本が好き!な、りなっこのダイアリーです。週末は旦那と食べ歩き。そちらの報告も。
本読みの日々つらつら
10月30日
レモンレモン床いっぱいの不発弾ひとつひとつをひろうかの日々
──佐藤弓生『世界が海におおわれるまで』
火傷のようにめくれる日々をうらがえす人の鼓膜が天才だった
この世どこかにわたしの四肢を継ぎ合わす犯人としてレモンが光る
──平岡直子『みじかい髪も長い髪も炎』
10月28日
昼ビール部です。丘の上のレストランにて。
お昼ごはん。
ビストロ・ル・レーヴ にて、ランチプレート(チキン南蛮と黒毛和牛のハンバーグ)。私には丁度良い肉充🍖
青空ごはん部
10月27日
レオ・ペルッツ/垂野創一郎訳『夜毎に石の橋の下で』を再読した。
ペルッツ再読7冊目。やはり、すこぶる好みな作品。
古のプラハという街が、美しい幻想の紗と甘やかな薔薇の香る夜気に蔽われている。憂愁に捕らわれたルドルフ2世と、ユダヤ人の伝説的な豪商とその麗しい妻の繋がりを中心に、幾つもの運命が絡まり結ぼれていく様も見事だった。優しい詛、天使たちの軋轢、占星術…。
著作リストの刊行順をたどって読み返してきたので、ペルッツの作風が前作までと比べるとしっとりしているように感じられる。愛ゆえに、愛に煩う物語。枠物語としての閉じ方もよかった。
“それにしても何てすばらしい夢だったのだろう。主は褒むべきかな。”
おはよございます。高菜ピラフのおにぎり。 #OnigiriAction 青空ごはん部
10月26日
美容院でカットしてもらってきた。昨日の眼科受診からもやもやを引きずってたけど、出来上がったわたくしがなかなか可愛いのでちょっと元気出た。
年末は混むからと言われて、12月のカラーの予約も取ったよ。もうそんな時季‥(´ー`)
指輪物語、私も再挑戦しようかなぁ…。
うん10年前の挫折本だし、そも私はファンタジーがやや苦手ではあるけれど(でも例えばタニス・リーは大好きだから一概には言えない)、作家で歌人の川野芽生さんがトールキンの研究をされてるので、読んでみたくなるん。
百鬼夜行シリーズの再読祭もしたいんじゃが…(気が遠くなるるる)
10月25日
ギョルゲ・ササルマン/住谷春也訳『方形の円 偽説・都市生成論』を再読した。
36もの幻想都市。惜し気なく溢れてくる奇想が勿体ないほどで圧倒されるが、都市(社会)構造に正解などあり得ないことを明かすようにそれらは呆気なく滅亡する。一つ一つの物語はかなり短く、幾つもの滅びと独裁や文明のバリエーションを一方的に眺めて通り過ぎていくのは、ひやりと不思議な読み心地だった(具体的な登場人物がいると割と珍しい)。
そして様々な建築物のアイデアには目を瞠り、とりわけ幻想文学寄りの物語には魅了された(ダヴァからオリュンピア…セレニア…アトランティスの流れが好き)。
方舟には何がのるのだろう…。
眼科受診して、新しいコンタクトレンズと、ちょっと不安な追加検査の予約をお持ち帰りした。
よるとしなみへい、、、よろしく哀愁、、、、
10月23日
睦月都『Dance with the invisibles』を読んだ。
美麗な装幀を愛でつつ。
〈香水を手首にかける朝の戸に鈍き刃物の香もまじりたり〉
〈わたしたちの定員二名の箱舟に猫も抱き寄す 沈みゆかなむ〉
〈悲し、とふ言葉が今朝はうすあおき魚の骨格となりて漂ふ〉
〈わが生まぬ少女薔薇園を駆けゆけりこの世の薔薇の棘鋭(と)からむに〉
〈永遠に降るにはか雨、にはかあめ わたしは本を壊してしまふ〉
〈秋雨の胸に庭あるごとくして苦しきときに顕(た)つ庭潦〉
〈何万回でも逃げ出した猫追ひかける 七月、私たちの永久に続くトランジット〉
〈ひと冬に少女が費やす砂糖菓子を煮詰めたやうな香水をもらふ〉
おはよございます。 すっかり寒くなっちゃって(涙目)、寿がきやみそ煮込うどんの季節だ。備えはばっちり。みそ煮込うどんは地元の味。
10月20日
レオ・ペルッツ/垂野創一郎訳『スウェーデンの騎士』を再読した。
とても素晴らしかった(ペルッツ再読6冊目)。
仕掛けの見事なペルッツ作品を読む醍醐味と、どっぷり幻想文学な雰囲気(民間魔術の呪文、亡霊との約束…)を存分に堪能した。
人を欺いて手に入れた幸福らしさ(愛する家族と、己の才能を発揮出来る身分と)を、真の幸いとして享受することは結局叶わない。それはいずれ誰かに返す借りものに過ぎない。
とは言え、主人公に他の選択があり得たとも思えず、逃れる術のない運命への道筋は神によって既に描かれていた…という皮肉が胸に痛い。 あと、名前を喪失する物語としても読めてそこも面白かった。
おはよございます。ピラフで無理くりおにぎり(パラパラで纏まらない) #OnigiriAction 青空ごはん部
10月18日
レオ・ペルッツ/垂野創一郎訳『聖ペテロの雪』を再読した。
流石、面白かった(ペルッツ再読5冊目)。
物語の舞台は1932年のドイツの寒村、なので珍しく歴史ものではない。とは言え、神聖ローマ帝国復興の夢の実現だのフリードリヒ2世(シュタウフェン家)の末裔だのと、やはり頗るペルッツらしい作品なので嬉しくなった。
巧妙な仕掛けは心憎く、なんと読み返し甲斐のあることよ。
…そして狂おしい願望が創りあげた物語への執着は捨てがたい。彼にとってその世界の記憶は美し過ぎる。 (人とは斯様、そうあって欲しいことをそのまま真と思い込み、進んで信じようとする可愛く切ない存在であるなぁ…と。)
おはよございます。朝ごぱん〜🥖 青空ごはん部
10月16日
ホセ・ドノソ/寺尾隆吉訳『閉ざされた扉 ホセ・ドノソ全短編』を読んだ。
〈全短編〉がそのまま初期短篇集(長篇から短篇小説には戻らなかったから)と。
面白く読んだのは、表題作と「シロンボ」「チャールストン」(語り手を含む男3人とも◯◯と思ったけどw)、「散歩」「サンテリセス」。
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