本が好き!な、りなっこのダイアリーです。週末は旦那と食べ歩き。そちらの報告も。
本読みの日々つらつら
ジーン・ウルフ、『ピース』
『ピース』の感想を少しばかり。
“そうしてぼくらは、歌い手はまだ最後に見かけた場所に立っているものとばかり思って捜しに出る。けれど見つかるのは骨と砂と一塊の色あせた襤褸だけだ。” 93頁
素晴らしく、すこぶる好みな作品だった。アメリカ中西部に住む老人の回想…なのだが、そんな一言からは想像もつかない広がりと奥行き、複雑な造りを持つ物語である。そこは物哀しい懐かしさに満ち、胸を打つ程に美しいけれど、ざわりと怖い。おそろしい。となると、タイトルの意味も不思議になる。
そして老人の回想という体裁も、実はだんだん怪しくなってくる。掴めない語り手の年齢や、どこか曖昧模糊として肝心なことを避けているような、或いは抜け落ちているような、そんな印象に戸惑った。本当に起きたことを語るのではなく、あくまでも己の記憶を通して語っている所為の歪みなのか。それだけですっきりと説明するのは苦しい。そもそも語り手がどれほどに正直なのかも、よくわからない。
オールデン・デニス・ウィアが語る過去は、ごくごく幼い頃にまで遡る。若かりし頃の母や美しい叔母たちのさざめくお喋りの場面、祖父の家で過ごしナイフをもらったクリスマスのこと…。ところがそこから先、話の色合いは少しも明るくならない。若過ぎる死や話中話で描かれる不気味な殺人は、暗い影を落とす。恋人たちの姿や愛の記憶さえ、いつしか薄暗くすぼまっていくのは何故なのか(とりわけオリヴィア叔母の場合は…)。
纏いつく不可解な謎の澱。もどかしさを掻き立てられ頁を繰る先に、夢の中の扉めいて立ち現れる幾つもの物語は、開きやすくて閉じやすい。閉じてしまったそれぞれの話の其処彼処にも、何かを少しずつ置き去りにしていくような心地に捕らわれる。
例えば時折挟まれるヴァン・ネス先生との対話も、どう解釈したらいいものかと悩ましかった(うーん、何ていうか狭間? 蝶番?)。そして老人の住む風変わりな家に澱む時間と、行きつ戻りつ移ろう過去の時間は、後少しで融合しきれない、マーブル模様のまま心に残ってしまう。(つまりそれは・・・・・・だからかも知れない)
読み終えて振り返り、また振り返り、残された謎を数え上げてみたくなった。ぷくぷくと泡が弾けるように、幾つも思い付いて切りがない。そのうち一つ目を見失いそうになって、また始めに戻っていたり。ぐるぐると。
全ては終わったこと、もう誰も残っていない…という静けさと、呼び交し響き合う死者たちの声に包まれる。隅々まで魅入られた。過去を手繰る彼の指先は、そして何に触れえたのだろう。
1月29日(水)のつぶやき
鑑定士、観にきた。咳は大丈夫。飴もある。大丈夫大丈夫大丈夫…。
@persicaart ありがとうございます~。咳もなく、楽しめました。よかったですよ。
鑑定士と顔のない依頼人、面白かたよう。「麻布かりんと」買ってビール休憩して、これから帰る。
1月28日(火)のつぶやき
おはよございまずーいー。
「地図と領土」、しゃべってはいけないことを言いたくなる(おい)。
私はてっきりあの展開で、うにゃうにゃうにゃ……な話だと思ったのよー、とか。
風邪っぴき中に上映期間が終わってしまった映画もあるし…。「アイム・ソー・エキサイテッド!」は、観に行けるかにゃ。
「ピース」が面白くてわなわなしている。わなわなわなわな…。
お、おさんどんしたくないよう…(これこれ)。
1月27日(月)のつぶやき(売布の「夢吉」)
村上春樹訳、「フラニーとズーイー」って。え。そうなの…。
ズーイー、なんだ。あ、おはよございまずーいー。
@rinakko 17:59
呑みにきた。近くの「夢吉」。
カウンターのおばんざいから、小芋の煮物。
@rinakko 18:37
ぬる燗でカキフライ。
@rinakko 19:00
池田のお酒、呉春。おいじい。
@rinakko 20:08
大好きな蕎麦ずしを。うおん。
ご馳走さまでした♪
1月26日(日)のつぶやき(西宮「磯寿司 くるくる丸」)
おはよございまず。パジャマでこーしー、またり。
あまおう、甘。嬉。「苺は上(へた側)から食べるべし」と、むかし年下の美人が言っていたので、その言葉を守っている。下の方が甘いから。
ウエルベックでびゅ。SFを読む気満々だった。んんん…?
(後日追記)この日のお昼ご飯は、お気に入りの「くるくる丸」♪
@rinakko 14:23
廻る寿司♪ ここは美味しいの。
赤貝。旬。
“天然ひらめ”。
@rinakko 14:24
たらの白子。
白焼うなぎ。
@rinakko 14:43
あんきもっ。
@rinakko 14:52
6皿で〆。奥の泪巻が泣けておいじい。
ご馳走さまでした♪
ジーン・ウルフ、お連れする。
@prima_7 そうなんですよ~。こじんまりしたお店で、今日は2時過ぎても満席でした。うちから遠いのが残念です。
西宮のジュンク堂に行ったらば噂の群像があったので、つい買ってしまった。確か、大阪本店にはもう残ってなかった。なんか、そういうタイミングに見かけたら買っちゃうな…。てへ。
@pyoko45 えっ、じゃあたぶん、その残り一冊が私のピースですw なんと。
@pyoko45 おお、完売ですね。素晴らしい。発つのは明日ですか? お気をつけて^^
1月25日(土)のつぶやき
おそよございまず。朝から「宝石の国」の読み返し、ねぶねぶ。んもう、好きすぎる。
久しぶりにピアスを買いたい。一目惚れで買いたい。
パスカル・キニャール、『秘められた生』
『秘められた生』の感想を少しばかり。
“人は一度しか愛さない。そして唯一愛するとき、人は愛していることを知らないでいる。愛について発見しているのだ。” 13頁
素晴らしい読み応えだった。あまりの晦渋さに慄きつつ、それはいつしか賛嘆の思いへと変わった。幾度となく躓き立ち止まり、これはどういう意味なの…と考え込んでみたり、或いは、ただ身を委ねる如くそのまま味わってみたり。難解な章に挟まれた、短い詩のような言葉の瞬き。その光を繋げながら、想像したこともない程に深い…深い思索の跡をたどる。愛について。ただひたすら、愛について…。
なぜ、この自伝とも物語ともつかぬ分厚い書物が、書かれることになったのか。その理由が解説で分かり、得心した。人生を俯瞰する視点による、遺言とも呼べる作品だったのだ…と。
書き写しておきたい文章も多すぎて、記憶からこぼれ落ちるに任せるのはとても残念。いつかまた読もう。読まなければ。
1月24日(金)のつぶやき
【オランダ靴の秘密 (角川文庫)/エラリー・クイーン】を読んだ本に追加
あまおう、届いた。でかい。早く頬張りたい。うひひ。
可愛いふりして わりとやる
@tarikorita おおう、発熱は辛いですね。でも、体が治ろうとしているわけだから、回復は早いかも?(私は発熱なしでずるずる…でしたから)。お大事に^^
@tarikorita たりこさん、熱が出る分私より若いかも…(ぼそっ)。はい、前向きにおやすみしてください!
1月22日(水)のつぶやき(読んだ本、『ユニヴァーサル野球協会』)
【ユニヴァーサル野球協会 (白水Uブックス)/ロバート クーヴァー】を読んだ本に追加
1月20日(月)のつぶやき(読んだ本、『小川洋子の陶酔短篇箱』)
おはよございまず。カフェオレまたり。
夜中の咳対策にぬれマスクを使ってみたらば、本来の目的には適ったけれど夢見が悪くて…。
いやな夢で目が覚める→マスク鬱陶しくて外す→咳出る→我慢してつける→いやな夢で目が覚める→マスク鬱陶しくて外す→咳出る→我慢してつける→いやな…
の繰り返し。息苦しかったわけでもないのに。
@prima_7 加湿器があれば、きっとかなり違いますね。うちは夫が湿気もアロマも苦手で(涙)、ずーっと購入を見送っていたのですが、そろそろ検討してみます!
『小川洋子の陶酔短篇箱』は、前半に既読率が高いので、一篇一篇再読も楽しんでいるところ。外科室とか愛撫、牧神の春。
とりわけ魚住陽子さんの「雨の中で最初に濡れる」は、好きな作品なので嬉しかった。
久しぶりに川上さんの「河童玉」を読んで、「真鶴」が読み返したくなったり。
小川さんの解説エッセイも、今朝読んだ「食パンの死骸」は掌篇みたようで凄く好き(く、くろめ…!)。
@rinakko 13:01
【小川洋子の陶酔短篇箱/小川 洋子】を読んだ本に追加
“本を開くとき、声という物質性に頼ることなく、唯一書き物の寡黙さを通して強烈な世界が忽然と聳え立つ。寡黙さと沈黙を出発点として、沈黙のとなりにある魂の内部に一気に姿を現すのである。
死の彼方、死に対する不安がおそらく介入する場所にも、同じような何かが存在していた。
(続き)私が言いたいのは、愛の持つこの障害なしの性格、その他動詞的な特徴は、おそらくは死によって特徴づけられるものであり、さらには、読書行為のうちに愛はより奇妙なその表情を見せるということなのだ。”
213頁(「秘められた生」)
« 前ページ |