 
 商店街の入り口に、お芙美さんが…! あらまあお芙美さん、こんにちは!
 …ナンチャッテ。実はこの旅の間私が携えていたのは、林芙美子の短篇集なのでしたー。 
 折角なので、誰か尾道にゆかりの作家の本を、読んでみようと思いまして。先に、『おんな作家読本』の林芙美子の章を読んでみたら、いっそ『放浪記』にしておけばよかったかなぁ…という考えもチラッと浮かびました。でもやっぱりこの石像を目にすると、何とも言えない慕わしさがふつふつと沸きあがりましたよ。

 商店街をちょっと進んだら、こんな喫茶店もあったりして楽しかったです。
 時間があれば、お店も覗いてみたかったな…。

 元銭湯の駄菓子やさんかしら? 雑貨屋も兼ねているのかも知れません。レトロな建物でした。 
 
 時間があまりなかったので、兎にも角にもまずは尾道らーめんを頂かなくっちゃ…!と張り切っておりましたのに、地図を見るのが苦手な私は、目指すお店の目と鼻の先を素通りしてました。とほほ。
 
 間違いに気がついて道を引き返し、やっと辿り着いたのは「朱華園」でっす。 
 一軒しか行けないならば、定番中の定番なお店にしようと思ったのです。これぞ尾道らーめん!という一杯を求めて…。食事時を外しているので、待ち時間はなし。 
 
 はい、これが「朱華園」の中華そば♪ ガサツな店員のおばちゃんが、ずいっと持ってきてくれました。
 うーむ、こんなに大きな背脂は初めてです。スープのお味はまあまあ濃い目で、平打ちの細麺は程よくチープ。そして蓮華もなし。
 こういうご当地らーめんは、本場で頂いているという実感だけでもう充分に美味しいですね…! ぷにぷにな背脂は、癖になりそうでした。思いの外、食べ応えもありましたよ。

 もう夕方近くだったのですが、もう少し尾道を堪能したいなぁ…と思い、ロープーウェイで千光寺山へ。 
 見てみて! すっかり雲が流れて、晴れ上がりました♪

 古寺巡りは最初から諦めていたので、せめて文学記念室に行きつきたいなぁと、「文学のこみち」を歩き始めたのですが…。
 ど、どこが「文学のこみち」…? 雨上がりの足もとが怖くて怖くて、そんな優雅なものとはほど遠くってよ…! 特に下りが怖かったけれど、必死で顔をあげると幾つかの石碑(句碑やら歌碑やら)があり、「放浪記」の石碑もありました。
 実は尾道水道は、この写真の左手の方の眺めが一番素晴らしかったです。

 空はどんどん明るくなったのに、時間はもう五時近く。ロープーウェイの最終便が5時15分だったので、この辺で文学記念室も諦め(予想以上に離れていたの)、ひき返しました。残念。
 まあ、こんな景色が楽しめただけでも…ね。

 下界へ降りて駅までの道のりは、線路沿いの道を歩きました。すると線路を挟んだ反対側は、こんな風にいきなり階段。しかも急勾配。ああ、これが尾道なのね。
 もっと細い路地もすべて階段。階段っていうか、石のきざはし。とても日本的な街並みなのに、どこもかしこも階段なのが不思議な景観でした。“道=階段”というのは異国みたいでもあり、でもどうみてもここは日本…みたいなね。

 この右手に陸橋があったのですが、映画「転校生」にも出てくる陸橋だったようです。
 こんな街並みを見ていると、やはり絵になるなーと感じ入ります。もっとここで時間を過ごしたかったなぁ…とも思いました。 

 
 駅の反対側のホテルにチェックインをして、近場をうろうろ。呑めそうなお店がなかなか見つからない中、一軒の居酒屋の前を通りかかったら、ちょうど折よく大将が暖簾をかけるところでしたので、そちらにお邪魔してみました。
 
 一日目終了、乾杯~。
 つ、つき出しが、私の食べられないとろろ&もずく。しかも、つき出しとは思えない量の多さでしたわ。
 お品書きの中から、“小いわし天”というのが気になったので大将に訊いてみましたら、瀬戸内海でとれる小さい鰯のことで(マイワシとは違うんですって)、地元だけの味覚でしたのでそれをお願いしました。そしたらば…。
 やっぱり量が多かったですー。他にも気になるメニューがあったものの、この一皿でお腹がいっぱいになってしまいました。でもサックサクで美味でしたよん。
 いや、らーめんが夕方近くだったから、そもそもお腹が空いていたわけではないのでしたわ。食べ過ぎ…。えへへ。馳走さまでした♪ (つづく)

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ゆったりん旅 倉敷編

 21~23日二泊三日で、小旅行をしてまいりました。 
 コースは倉敷~広島なので、高校のときの修学旅行の行程に微妙にかぶるのですが、当然立ち寄る場所は違ってくる訳でして…とおっても久方ぶりの地を再び歩いたり、いつか行ってみたいなぁと思っていた名勝の地に訪れることが出来たのでしたよ♪

 …と言いつつ今回の旅は、幸先が良いとはお世辞にも言い難い。出発の日の朝はどんより雲のたちこめる雨降りだわ、油断していた私は旅行用の折り畳み傘が見付けだせないやら…。ぐすぐす。  

 倉敷にたどり着いたのは10時半ごろでした。空はますます薄暗く、なんと雷まで聞こえ届く…。でも、こちとら時間に限りのある旅人なので、傘をさして美観地区を目指したのでは、ありましたが…。
 おもむろにバッグからガイドブックを取り出そうとしたところ、見付からない! 焦って慌てておりましたらだーさんが一言、「探してもないと思うよ」。 「えっ!何で?」、「ずーっとテーブルの上に置いてあったから、『持っていかないのかな~?』と思ってた」「えええええ~っ!?」というやり取りがありまして、相当がっかりして肩を落とす私でありました…(だーがーしーかーしー)。

 流石になかなか気を取り直せないままに、美観地区に入っておりました。雨の中をとぼとぼ歩く。片手が傘でふさがっていると、写真を撮るのも億劫になるし…。 
 如何せんガイドブックが手元になく(気がつくのが遅かったので、駅前の地図さえ手に入れてない)、本来ならばも少し丁寧に見学してもよさそうなポイントも見落とし勝ちだったようで、あっと言うまにアイビースクエアまで来てしまったのでありましたことよ…とほほ。

 はい、ここがアイビースクエア。蔦の広場。懐かしい…。
 実は修学旅行の宿泊ホテルがここでして、私のクラスが夜にこの広場でアカペラのフォークダンスをした為に(そして、クレームが押し寄せたらしい)、入れ違いに宿泊した班の生徒達は厳重注意をされてしまったそうな…。ほのぼのエピソードです。

 中に入ったらだーさんが、「ここでどう?」とさっそく休憩の提案をしたので、ホテルのレストランで休ませていただくことに。


 いかにも結婚式らしき着飾った人々と、私たちのようにカジュアルな観光客が同時に点在する店内でありましたよ。
 ここのビールでやっとこさ、陽気な気分になれました。再び散策に戻ります。

 相変わらずどこを見たらよいのかあまりわからなかったけれど、オルゴール館をのぞいたり昼食をとったり(私はツマミだけ)、雨もだんだん小降りになってきたので、明るく和やかにそぞろ歩き。
 これはだーさんの山菜蕎麦。 

 観光地にありがちな、矢印の道標が全くないのは流石に美観地区…(とほっ)。 
 倉敷民芸館。貼り瓦の壁。

 倉敷考古館と中橋。
 よく小説に出てくる“なまこ壁”ってこういうのだったのねー!と、時々壁に触ったりしてみました。なまこ壁って、名前からは全然想像がつかなかったので。

 私が外観を気に入っていた建物は、大原家の別邸有鱗荘でした。
 岸に船をもやっているのが、素敵な雰囲気じゃのー。

 この道の先が大原美術館、だったかな? 私は修学旅行で入ったことがあるのですが(エル・グレコの絵ハガキを買いましたわ)、だーさんが興味なしの様子だったので、今回は外観を横目にスルーしちゃいました。
 

 それで、本当は倉敷ガラスをもっと見たかったのだけれど、チェックしたかったお店がわからなくなってしまったので、橘香堂の銘菓“むらすずめ”を頂いて、自分を慰めることにいたしました…。
 作っているのを見ていたら、二人とも是非とも食べたくなり、「でも一個だけがいいなぁ」「じゃあ中でいただこうよ」「えっ、食べれるの?」。

 はい、お抹茶セット。
 餡を包んでいるスポンジ(って言うの?)は、焼き色の付いている面が内側になっているのですね。ぷつぷつした気泡が、繊細な食感。  作りたて、美味しかったです。

 倉敷に雨は似合いますね。小雨程度ですと、良い風情です。アイビースクエアにたどり着いた頃は、ざーざー降りでしたから洒落になりませんでしたがね。

 倉敷駅に着きましたら、なんと、大雨の影響で運行に大幅の遅れ…! 雨め!(つづく)

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ニューミュンヘン 神戸大使館

9月20日、土曜日。晴れ。
 お天気もよくなかなか暑いのだけれど、見栄を張って長袖を着る。9月も半ばを過ぎたというのに、何だろう?この、日傘が欠かせない太陽光線。

 今日はパスタランチのつもりだったのに、私がミスを犯してニューミュンヘンになってしまった…!
 神戸大使館は二度目である。前回かなり五月蝿かったので覚悟していたら、案内された2階は割と静かでほっとした。

 シーフードフェアのメニューから、“カジキマグロのステーキ ガーリックソース”と、“海老とトマトの彩りサラダ”。
 こちらはだーさんの選んだカジキマグロ。かなり大きかった。
 しっかりと食べ応えのあるお魚ですなー。

 久しぶりに海老をもりもりいただきたくて、私はこちらを。
 ドレッシングが美味しくて、サクサクといただいてしまうわ。 

 赤ワインに切り替えて。
 あとは、パジョンとパエリアを頼む。パエリアについては「えええー?」という感じだったけれど、専門店じゃあないことを思えば、まあまあだったかなー。

明日からちょっくら旅に出ます。今月に入ってからバタバタッと決まった話。近場ですが、ぶらり旅を楽しんできますー。

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神戸牛~♪ 「神戸すてーき 桜井」

9月13日、土曜日。晴れ。 
 昨夜は結局、梅田で呑んだ。食べる方は二人とも控え気味にしたので、体重の方は増加なし(よしよし♪)。…だったのに、今日のお昼ご飯はステーキをいただくことになってしまった…。  
 折角こうして縁あって神戸の近くに住んでいるのだから、たまには神戸牛をいただいておこう、うしし…なんてね。神戸でステーキは、二度目じゃ。すてきじゃー。   

 三宮からポートライナーに乗り換えて、ポートアイランドへ。  
 本日お邪魔したのは、「神戸ステーキ 桜井」。人気店らしいので、我々にしては珍しく予約を取っておいたのよ。  
 
 こんな楽しげな店先。 
 私たちが到着した時は、食事を終えたばかりとおぼしきお客さんたちで、入口付近が賑わっていた。和んだ雰囲気が伝わってきて、お店への期待も高まる私…。

 お店の中に入り、カウンター席の一番奥へ。コの字にぐる~っとまわり込む。
 そして、とりあえずビール。
 見回せば、壁と言わず天井と言わずところ狭しと落書きがしてあって、何だか寛げる…。写真立ての人は、朝青龍。

 お腹がいっぱいになり過ぎそうな内容のセットは避けて、二人ともお値打ちなランチを頼んだ。
 まず、サラダ。トマトが黒ずんだ色合いだったので、二人でしげしげと眺める…。味は、普通のトマト。
 ドレッシングのお味が良くて、箸がすすむサラダよ。

 カウンターからよく見える鉄板で、いよいよ私たちのお肉が焼かれる。焼き加減を訊かれたので、だーさんはミディアム。私はもちろんレア♪

 こちら、だーさんのミディアム。

 
 私の方はこんな感じ。ややレア、かな?
 わ~い、ジューシーなお肉ぅ。

 ご飯(少なめにしてもらった)に味噌汁、香の物が揃いましたので、ひたすらひたすらいただく。最初の一口二口で、「んん~、美味しい~」と嬉しく賛辞をもらした後は、声も出なくなったわ~。 
 

 ニンニクチップと合わせて、おろしポン酢につけるも良し。粒マスタードでいただくも良し…。付け合わせの野菜も、美味しゅうございます。
 私、お肉の軟らかさにはあまりこだわらないが(別に、とろけなくてもいい)、こちらのステーキは、軟らかさと噛み応えのバランスがとてもいいなぁ…と思う。 
 味噌汁やご飯はお代わりが出来るそうで、わざわざお店の方が声をかけてくださった。私たちはほど良く腹9分(!)くらいになったので、大満足だったことよ。
 最後にいただくコーヒーまで美味しかった。ご馳走さまでした♪

 お店の方たちもとても感じがよくて、寛げるお店でよかったなぁ…。なんて、すっかりほっこりした気分で店先へ出ると、来たときにはいなかった猫さんが! 
 
  う、美しい…。看板猫の福さんが、お勤め中だった。
 とっても大人しくて触らせてくれるが、かと言って愛想は良くないところが、流石は猫さん。  

 でも、その麗しい姿を賞でさせていただくだけでいい。
 憧れの肉球にも触らせてもらい、しばしその瞳に魅入られていたのであった。

 こんなに美しい生き物がいつも傍にいてくれたら、そらーかしずきますわ。

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井上荒野さん、『切羽へ』

 まだ、と言うか。また、と言うか。体調がすっきりしないのは、未だ季節の変わり目にある所為か。今日もひねもす、うつらうつらと過ごしてしまった。半醒半睡。 
 
 ともすれば紗がかかりそうな意識の、ふっと覚醒する隙間をぬうようにして。
 『切羽へ』、井上荒野を読みました。


 とても好きな作品。
 交わす視線が伝えてしまう。触れなば落ちむ…と。その、あと一押しで転げおちそうな、危なっかしげな風情を互いに認め合いながら、相手に触れることの叶わない恋。一見淡いようでいて、理不尽に惹かれあってしまう秘かで荒々しい恋。ただそこにあることすら怖れるように、逸らした視線がたゆたうように揺れる。くんでほぐれて、離れて、また結ぶ…。 
 ほんの少しの綻びから、ぽろぽろこぼれおちる心情が、細やかな女性らしい神経の行き届いた筆致で繊細に描かれていく。あまり強過ぎる力で握りつぶすことのないようにと、静かに掬いあげていくように…。彼らの間にだけ存在する、ぴんと張りつめた空気がとても素敵だと思えた。   

 舞台となっている島は、本土から遠く離れているらしい。私には、その島の心当たりがまるでなかったけれど(井上光晴が少年期をすごした崎戸島を原型とするらしい)、何とも素晴らしい絶妙な設定だと感じ入った。都会ならばやすやすと守れる秘密が、重くて大きな意味を持ってしまう狭くて特殊な舞台だから。  
 例えばマンションの隣人が、何を生業としているのかさっぱりわからない。そんな乾いた町の暮らしを居心地良く思える私にとって、この作品に描かれた小さな島の閉塞的な社会は、あまりにも密で息が詰まりそうだ。主人公セイが近所や職場で顔をつき合わせる同性たちが、ことごとく示し合わせたかのように常に訳知り顔なのにも、「これだから田舎は…」と、げんなりしてしまう。
 密な人間関係に鍛えられた女たちは、どうしてあんなに勘が鋭いのだろう。うとましいことだ…。私はセイのように、こんな狭い島での生活に順応するのは絶対に無理。年季の入った人生の諸先輩方に取り巻かれるのも、ふるふるご免だ。でも、こんな物語の舞台としては、とても面白いとも思った。

 小さく閉じられた島の中、したたかさやずる賢さを持ち合わせない女が、己の秘密を守り抜くことすら、きっと思う以上に困難だっただろう。心の奥深くに押し秘めたはずの恋ならば、口にさえ出さなければ胸の内で隠しおおせるはずなのに、そばにいる女たちには簡単に見抜かれてしまう。…敵わない。 

 そんな状況の中、自身の思いにすら戸惑いゆれるセイの姿は、情け知らずな風になぶられる可憐な花のようだ。 
 夫婦ってなんだろう…なんて、詮無く考えてしまった。セイの一番近くにいた夫だけが、何も言わずにそっと、そんな風にゆれる妻を見つめていたのか…と思うと、溜め息が出た。たとえ夫婦であっても、恋を禁じ合うことは出来ないけれど、それもまた切ない。あ、井上さんは初めて読みました。

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蛸がいっぱい♪ 「蛸の壺」

9月7日、日曜日。曇り時々晴れ。 
 ひと時の涼しさが引っこんで、まだまだ暑い。秋らしく装いたいとは思えども、到底パンプスを履く気にはなれず、朱→黄色のグラデーションになったサンダルにワンピースでお出かけ。素足。 

 今日は元町の映画館へ、公開二日目の「グーグーだって猫である」を観にいく。だーさんにも(無理やり)付き合ってもらい、12時からの上映を観賞して、それから遅めのお昼ご飯にするという段取りであった。

 劇場は、ほぼ満席。女優陣が好きな人ばかりだったので、そこそこに満足した。ただちょっと、あれ? えっと、かゆいところに後少し…みたいなもどかしさも残ったかなぁ。いや、そのほわ~んとした感じが良かったのかも知れないけれど。好きなところ楽しかったところが幾つもあったし、グーグーが可愛かったし、「セクシーボイス アンド ロボ」で惚れた大後寿々花ちゃんも出てたし、メンチカツとビールが美味しそうだったし…! 吉祥寺っていいなぁ、とか。
 あー、キョンキョンも良かった。上野樹里ちゃんは相変わらずの活躍ぶりで、最近お気に入りな森三中も身軽(?)に跳びまわり…。なーんて思い出していると、何が物足りなかったのかよくわからなくなってしまう。しかし一番思ったのは、大島さんをもっと読まねば…ということかも。少ししか読んでいないなんて言ったら、四方八方からお叱りを受けそう…。 

 
 映画を観終えて即向かったのは、大丸の近くにある「蛸の壺」というお店。明石名物、明石焼きをいただきに♪
 小ぢんまりした店内に落ち着くと、お品書きをざっと見ただーさん曰く「ここ、食事をするって言うより居酒屋じゃん」。「うん、そーだよ。言わなかったっけ?ちょっと言ったよね?あれ?」…と受け流す私。
 でもー、美味しそうな品揃えですぜ旦那。蛸尽くしだって出来ますぜ。 あ、よく見ると、箸立が蛸壺(いや違う、蛸壺が箸立)。

 何はともあれビールと明石焼き、明石焼きのプレーンは“玉子焼き”。傾斜のついた板に整列。
 薄口の出汁につけながら頂く。ふあん、と軽い食感で、半分ずつなのであっと言う間になくなった。

 蛸、三点。
 “からし蛸”、これ美味しー。

 
 “蛸の煮付け”、
  これはぷりぷりな弾力が凄くよかった。

 “蛸バター”。オイスターソースのこくに、蛸とニンニクの芽の組み合わせがぴったり♪
 蛸料理は、どれもこれもいただいてみたかった。チャーハンや炊き込みご飯もいいなぁ…。

 定番、出し巻。


 私が食べたかったのは、この包餅(パオピン)。  私はこういう包みものに弱い。北京ダック風。

 お店の人も感じが良かったし、美味しい蛸が久しぶりに頂けてよかったー。ご馳走さまでした♪

 ほら、見るからに居酒屋じゃん。

 だーさんはこの後、「博多一風堂」へ食事の仕切り直しに向かったのであった。私は、ジュンク堂をぶーらぶら。

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